半透明記録

もやもや日記

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夏をどう乗り切るか

2007年06月14日 | もやもや日記
気のはやい話です。

しかし、ここ2、3週間くらいで妙に痩せてしまいました。食べてはいるつもりですが、まったく太りません。今朝は風に飛ばされかけました。よろり。まるで枯れ木。あわわ。それは季節はずれも甚だしいわ。

家族からはいつも痩せ過ぎだと責められていますが、自分ではそれほどそんなつもりはありませんでした。ところが、最近はほんとうにやばいです。自分でもかわいそうな感じに痩せています。あわれ~。
体力もスライド式に衰えているので、10日に1回のペースで熱を出していますし。しかも今回は、昨日の熱が、今日もまだ下がりませぬ。はあはあ。ますます燃焼してどうするんだ……。風邪でもないのに、発熱。虚弱だった幼いころを思い出します。
ああ、このままだととても夏を乗り切れません。


よし、こんなときは、カレーだッ!!


と思い立ち、カレーを作りました。弱っているときはカレーが一番。たいがいは、これでシャキっとします。カロリーが高いからでしょうか。それともスパイスがよいのでしょうか。いずれにせよ、効果はてきめんです。

で、さっき夕飯に中辛カレーを食べました。

………おや?
熱が下がったんじゃないのか? スッキリ。
すごい効き目です。普段もご飯は食べてはいると言いつつ、やはり栄養が足りなかったのかしら。しみじみ。さきほどまでの倦怠感が嘘のように消えました。すげー、カレー!


色々な環境(家庭とか職場とか学校とか)で、カレーを週1で食べる習慣を持つことがありますが、それはなかなかよいかもしれませんね。私も夏に向けてちょくちょく食べることにしようっと。


『美女と野獣』

2007年06月13日 | 映像(アニメーション)
スペシャル・リミテッド・エディション


《あらすじ》
森の古城に住むわがままな王子は、魔女の呪いによって、醜い野獣に姿を変えられてしまいます。
魔女が残していった魔法のバラの最後の花びらが散るまでに、心から人を愛し、その人からも愛されなければ、永遠に野獣の姿でいなければなりません。
ある日、美しく聡明な娘ベルは、古城に囚われていた父を、自分と身代わりに自由にしてくれるよう野獣に頼みます。
呪いで時計やポットに変えられてしまった、陽気な家来のコグスワースやポット夫人などに優しく迎えられ、ベルは野獣との日々を過ごすことに・・・。


《この一言》

 ”どこかにいるはず
  私を理解してくれる人が
  それが夢でも
  私は夢を見たい       ”



言わずと知れたディズニー映画の最高峰、究極のロマンス。


熱が出て仕事を休んだので、何か有意義に過ごすべく映画をみることに。ウェス・アンダーソンの『ロイヤル・テネンバウムス』と悩みましたが、いま私が求めているのは家族愛よりもむしろロマンス! お城! 王子さま! と思い、大好きな『美女と野獣』をみることに。ああ、何回みても素敵。

この映画のなにが素晴らしいって、もうなにもかも!
アカデミー賞最優秀作品賞にノミネートされるだけのことはある優れたストーリー、同最優秀主題歌賞およびオリジナル作曲賞を受賞するだけのことはある超絶ロマンティックな音楽、そして美しい映像! 涙が、涙が止まりません。

はあはあ。熱がますます上がったんじゃなかろうか…。涙が超熱い。


というわけで、まだご覧になってない方もいらっしゃることとは思いますが、ネタばれ禁止もなんのその(普段の記事ではばれないように一応気をつかっているつもりなんですよ、実は)、以下に私の感激ポイントをダイジェストでお送りします。
カッコ【】内はDVDでのチャプター名。


(その1)【昔々……】
王子が呪いを受けるに至った経緯。冒頭のこの部分からして美しい。音楽と映像が。あうー。

(その2)【ベルとガストン】
本ばかり読んでいて友達もいない変わり者の美女ベルと、彼女に想いを寄せる筋肉男ガストンの歌。ベルの「もっと胸躍る世界があるはず……」という言葉に激しく共感。

(その3)【ガストンのプロポーズ】
自信満々でプロポーズするガストンをすげなく振り払い、川の流れを見下ろしながらひとりでタンポポの綿毛を飛ばすベル。

 ”どこかにいるはず
  私を理解してくれる人が
  それが夢でも
  私は夢を見たい       ”

ウオーッ! もうすでに涙。

(その4)【何か特別なもの】
いろいろあって少しずつ打ち解けてきたベルと野獣。野獣は何か素敵な贈り物を彼女に贈りたいと考える。そのプレゼントとは――高い天井に届く書架いっぱいに本が詰まった図書室。

 ギャーーッ! トキメキ!! なんて素敵なんだ!卒倒寸前。

(その5)【美女と野獣】
恐らくこの映画で最も有名かつ歴史に残る名場面。ふたりの舞踏会。美麗。美麗です。圧倒的です。すさまじい美しさです。涙がほとばしっています。ここでさらに、例の超絶ロマンティック主題歌が! どこまで泣かせる気なんだ! ヤメテ……!

踊り終え、満点の星空の下で語り合うふたり(す、す、素敵……ッ!)。ベルは幸せだが、ただもう一度病気の父に会いたいと言う。野獣はそれを許してやる。バラがもうすっかり散ってしまおうとしているにも関わらず。ここで彼女の愛を得られなかったならば、呪いはもはや永久に解けることがないにも関わらず。

野獣と同様に呪いが解けてはやく人間に戻りたいと切望する執事が彼に「なぜ帰したのです!?」と問うと、彼は

 ”彼女を愛しているからだ―― ”

……………!!………………
ウオオォォン、えぐえぐ。…もうダメ……!
そして物語はクライマックスへ。



はあ。疲れた。しかし、うっとり。
どうして私はこの物語が好きなんだろう。劇場で初めてこの作品をみてから15年以上経って(当時は高校生。多感な時期だったせいか泣き過ぎて往来で鼻血を出してましたね)、その間にも何度も何度も繰り返しまたみて、いまでもなお最初と同じ褪せない感動があります。
私の心を掴んではなさないのは、多分かれらの真心。

「君を愛している。だから自由に……」

ただの情熱や衝動だけではないこの態度。
私はそれを与えられている実感はうっすらとありますが、しかし私のほうが誰かにそれを与えたことなどあったでしょうか。美しいものをのぞむなら、私はどうあるべきなのか。ほんとうはずっと前から分かっているんだけどなあ。

魔法の薔薇が散ってしまうその前に―――。


世紀の傑作アニメーション。しかし、DVDは現在品切れでしょうか。
買っておいてよかったーー!


『こびと』

2007年06月12日 | 読書日記ーラーゲルクヴィスト
実は、ラーゲルクヴィストの『こびと』を先週くらいに読み終えたのですが、記事にする気がなかなか起きません。ですが、せっかく読んだので、メモ程度には書き残しておきましょう。



どうにも暗いのは、中世が舞台だからなのでしょうか。『刑吏』のときも思いましたが、滅入るほどに暗いです。

主人公の《こびと》も、ラーゲルクヴィスト作品の例によって、やりきれないほどに孤独でした。ただ、ほかの登場人物のあり方や物語の展開などは、これまで読んだ作品とはちょっと雰囲気が違うように感じます。

いずれにせよ、ラーゲルクヴィストは、いつもたまらない孤独の中へ私を突き落とし、かぎ爪のように深く突き刺さる謎をぶつけてくるので、今回もとにかく消耗しました。

これではちっとも書き足りませんが、今は気持ちが乗らないので、続きはまた次の機会に。


ほんとうは、例の作業もするつもりでしたが、図書館の返却期限がきてしまった(今日だったのに忘れてた)ので、また後日に延期です。私はこの本を何回借りれば気が済むのだろう。もう4回くらいは借りてます。前は同収の『刑吏』を写すので精いっぱいでした。今回は『こびと』を読むので精いっぱい。写せず……無念。
今度こそ、完了したいです。


それにしても暗かった。
面白かったかどうかについては、それはもう、言うまでもないことです。

オイル・サーディンの誘惑

2007年06月11日 | もやもや日記


テンプレートをイワシの群れに変えたという前回の記事を受けて、友人が「梅雨なのにイワシって何故」とするどい指摘をくれました。そう言えば、どうしてイワシにこだわったのだろうと考えると、最近オイル・サーディンを食べていないのでした。

食欲だったのか。
(梅雨は関係なかったようです……)

というわけで、さっそくオイル・サーディン缶を買ってきました。これをオイルごとフライパンで焼いて醤油で軽く味付け、白いご飯にのっけて細ネギを散らしたら、オイル・サーディン丼の出来上がりです。
おいしいんですよ。
異常に簡単だし。


(なんかあからさまに手抜きな記事でスミマセン)



衣替えでした

2007年06月09日 | もやもや日記
はー、そろそろ梅雨ですね。
テンプレートも水っぽく変えたいところです。

というわけで、変えてみました。
がんばって描きました。
しかし、うーむ、地味です。
いつものように「なんかもうひとつ…」な感じですが、
「なにがもうひとつ?」なのかがわかりません。
ひとつどころじゃないのでしょうか。
え? やはりそうですか?
ははは、まあまあ、そのくらいで。


イワシの大群を追いかけるペンギンの図。
うまそうである(私の画力ではなくイワシが)。

陸ではヨチヨチとしたペンギンも、水中では弾丸。
ドルフィン・ジャンプだって軽くきめるんです。
(イルカと比べることもないような…………)
(私はペンギン・ジャンプと呼ぶことにする)
意外性があるものっていいのであります。

ハッ、そうか、意外性が足りてないのだわ。
イワシとペンギンなんて当たり前すぎる…。
なんかもっと意外なもの……うぅ。
イワシと…イワシと……。
うぅ。
……だめだ! 思い付かない。

やっぱ「ロシア猫の集会」のほうが良かったかな。
「猫萌え」の引力で、ここも少しは栄えるかもしれません。
そのためにはしかし、「萌える猫」が描けないと……。

課題が山積。
どうにかがんばろう。

壁にかかっていたのはあの絵

2007年06月07日 | もやもや日記
このところは、なにかにつけてこれをとりあげてしまいますが、エレンブルグ著『フリオ・フレニトの遍歴』。あまりに衝撃的なお話。

そのなかで、主人公のエレンブルグ(作者と同一)とフレニトとがロシアの共産党員の女の子の部屋を訪ねたとき、彼女の部屋の壁にはベックリンの「死の島」がかかっていて、エレンブルグとフレニトはそれを眺めたという記述があります。

「死の島」は、いつだったか、私がたまたまテレビをつけたら、バーゼル美術館所蔵のその絵(ほかに世界中のあちこちの美術館に同じモチーフの絵が4つ存在するらしいです)をうつしていて、私はその晩は眠れませんでした。あまりに衝撃的で。
(去年の秋にこれについて書いた記事 →「芸術の秋を堪能する1」)


衝撃的なものと衝撃的なものの取り合わせ。

呼ばれるままにあっちへ行きこっちへ行きと走っていったら、その先であれもこれもつながっていた。というのが、今さらながら不思議です。だけど、【どうしてもそうならなければならなかったに違いない】という感触もあります。行き着く先は、だいたい決まっているというか。形態は違っても、みんなおなじものを掴もうとしているらしいと思うというか。受け手である私を含めて。


何を言いたいのかさっぱり分かりませんが。
とにかく、不思議だなあと思って。
私の知識は偏っていくようで、そうでもないのかもしれません。



これはベルリン美術館蔵のもの。
フレニト先生が見たのはどのバージョンだろ。



ベックリンについてはこちら → 「アルノルト・ベックリン」: Wiki

エレンブルグについてはこちら → 「イリヤ・エレンブルグ」 : Wiki

『東欧SF傑作集(上)』

2007年06月06日 | 読書日記ー東欧
カリンティ他 深見弾他訳

《内容》
一般に共産圏のSFは政治色が濃いという人がいる。だが同じ共産圏でも、第二次世界大戦前に革命によって共産化を終えていたソビエトと、大戦後に共産化した東欧諸国とでは、種々の相違点が見られる。青少年時代に自由主義から共産主義への大転換を経験した東欧のSF作家たち。この上巻には、ポーランド、ハンガリー、ブルガリアの作品を収録した。

《収録作品》
【ポーランド編】
招かれざる客…クシシトフ・ボルニ
未来の町(トンネル)…チェスワフ・フルシチェフスキ
未来の光景――引っ越し…クシシトフ・マリノフスキ
作家の仕事場で…ヴィトルド・ゼガルスキ
《エレクトル》に関する本当の話…アンジェイ・チェホフスキ
セレブロスコープ…コンラッド・フィヤウコフスキ
あちらの世界…アダム・ヴィシニェフスキ=スネルグ
【ハンガリー編】
時代の子…カリンティ・フリジェシュ
石…チェルナイ・ゾルターン
ガリバー二世…ヘルナーディ・ジューラ
第三世代…ケメーニ・デジュー
脳移植…チェルナ・イョジェフ
【ブルガリア編】
マホメットの毛…ジミトル・ペーエフ
裁判…ストイル・ストイロフ
夜の冒険…ワシール・ライコフ
ある秋の日に………パーヴェル・ヴェジノフ
金剛石の煙…アントン・ドネフ


《この一文》
”「歴史がちゃんと教えておるだろうが。行動する能力がなくなった世代がくると、そいつらは必ず主導権を主張しはじめるもんだとな」歴史家がいきなり言った。
  
   ―――「裁判」(ストイル・ストイロフ)より ”

”「事実、庭にうようよしている蟻にああんたたちは注意を払うかな、たとえ彼らが生物だとわかっていてもだ? はたして連中の存在をなんとか楽にしてやろうなどと努力するかな?」
 「でも、蟻に意識はありませんよ!」
 「だれがそう決めたんだね?………」

   ―――「ある秋の日に……」(パーヴェル・ヴェジノフ)より ”




ブルガリア編が異常に面白かった……。

『ロシア・ソヴィエトSF傑作集』に続いて、東欧編も読んでみました。とりあえず上巻については、ポーランド編は「うーむSFらしいなあ」という作品、ハンガリー編は「脳移植」という話が刺激的に面白く、ブルガリア編はまったく予期していませんでしたがどれもこれもかなり私の好みにかないます。

ブルガリア編は本当に面白かったです。特に「ある秋の日に」と「金剛石の煙」。
「ある秋の日に」は、ストルガツキイを彷佛とさせるような物語です。《路傍のピクニック》な感じでしょうか。いや、《遍歴者》って感じかな。とにかく、人類の及ばぬ知性との遭遇の物語。

「金剛石の煙」は、《SFシャーロック・ホームズ》でした。未来のホームズとワトスンの活躍です。これは爆笑でした。ワトスンは未来でも間が抜けているんです。ぷぷ。

ハンガリー編の「脳移植」という物語は、事故で脳に損傷を受けた大統領(その国の独裁者)と医師とが脳移植によって入れ替わるという内容。これはかなりハラハラしました。やや幻想的なところもあって、そこがまた面白かったです。


というわけで、下巻にも期待がふくらみます。


猫の夢

2007年06月04日 | 夢の記録
うたた寝で夢を見た。
珍しい。
しかも、あとでそれを思い出した。
それも珍しい。
というわけで短いですがメモ。


************************

近所の駐車場の誰かの車のそばで、茶色い猫を見つけた。
私がじっと見ていると、その猫もこちらをじっと見て、驚いたことに私のほうへ寄ってきた。それで、逃げてしまうだろうかと私が恐る恐る手を伸ばすと、猫は背中をおとなしく撫でさせてくれる。茶色い毛並みはやや長く、思ったよりもかなりふわふわしていた。

茶色い猫は、体は明るい茶に薄い茶色の細い横縞が入っていて、顔はぐりっとした両目を黒っぽい毛が一筆で丸く囲っている。面白い顔をしている。撫でると目をぱちぱちするが、鳴かない。ごろごろともいわない。だが、気持ちはよさそうだ。

私が帰宅するのと一緒に、部屋までついてきた。
もうこのまま飼ってしまおうかなと思う(賃貸住宅だけど)。


ちょっと出かけようと表に出ると、近所の人だか、私の大家さんだか忘れたが、ボブカットの上品な女性からその人の家の用事を頼まれる。
そこの家では犬(ミニチュア・ダックスだった)を飼っていて、玄関先にはお散歩グッズがぎっしりと揃っている。私はその整理をまかされた(どういう成り行きだったか忘れたが)。

散歩用のジャケット、散歩用の靴、散歩用の首輪、ひも……それらは全て同じようなデザインだがそれぞれは微妙に異なっており、一揃いになるように番号をつけてあるので、同じ番号のものどうしに分けなければならない(なぜか私が)。
ところが、どうしても靴の番号が右と左で一致しない。

「あなた、その靴は違うわよ」とボブカットに指示される。
「ええ。違いますね。……えーと、えーと…」

山のような靴の箱のなかを捜索する。その靴山のなかにはなぜか私のサンダルなども紛れていて、いっこうに収拾がつかなかった。
このうえさらに、靴とジャケット、首輪の番号まで合わせなければならないと思うと、気が遠くなった。



***********************




………猫はどうなったんだ…?

若冲展

2007年06月03日 | 学習
このところ大ブームの伊藤若冲の展覧会に行ってきました。金曜日。仕事は休みました。だって、日曜で終了だっていうんだもの、働いてる場合じゃねえ。


場所は、京都の相国寺というお寺の展示室。ものすごく混んでいるという話はきいていましたが、実際2時間待ちました。疲れたー。ちょっと尋常ではない人出です。ほんとうにブームなんですねー。

「私は仕事を休んで『若冲展』に行くのだが、君も行くかね?」とK氏に尋ねたら、珍しく「行く」とのこと。変だなーと思ったら、どうやら彼はだいぶまえにやはり京都でやっていた同じく若冲の『プライス・コレクション』で展示されていた作品を見たかったらしく、今回の展覧会でもそれが見られると思っていたらしい。

「え? それは今日は見られないよ。だって、あれはプライスさんの持ち物だし。今回のは、皇室が持ってるやつで、なかなか公開されないという貴重な作品なんだよ」
「え………そうなの…?」
とがっかりしてました。
「私はあれもほんとに行けばよかったと思ってるんだけど(ほんとに、あー、なんで行かなかったんだ)、今日はどうしても見てみたい《はあと》のがあるから楽しみなんだよねー」
と、私はとにかく興奮しています。


待ちに待って、ようやく美術館へ入ることができました。展示室は第1と第2に分かれています。第1展示室には、仏教関係の掛け軸や、襖に描かれた鶴や竹や葡萄などの絵が展示されていました。なぜか襖のほうは人気がないようで、かなり空いていて見やすい。私は葡萄が描かれた襖に目が釘付けです。なんて洒落ているんだろう。つーか、この葡萄の実の感じがすごい。



葡萄の実の輪郭が、色を抜いて表現してあることに、驚愕。いえ、普通のことなのかもしれませんが、なんだか妙に衝撃でした。なんて葡萄っぽいんだろ。

トロピカルな芭蕉の絵や、「これはちょっと手抜き…?」と言うような竹林の絵も見ました(怒られるかな。でも竹の節がテキトーな感じなのです)。

出入り口が異常に狭くて寿司詰めの第1展示室をあとにし、いよいよお目当ての第2展示室へと向かいます。しかし、それへ続く通路はまだまだ長い行列で、第2展示室は入場制限されていることもあり、なかなか進みません。2時間待ったあとで、さらに待つ。この通路はガラス張りで、窓の向こうには、外の行列の人々がまだぎゅーぎゅーと待っています。我々もさっきまではあそこから中の人を見て、「なんか微妙な顔つきだな……」と思ったものですが、なるほど微妙な顔つきにもなるというものです。

しばらく待って、いよいよ第2展示室へ突入です。どきどき。
制限されているとは言え、結構な人だかりです。気張ってみるぜ!

今日の目玉は、《動植綵絵》と呼ばれる一連の作品。
ガラスに張り付くようにじりじりと横移動しながら、じっくりと眺めていきます。

とにかく、私を含めて周囲の人の口から出る言葉といえば「凄い」。とにかく「凄い」。これは「凄い」。有無を言わせぬ圧倒的な美の世界が繰り広げられています。なんという色彩感覚! ダイナミックな構図! 魅力!!

貝の絵では、青色がむちゃくちゃに美しいです。しかも相当にモダンなデザイン。エルメスのスカーフなんかにしたら、ばか売れしそうです。はあ、綺麗。
植物の葉や花の色も鮮明です。葉は虫に食われていたり枯れたりしているのもあるのですが、それがリアルなようでいて、それ以上に美しくもあるように見えるのが不思議。
鶏の絵で、後ろに向日葵と朝顔が一緒に描かれているものがあるのですが、その組み合わせになぜか大ショック。どちらも夏の花なのに、こういうふうに組み合わされるということを、私は知らなかった。美しい。

小鳥があちこちに描かれているのですが、中には変なポーズをとっていたり、顔が面白かったりしてたまりません。
水に飛び込もうとしている鴛鴦の佇まいに思わず吹き出します。間抜け顔、ぷぷ。でも、色はすげー綺麗。

そして、私がどうしても見たかった《はあと》のというのは、コレ。


《はあと》! ハートです!
なんて美しいんだ! 白い、白すぎる羽根に赤と緑のハート!! 白鳳の(タイトルは【老松白鳳図】)妖しい目つきもいい。ゴージャス~~。ああ、見にきて良かった。これはもう次にいつまた見られるか分かりません。なので、目を見開いてよくよく見てきました。
若冲は、とにかく羽根の感じが超越的です。あの質感はどうやって表現しているのでしょうか。発色も良く、生きた感じが滲み出ています。ブームになるわけだ。
K氏は、「地のうすい茶色が、他の色を引き立ててるな…」という鋭いようなことを言ってました。

他に良かったのは、蝶と芍薬。あれ、ここはユートピア?という感じに美が炸裂しまくっています。「もうだめだーー!」と私はちょっと錯乱しかけました。美しい。もうとにかく美しい。はあ……。


後ろ髪をぐいぐいと引かれつつも、ようやく第2展示室を出ると、そこは売店。図覧を売っています。思う壺ですが、私も速攻で購入。2500円は安い。フルカラーで今回の展示作品が載っていますが、もちろん本物の色合いには及びません。でも、とりあえずはいいや。なんせ、とにかく見るだけは見てきたので、あの迫力をいくらでも思い出すことはできます。
飛ぶように、図覧は売れていました。



結局、なんだかんだで半日がかりでしたが、すっかり満足です。
それにつけても「プライス・コレクション」に行かなかったのが悔やまれます。おお。今は名古屋で開催中。来週までなので、お近くの方は行かれるとよいでしょう。
相国寺でのこの展示は今日まででした。きっとすごく混んでたことでしょう。



また買った

2007年06月02日 | 読書ー雑記
これが1万円分の古書です
はっきり言って、安い




また古本を買いました。興奮。はあはあ。
今回は、ランサムのツバメ号シリーズの最終3冊。
それからフランス短篇ものを2冊(ひとつは上下巻なので正確には3冊)。
それからエレンブルグの『十三本のパイプ』。
そして、これは私には初対面のレオ・ペルッツ『第三の魔弾』。

ギャーーッ!! 幸せ!
興奮しまくって、さっきまでK氏を相手にしゃべりまくってました。
うふふふ。

ランサムとエレンブルグとフランス短篇は、もう面白いことが分かりきっているので安心ですが、『第三の魔弾』はどうなのかと興味津々です。ちょっと調べたところによると、[コルテスを倒すために悪魔と契約して得た3発の弾丸をめぐる物語]だそうです。もう、このあらすじだけで、購入決定です。なにそれ、超おもしろそう! 

コルテスといえばメキシコの征服者。私はこのあたりにも微妙に興味があるところなので、ああ、はやく読みたい。とにかく読みたい。作者はスペインでもメキシコでもなくプラハ生まれのオーストリア文壇で活躍したベストセラー作家だったそうです。ユダヤ人らしい。エレンブルグといい、最近の私はユダヤ人づいています。でもって私はどうやら、「悪魔と………悪魔的な……悪の天才……」といううたい文句に弱いらしい。だけど、悪ってなんだ? つまりそれが知りたい。

この人はミステリーも書いていて、けっこう異色な名作らしいです。これは近くの図書館にあったので、あとで借りてきます。


ふう。どうにか落ち着きたいけれど、今はとても無理!
とりあえず、読みかけの1冊と、読まなければならない2冊を読んだあとに、これに手をつけることにします(多分。先走るかもしれませんが)。
5月は『フリオ・フレニト』ショックでほとんど読めなかったので、今月は読むぜ!
読みたい本がある、ということは、なんて幸せなんだろう。

走り出したい。