世界の最貧国の一つである北朝鮮が、核実験をすると宣言した。馬鹿げた話である。この国に国民は存在しないのであろうか。単一の情報だけを与えられる国民は、独立国家として当然であると思っているようである。教育から含めて単一の価値基準しか持たされない国民は、やはりアメリカや日本を悪者に仕立ててなければ存在意義がないようである。
北朝鮮のやることについては、欧米各国はそれでも今までは比較的冷静であった。ミサイル発射でも、それほどの反応はなかった。しかし今回の核実験宣言は、これまでの反応からは大きく異なっている。世界各国がほぼ同時に強く反応したのである。
これこそが、北朝鮮の狙いである。経済力も資源もない最貧国が、世界に注目される手っ取り早い手段が核兵器の開発宣言である。もう一つは、アメリカが中東の泥沼に嵌った今が絶好のチャンスと見たからである。
中国がいち早く反対の態度を打ち出したのは少々驚いたが、現在最も困っているのが韓 国であろう。太陽政策と称する融和政策に北が全く反応しなくなっている。人気回復のために整形手術までした盧武鉉大統領が、一番困ってると思われる。朝鮮半島の非核化宣言に反するといくら叫んでも、韓国の相対的な地位の低下は避けられない。国内でも反対運動が起きているくらいである。
今回の核実験宣言は、北朝鮮内の軍部の力がいっそう強くなっていることを物語っている。軍部は敗北を前提にすることは考えないし、面子を汚されることを最も嫌い強硬であることは、戦前の日本を見ればよく解る。
それにしても、安部晋三は小泉以上に強運の持ち主かもしれない。靖国に行くの行かないのと、ごにゃごにゃ言っている最中に、それどころでないことで韓国と中国と会談するのである。安部内閣による右傾化がかすんでしまうようである。