このところは、なにかにつけてこれをとりあげてしまいますが、エレンブルグ著『
フリオ・フレニトの遍歴』。あまりに衝撃的なお話。
そのなかで、主人公のエレンブルグ(作者と同一)とフレニトとがロシアの共産党員の女の子の部屋を訪ねたとき、彼女の部屋の壁にはベックリンの「死の島」がかかっていて、エレンブルグとフレニトはそれを眺めたという記述があります。
「死の島」は、いつだったか、私がたまたまテレビをつけたら、バーゼル美術館所蔵のその絵(ほかに世界中のあちこちの美術館に同じモチーフの絵が4つ存在するらしいです)をうつしていて、私はその晩は眠れませんでした。あまりに衝撃的で。
(去年の秋にこれについて書いた記事 →「
芸術の秋を堪能する1」)
衝撃的なものと衝撃的なものの取り合わせ。
呼ばれるままにあっちへ行きこっちへ行きと走っていったら、その先であれもこれもつながっていた。というのが、今さらながら不思議です。だけど、【どうしてもそうならなければならなかったに違いない】という感触もあります。行き着く先は、だいたい決まっているというか。形態は違っても、みんなおなじものを掴もうとしているらしいと思うというか。受け手である私を含めて。
何を言いたいのかさっぱり分かりませんが。
とにかく、不思議だなあと思って。
私の知識は偏っていくようで、そうでもないのかもしれません。
これはベルリン美術館蔵のもの。
フレニト先生が見たのはどのバージョンだろ。
ベックリンについてはこちら →
「アルノルト・ベックリン」: Wiki
エレンブルグについてはこちら →
「イリヤ・エレンブルグ」 : Wiki