半透明記録

もやもや日記

芸術の秋を堪能するーその1

2005年10月15日 | 学習
「死の島」 " Die Toteninsel " Arnold Boecklin(ウムラウトが正しく表示されなそうなので、このままで失礼します)


私は長らく、芸術作品というのは何のために存在しているのやらさっぱり分からなかったのですが、最近ようやく何となく感じるようになりました。ある種の力というか、衝撃なんですね。私のように何の予備知識もない者をも圧倒する力です。

というわけで上の画像は、昨日偶然見た教育番組で知った衝撃の一枚。恐ろしいインパクトです。一晩たっても全然忘れられませんでした。これと同じモチーフの絵が何枚か存在するらしいですが、このバーゼル美術館所蔵のが一番私好みです。暗い。船の上に立つ人物の影が白い箱(柩でしょうか)に落ちています。うおぉ……! この影を見てしまったら、きっともう忘れることはできないような予感がします。そして、あくまで個人的な感想ですが、ラーゲルクヴィストの作品のイメージに近い感じがしました。きっぱり、くっきり、ばっさり。というか……。

私の拙い表現力では、この感動を的確に言葉であらわすことはとてもできませんが、とにかく凄い。文章によって伝えられる感動があるのと同じように、絵画によってこそ伝わる何かがあるらしいと感じさせられました。要するに、いずれにせよ読解力と感受性が必要だったのですね。生み出すエネルギーがないならば、せめて受け取るくらいはしたいものです。私はもっと全開にして、様々のことを受け入れなくてはならなかったのでした。

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4 コメント

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「死の島」! (piaa)
2005-10-16 19:56:07
これをモチーフにした福永武彦の小説があります。(8月3日付けでレビュー済み)私の大好きな作品です。ということは多分ntmymさんも気に入ると思います。ぜひ読んでみてください。



それにしても、ベックリンに衝撃を受けて美術作品に目覚めるとはいかにもntmymさんらしいなあ。この際いろんな作品を見てみてください。
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福永 (ntmym)
2005-10-16 21:20:50
ありましたねー。piaaさんのレビューを読んでたので、おんなじタイトルだなーとは思ってたんですけど。



福永武彦は大昔に『草の花』(だっけ?)を読んだっきりなので、これを機に読んでみるのもいいかもしれませんねー。



それにしても、ほんとにこの絵って、いかにも私が好きそうですよね

今までは、デ・キリコとかマグリットの『光の帝国』シリーズなんかが好きだったのですが、これは何かその系統をさらに遡ったような感じです。

共通するのは、静寂と明暗の対比、ですかね~。



マグリットなんかは凄く好きだけど、衝撃!ってほどじゃなかったのですが、この絵は衝撃でしたー。

私はこういうほうが、より好みらしいことが発覚。

いやーまあ、美術はやっぱりよく分からんのですけど;

勉強します~。
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おすすめの画家 (piaa)
2005-10-17 00:45:03
マグリットもキリコもシュールレアリズムの人ですね。

ntmymさんならアブストラクト(抽象絵画)の方がピンときそう。パウル・クレーをぜひ!
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へ~ (ntmym)
2005-10-17 08:11:19
抽象絵画ですか。

じ、実は今のところ抽象絵画はとても苦手で、本当に一体何なのかさっぱり分かりません; 見てると昏倒しそうになっちゃって……。

あー、でもそれは、ピンとくる絵にまだ出会ってないからなのかもしれないですねー。

ちょっと勉強してみます♪

とりあえず、クレーから。
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