半透明記録

もやもや日記

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署名のこと

2010年01月26日 | 手作り日記

こうして並べてみると、色調が思ったより暗くて
びっくり……




私がイラストにいつも入れる署名のことを、もしかしたらいつか誰かに訊かれるかもしれないと思っていたら、ついに尋ねられたので、前の記事でコメントをお返ししたものの、言い足りないところがあるような気もして、もう少し書いてみます。


私は最近ではおもにPCを使用して絵を描いているのですが、そうやって出来上がったものには【Le Mont Analogue】というロゴを入れることにしています。ネットで公開する上での署名のようなものとして使わせてもらっているわけです。(手描きの場合にはなぜか本名を入れる傾向にありますが、使い分けるその理由は分かりません)

さて、【Le Mont Analogue】というのは、ルネ・ドーマルの小説『類推の山』の原題でして、何故私がこの美しいタイトルを私のイラストなんかの署名として使わせてもらっているかというと、こういうわけなのです。

私は絵を描くのは好きですが、それほど真剣に取り組んでいるかというとそうでもなくて、でもいくらかは真剣で深刻だったりもするのです。そして、絵を描いたりする作業というのは私の暗い魂から生じる行為としては、かなり明るく爽やかなものでもあります。作品はたいていあまり意味もなければ価値もないようなものばかりなのですが、それでも、私自身にとっては楽しくて愉快な、前向きなものなのです。

馬鹿げたことでも真剣にやる。もしかしたらあるかもしれないものを、あるはずのものを真剣に探す。

こういうことのひとつが、私には絵を描くことにあたるのではないかと、自分ではなんとなく思っています。ドーマルの『類推の山』は、いつもいつも無駄なものを生み出しているのではないかという私の弱気を、強く励ましてくれるのでした。かつて初めてあの小説を読んだ時、《類推の山》というイメージは、私の魂にくっきりと刻印されました。あの衝撃は忘れられません。そうか、そうなのか! と激しく興奮したものです。登場人物のソゴル氏の言葉は、いつも私の胸の中にしまわれていて、いざという時には、いつでも取り出せるようになっています。ソゴル氏はとても前向きな人なんですよ。実に感動的です。

そういうわけで、私は「ひょっとしたらこんなことにはなんにも価値がないんじゃないだろうか」と悩みつつもそれを乗り越えたくて、この署名を使わせてもらっているのです。また私は、絵を描いたらその中でもう少し自由になれるのではないかとも思っていて、そういう気持ちを忘れないためにも、この【Le Mont Analogue】はぴったりなんですよね。
まあ、私はそんなに熱心な絵描きではありませんけれども、それでもそれなりにもっと上達したいし、それなりにもっと世界をひろげたいという願いがあるのです。あー、もっと上手かったらなぁ。でも、いい。私はじりじりとわずかに上手くなってきたはず。いつかもっと自由に望むように描ける日が来るはず。


あまりまとまりませんでしたが、だいたいこういうことです。
絵に対してロゴが偉大過ぎることについては、どうか許してください……。