“那須岳”は日本100名山に入っている。昨年、主峰の「茶臼岳」(1915M)に登ったので、今年は尾根を通じて接している南月山を歩いてみた。ロープウェイで山頂駅まで登ると山頂まで40分足らずで行ける(茶臼岳)ため、重装備の登山姿のひとから観光客スタイルの軽装の人まで多くの人が山頂を目指す。多くの山でそうであるように、那須岳というピークは無いようだ。「茶臼岳、朝日岳、三本槍岳、南月山、黒尾谷岳」の“那須五峰”による連山の総称。ただし、標識などに1915メートルなどと具体的な標高を示して「那須岳」と示している場合もあり那須岳を探してしまった。
「南月山」(ミナミガッサン=1776M)は茶臼岳の西南に尾根で連なるノンビリとした山。茶臼への登山道はロープウェイ山頂駅から先は火山らしい岩場やザレ場の急登となる。こちらは、岩やザレ場は多いが山腹をゆっくりと横切るなだらかな上りが牛ヶ首まで続く。今でも噴煙を上げる噴火口に挟まれた牛ヶ首からは西に低木帯の尾根道が続く。うす曇の雲の切れ間から那須の平野や連山、噴煙など眺めながらノンビリと歩く。このペースだと同行するカミさんもすこぶる元気が良い。山頂まで80分ほど。
夏と春の境で花の種類は多くない。ゴヨウツツジやミネザクラ、ガンコウランなどが多い道のようだが今は花の姿なし。咲きかけのカラマツソウやすくすくと成長するウスユキソウ、マイヅルソウなど植物の種類が多い。イタドリと思っていた植物が「ウラジロタデ」という種だっり、シモツケに花がそっくりだが葉が違う「マルバシモツケ」など勉強した。また、登山道脇に草丈が7,8センチと小さく、咲きかけの「ツバメオモト」(?)を発見した。
「イブキトラノオ」はタデ科イブキトラノオ属の多年草。日光・小田代原の木道沿いで撮った。草丈は30-50センチほどだが、周囲の植生によって1メートル近くまで花茎を伸ばすこともあるようだ。タデ科の植物らしい先の尖った細い葉がタデ科を物語っている。花茎の先端に3-4センチの白から淡い赤紫色の花穂をつける。写真を撮るのが難しく、昨年も同じ場所で撮ったが何となく気に入らずボツになってしまった。比較的背が高く、草の中で葉の形が撮り難く、焦点を合わせにくいのだ。私の技術下は背が高い植物は難しいものがある。