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そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

オリバー・ストーンが語るアメリカ史

2013-06-18 | 政治と金

NHKBS1で放送された、「オリバー・ストーンが語るもう一つのアメリカ史」10回がようやく終わった。細切れに放送されたが、全体として今までアメリカが隠してきたか、論議の外に置いてきたことを、映画監督オリバー・ストーンが理性的で正確に語っている。これはもう一つのアメリカ史と呼ばなけれならないのは、アメリカの独善的な世界観への警告である。

原爆投下、ケネディー暗殺、ベトナム戦争、9.11そしてイラク侵攻、それぞれの時代の大統領選挙が時代を大きく作ってきた。アメリカはそれらを記憶にとどめようとはしない。

イラク侵攻は、9.11の同時多発テロの翌日、ネオコンのブッシュの取り囲みが決定している。ベトナム戦争でトンキン湾事件をでっち上げ、北爆をし敗北した教訓は、生かされることなかった。彼らはありもしない、大量破壊兵器存在の虚構をでっち上げて、フセインとアルカイダの関係も何の根拠もなかった。

ブッシュはフセインが嫌いだったのである。かつてはイランを抑え込む相手として、フセインを支援したアメリカであるが、9.11とは何の関係もなかった。

原爆の投下は必要であり、戦争の終結を早めたというのがアメリカ国内の通説である。オリバー・ストーンはこれを、原爆に全く知識を持たなかったトルーマンの選択だったと暴いている。

原爆投下は、勃興しつつあったソビエトの社会主義体制に対する、牽制であった。日本の敗戦はすでに決定していたと、アメリカの通説を否定している。

ベトナムではアメリカ軍は、きわめて非人道的な行為を繰り返してきた。直接的な攻撃や殺戮だけでなく、枯葉作戦による次世代への傷跡も大きいが、アメリカはこれを認めていない。

シリーズの最後に、オリバー・ストーンは次のように語っている。神ののご加護がアメリカだけにあって良いのか。アメリカは世界の警察官を自負し独善的・排他的になっていないかと問うている。ケネディーの言葉を引用して、我々は同じ地球に住み、子供たちの未来の幸福を祈るのである。アメリカはそれをやってきたかと疑問を投げている。

オリバー・ストーンは映画監督らしく作り上げた映像で、アメリカの現代史を語っている。彼ははこのシリーズの第3回の、トルーマンが偶然大統領になったことを、現代史の象徴に扱っているように思える。

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