そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

開発局はいらない、その1

2008-07-04 | 政治と金

北海道と沖縄には、国土交通省の出先機関の開発局がある。これは、国直轄事業を行うところである。国家公務員たちは、定年直前から躍起になって天下りを探す。地方に降りた分だけ、彼らは横柄にふるまう。

開発局に、談合やこれに類することが絶えまなく起きるのは、それなりの理由がある。地方の居場所は、上座にしかないと自負する伝統とプライド、それに地方の自治体の持ち上げがある。

それの典型が、標津川の蛇行復元工事である。土木関係者以外は、誰も求めていない不要な環境破壊の事業である。

この川の蛇行をショートカットして、直線にしたのは開発局である。旧国土庁である。ここでは50億円もの巨費を投じて復元をする一方で、拡幅工事もやっている。これは北海道の出先機関である土木現業所がやっているのである。

しかも、標津川と武佐川の間の中層湿原であったところを、巨大な資金を投じて牧草地にしようとしたのは、農林省である。40年前のことである。何度も手直しをしながら、排水事業を繰り返しても牧草はできなかった。

排水事業を繰り返した結果、川の流水速度は速くなり、湿原性の植物も鳥もいなくなった。この草地は今年、管理責任者となっていた中標津町と標津町が放棄した。

これらの川と湿原の自然はトータルなものである。全てが関連しあってこそ、大きな自然を形成していたのである。それを、現農水省、国土交通省、北海道、それぞれの町村が、別々の事業の下で管理して、やりたい放題に荒してしまったのである。

それぞれのところに聞いても、お互いに責任と原因をなすりつけ合うばかりである。これに、魚や鳥や花が趣味の、在野の連中を開発推進に取り込んで、さらに大きな環境破壊を50億円もの巨費を投じて行うのである。

それらの元凶は、最も巨大で権限おの大きな開発局である。開発局には、大きな口をあけて待っている土建屋がたくさんいる。これらの土建屋の中には、パイプ屋となっているもと開発局の天下り連中が牛耳っている。

今回の、標津川の蛇行復元工事は、明らかに官主導の事業である。談合の事実は証明されないが、プンプン匂う。

ひと時存在意義はあったかもしれないが、このような開発局は不要である。即刻廃止にするべきである。職員は、このわずかたった一つの事業の50億円を利用すれば、何かができるだろう。民間の苦労を味わせればよい。

コメント (1)
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