啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「ミミナグサ」

2016-03-23 15:26:21 | 山野草
 「ミミナグサ」  (耳菜草) ナデシコ科
 各地で、桜が咲いたとのニュースは、TV、ラジオ等で、連日報道されている。それほどまでに、日本人は桜に、格別な思い入れがあるのだ。たぶん、それは、日本の文化が大きく影響しているのではないか。例えば、寒さにじっと耐え、ようやく咲いた花びらも、風でハラハラ散ってしまう姿に、何となく無常観を見出したり、散ってもなお、花びらのカーペットになっても、そこに儚さと美しさを感じる。文学、あるいは仏教の影響もあるかもしれないし、四季が明確な、日本の風土ともかかわりがありそうだ。
 当家から比較的近くの土手に、数キロの桜並木がある。蕾の先がほころび、ピンク色が可愛く顔を見せていた。咲くのも時間の問題だ。心なしか、幹も桜色に染まっているように見えた。河原の茂みからは、まだ練習中と思われるウグイスのホーホケキョ。長閑な春のひとときだ。
 道端で見つけた、小さな、小さな愛らしい花。ミミナグサだ。ハコベによく似ているが、どこかが違うと気づいてはいたが、名前がわからなかった。帰省中の妹に教えてもらったのは、つい先日の事。花径、1cmにも満たない。5弁の花びらの先は、2つに裂けている。葉は対生し、その小さな葉をネズミの耳になぞらえてつけたという。なかなか、うまい名前だと感心した。妖艶な桜も美しいが、目にもとまらぬような小さな花も、春の陽をうけて、力いっぱい咲いている姿は、いじらしいものだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする