
慰安婦問題の年内妥結を目指すとした韓国朴大統領の意向を安倍晋三が一部受け入れ、交渉を加速させることで歩み寄った形となっている。会談後年内合意を主張した朴槿恵大統領を安倍首相は受け入れていない。会談をするということだけであって、安倍首相を支える官僚とではこれとて無理だろう。
日本軍の従軍慰安婦問題の処理について李元徳(イ・ウォンドク)国民大学日本学研究所長は「慰安婦問題は今年が解決の最後のゴールデンタイム」としながら「両国指導者が寛大な決断でこの問題を妥結し、韓日外交の争点から今こそ卒業させることが正しい」と提案している。多くの韓国民はいつまでも引きずる問題に嫌気がさしているかに見える。
元慰安婦は高齢になっているため、安倍政権はこれの引き延ばしを図っているかに見える。時間を測っているのは韓国側でははないか。安倍晋三の思うツボであろう。
中国側は日本の要請によって、李克強首相は会見したと報じている。写真でも李克強は笑顔すら見せていない。日中韓の政治的問題は何一つとして解決する兆しはない。彼らは自国民に向けてのアリバイ作業として会談した感がは強い。
中国と韓国は日本がTPP大筋合意を受けた危機感がある。中韓は自由貿易圏の構築の方が興味が深い。朝鮮半島での非核化宣言は収穫ではあるが、政治的には同床異夢で全く収穫がない会議といって良い。
世界の多くの国は、政治的対立は国民向けに行われてはいるが、経済的にも文化的にもそして大気も冷戦時代には比べ物にならに程深い交流がある。政治的対立が演出されても、小トラブルはあっても軍事衝突など起きない。
それにしても、朴槿恵に会食さえして貰えなかった安倍晋三は、すごすご帰国するしかなかった。その方が会談の本質を物語っているかに見える。