ロシア映画。猫映画の決定版だそうです。たしかに……!!
マーニャ(姉)とサーニャ(弟)がおばあさんに買ってもらった子猫のチグラーシャはいたずら好きで、家中でいたずらし放題。音楽家のお父さんの楽譜を散らかしたり、楽器ケースに悪さをしたり。けれども家族中から可愛がられている。ところがある日、チグラーシャは開いたままの窓から外へ落っこちて、トラックの荷台に乗ったまま遠くまで運ばれてしまう。飼い主一家はチグラーシャを探しまわるが見つからない。その頃チグラーシャはフェージンという猫好きの若者に拾われていた。フェージンは猫を愛し、猫たちに愛されている。しかし、フェージンはちょうど家も職も失おうとしていて……というお話。
猫の可愛らしさはもう言うまでもなく壮絶でした。可愛過ぎます。私はいちいち悶絶しながら観ました。あー、猫、可愛い。子猫のチグラーシャもさることながら、フェージンのところの芸をするお利口な猫、別に飼い主が居るのになぜかフェージンのところへやってくる大きな白猫、愛嬌のあるペルシャ猫、いずれも魅力的な猫ばかり。あー、猫! 猫!!
猫が可愛いだけでなく、ところどころに優しいユーモアを散りばめ、さらにはさりげなく人間ドラマ、社会ドラマ的要素をも盛り込んでいるところが、なんとなくロシアらしくて良い感じでした。猫たちが遭遇する街行く猫好きの人々の描写にも、じんわりとさせられます。
また、あの結末は、なんとも言えないしみじみ感がありますね。ただ猫が可愛いだけで終わらず、物語の中にそこはかとなく哀愁を滲ませるところが、いかにもロシアな感じです。かなり面白かった。
ああ、それにしても、猫というのは可愛い。私も生きている間に一度でいいから、子猫というものと触れ合ってみたいものです。猫。猫。ああ、猫よ。