この写真は、観光地で有名なある公共牧場の直下である。いわゆる三面工法と言われる河川改修がなされたところである。一見木や草がなくなりきれいに見えるが、瀬や淵(浅いところや深いところ)、急流や緩流をなくしてコンクリートで固めたものである。河川周辺の昆虫などの小動物がいなくなり、少しの雨で増水し、しばらく雨が降らないと渇水する。放水路となった河川には魚がいなくなり、周辺には小鳥の声がなくなる。環境破壊と周辺の酪農家が気づくまでは相当な時間がかかる。
酪農家などの住民が気が付くのが遅れるのは、国がやってくださる農業の環境整備の一環だと「お上」を信じているからである。事実このような公共事業は地方僻地を潤していたことは否めない事実ではある。しかし、こうしたものを含めて農業予算が組み立てられていることに問題がある。農業予算は農業者見える形で還元されるべきである。先ごろの可決された法案は、直接払うことは良いのであるが、担い手を大きく制限することで返って自給率を減らすことになりはしないか。
こうしたことを知ってか知らずか、今日も大型観光バスなど観光客の歓声が丘の牧場上から聞こえる。