わが国の穀物消費量は概ね4000万トン程度である。 このうち、輸入されているのが概ね、3000万トンほどである。国内生産量は1000万トン足らずである。このほとんどが、米である。つまり、わが国の穀物自給率は25%少々である。この輸入されている穀物3000万トンの70%ほどがコーン(とうもろこし)であり、ほとんどが家畜用である。人が口にするのは小麦などであるが、あわせても2000万トン少々である。わが国の穀物消費の半分量は家畜が食べているのである。
家畜が消費する2000万トンほどの半分量が、ニワトリが食べている。つまり、わが国で生産されるお米と同じ量をニワトリが食べているのである。近年この傾向はさらに進んできている。若い人のお米離れと、畜産食品への移行が大きな要因になっている。わが国の、食料自給率を上げるためにはこうした食生活を考えることも重要である。拙書「そりゃないよ獣医さん」新風舎刊参照http://www.creatorsworld.net/okai/
わが国の家畜が穀物を多給されても採算が合うのは、輸入穀物が安価で販売する畜産製品が高いからである。それは円が高いかドルが安いかあるいはその双方が条件で、日米関係が良好であることが前提となる。そうして、高収入を目指す畜産農家は、大量の穀物を家畜に給与することになり、家畜への大きな負荷となる。獣医さんは忙しくなる。