北海道日本ハムファイターズがリーグ優勝した。北海道移転3年目の快挙である。北海道の野球フアンは絶対数そのものが少なく、70%以上が巨人フアンであった。なんのことない、地方で放送される野球が、巨人戦しかなかったためである。移転前の日本ハムのフアンは僅かに1%程度であった。今年のようなシリーズの終盤から、プレイオフの間に札幌ドームを満員になるようなことを誰が想像したであろうか。
かつては、年に3回行われる札幌中島球場の巨人戦を、北海道の人たちは楽しみにしていたものである。道東からも、子どもに本物のプロ野球を見せたいと、数時間かけ夜を徹して車を走らせて見に行ったものである。
地元にプロ野球球団が来て、北海道民は快くこれを受け入れた。全てが中央にある体制がおかしいのである。集客力がないからと、あるいは経済効果が期待できないからと、在京球団ば かり増えるのが、単純な中央の発想である。今回の、パリーグのプレイオフが北海道と九州の球団で争われたことは偶然ではない。セリーグで覇を競った中日と阪神も、反中央(反巨人かもしれない)であることは偶然ではない。
釧路のような田舎の町の球場で行われるようになり、日本ハムの二軍戦といえどもスタンドを埋め尽くされるようになった。これを見ても、地方は活力がないのではなく、機会が少ないだけであることが解る。田舎の人間は”プロ野球が見られる”というだけで、大はしゃぎをするのである。こうして単純に帰属意識が芽生えるのである。
地域振興のキーポイントがここにある。