この数日北海道を離れていた。関東と関西にいたのであるが、その間北海道の矢臼別の誤爆の報道はほとんどどの紙面にも書かれていなかった。官房長官談話が僅かにあった程度である。北海道に戻ってみると、出発当時と同じように大騒ぎである。
アメリカ海兵隊は、勝手に再訓練を通告して予定通りに、訓練を打ち上げてしまった。地域の自治体の要請など、全く関係なかった。誤爆事故も全く関係なかった。結局今日(21日)で終了してしまった。地位協定を知らんのかと言わんばかりである。
射撃訓練をやっている自治体の市町村も北海道も、極めて遺憾だとしているし、建前とはいえ政府でさえ原因究明がなされるまで訓練は、中止すべきと言っていた。こちらの側には中止する権限もなければ、アメリカ側には通告する義務もないのである。これが、地域の痛みである。
ところが、やはりこれはこの地域だけの負担なのである。騒いでいるのは、別海町と厚岸町と浜中町だけである。それに北海道の上層部が、議会で遺憾の意を表明
した程度なのである。日本中のメディアはそんなことに構ってはいない。ほとんど報道がなく、知人に聞いてみたが、「そんなこともあったか。お前の街なのか」という程度でしかない。われ関せずである。
右に写真は着弾地域で砲弾痕を金属探知機で探す自衛隊員である。友人のサイトからhttp://www4.ocn.ne.jp/~shusan/
沖縄の痛みを分かち合うなどという美名であるが、我々ですら沖縄の痛みなどわれ関せずなのであろう。沖縄で起きている様々な、人名などのかかわらないような事件や事故は、他府県では全く報道すらされないのだろう。
こうして沖縄には基地があることを、日本全体のことであるとする認識ですら、報道されないことをいいことに、次第に希薄になってゆくのであろう。最初の写真は監視小屋である。「沖縄でダメなものは、別海でもごめんです」は、当然のことであるが、自らの地域が関与しなければ、そうしたことすら関わらなくなってくるのである。