隠密行動の安倍晋三はステルス選挙演説で、「昨年は過去最高の税収になった。バブル期を超えた。経済は強くなった。経済を強くすれば税収は増える。」といっている。
バブル期の1990年度は、60兆1058億円の税収であったが、2018年度は60兆3563億円であったから、過去最高の税収は本当である。それで経済が強くなっているというのは、政治的発言であって客観的な事実を述べているのではない。
基幹税収の消費税と法人税と所得税のうちそれぞれバブル期に比べて、税収が法人税と所得税がそれぞれ6.1%減っている。それを埋め合わせているのが、消費税である。13.1%も増えている。
これは企業や法人の負担を減らし、庶民にその減った分を上乗せしたに過ぎない。安倍の言い分は企業が潤えばその果実が庶民・労働者にいきわたるというものであった。ところが現実には、企業は儲けた分をどっぷり貯め込み、雇用は非正規雇用をどんどん増やしてして、庶民・労働者の賃金を減らしたに過ぎない。おまけに退職金すらなくなった庶民・労働者に、年金で足らないから2000万円貯めとけというのである。
この現実を安倍晋三は、「過去最大の税収、過去最大の求人率、経済は強くなった」と喧伝するのである。
消費税は貧困層に厚く、富裕層を優遇する税制である。純粋に消費に対する消費税を実施しているのは日本と、アメリカのいくつかの州だけである。流通に生ずる課税の、付加価値税を消費税というのはいささか問題がある。ヨーロッパなどの付加価値税(VAT)は課税商品ごとに率が異なっているが、日本の消費税は一律課税である。
公明党は盛んに特定流通品の課税を据え置く(減らすわけではない)政策を、軽減税率というが、それは似て非なるものである。
バブル期は金利が6%もあったが、アベノミクスで金利はゼロさらにはマイナスとなっている。金利を下げるのは経済が弱いから保護しているのである。低金利は資本の循環を促すためであって、経済が弱い現実を意味している。しかしながら、一向に物価上昇2%の目標は達せられることがない。
そもそも消費増税対策をしなければならないほど、経済は順調でないことを物語っている。
一部は据え置くだの、5%に戻すなど、それも1年で元に戻すとか、そんなことをしなければならないほど、増税による冷え込みを懸念しているのである。経済は強くなっていないと、政府が告白しているようなものである。
昨日にも書いたように、安倍晋三は嘘の演説を行っている。経済の実態を伝えることなく自慢話をするだけである。そこでさらに税収増を狙って、消費増税をするというのである。