安倍晋三が政権について変化した最大の現象が格差社会である。更に一気に日本を軍国化に招いたことといえる。
こうした日本が築いてきた歴史に抗うように進行したのが、反朝鮮、中国感情である。進行というより煽ったともいえる、一連の安倍外交である。安倍は両国との首脳会談を極端に嫌い、北朝鮮には異次元の経済制裁を国連で提唱している。
安倍のこうした変わらない姿勢から出された言葉や政策は、国内で反中・嫌韓感情を醸成したといえる。ヘイトスピーチを繰り返す団体からは強く支持をうけるが、逆に韓国と北朝鮮から強く警戒されることになる。
政権前の安倍の言動はこうした団体からとみに気に入られていた。安倍晋三が公文書を隠したり書き換えたり、虚言を重ねたりと、何をやっても一定の支持が担保されるのもこうした背景があるからに他ならない。しかし、そのことは社会の底辺にいた、自虐史観に始まる隣国への民族的ヘイト団体に力を与える結果となってしまった。
現在起きている韓国との慰安婦問題に始まる諸問題が、解決どころ日を追って巨大化する根底的な問題も同じところに根がある。
韓国では国内事情に根差す身の保全を優先させる為政者が輩出する。やっと勝ち得た日本からの解放直後に朝鮮戦争が始まった。500万人ともいわれる犠牲者がでた。70年経っても休戦状態のこの戦争は、朝鮮人民とは無関係の東西冷戦下大国の代理戦争である。こうした朝鮮半島の悲劇、分断国家の現状と日本も無関係ではない。
韓国大統領経験者のほぼ全員が、退位後に何らかの問題を起こしているが、それを”恨(ハン)”にあると池上彰は言うがそれはあまりにも短絡的である。内政の問題を外交に回すのは何処の国も同じである。前政権の認めたことでも何悪否定する。内政ならいざ知らず外交でもそれをやる。韓国に限ったことではないが、最近はトランプが臆面もなくそれをやる。
今回の日本の三品の輸出規制に対して、あまりにも過敏な韓国の反応に日本側も驚いているだろう。日本メディアも同じであるが、化学三品は輸出が禁止されたわけではない。しかし報道は輸出禁止に対する両国の対応のように流されている。
徴用工問題に絡めていることは否定できないが、真っ向から否定する日本の対応もそっけない。対立の構図を拡大するばかりである。
アメリカでもトランプは、非白人の女性下院議員に対して、「民主党の過激な女性議員たちは、政府がまったく完全にひどいことになっている国からもともと来たのだから、帰って国を良くしたらどうだ」とツイートした。人種差別以上のヘイトスピーチに近いものである。その後も続く上塗りの発言は、固定されている自身の支持者の地歩を固めることにある。その思いは外れ、下院で非難決議が可決された。下品で粗野な発言はℤかしくはないのだろうか。
韓国は嫌うがトランプには服従する日本の外交こそが哀れである。