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初対面は1.2㍍、同僚は70㌢

2024年03月10日 12時44分32秒 | 世間
  オフィスへの出社回帰が進んでいる。 円滑なコミュニケーションにはどのくらいの退陣距離が適切なのか。
  カギを握るのが自分の周りの目に見えない縄張り「パーソナルスペース」だという。
  
     
  パーソナルスペースは心理学で「自分の体の延長のように感じ、他者に侵入されると生理的に不快感を覚え
   る空間」を指すといわれている。 1960年代に米国の心理学者“ロバート・ソマー”が定義した。 人
   は目が前にあるため、正面に意識が向かいやすく、卵のような間に長い楕円の形状をしている。
  ソマーは米カリフォルニア州の病院の敷地内で、野外に座っている患者のすぐそばに腰掛ける実験を繰り返
   した。 一定距離内に他人が入ると、患者が逃げる、肘をすぼめるなどの不快感を示した。 現在はパー
   ソナルスペースに侵入されると、無意識に心拍数やまばたきの回数が増加することもわかっている。
  対人認知が専門の東京味蕾大学の“磯さん”によると、パーソナルスペースは「自身のプライバシーを守る」
   「他者からのとっさの攻撃から身を守る」などの役割がある。 その広さは人によってまちまちだが、相
   手との関係や場面によって伸び縮みする。

  米国の文化人類学者“エドワード・ホール”はパーソナルスペースを侵害しない快適な対人距離は4つに大別
   されると説いた。 「密接距離」はすぐに触れ合うことができる距離(45㌢まで)。  相手の表情がよく
   見えるため、家族や恋人同士の会話に適している。 「個体距離」は両者が手を伸ばせば触れることがで
   きる距離(45㌢~1.2㍍)で、同じ部署の同僚や友人とのコミュニケーションが活発になる。 「社会
   距離」は手を伸ばしても相手に触れることができない距離(1.2~3.6㍍)だ。 複数人の顔が目に入る
   ので、プレゼンテーションや商談にぴったりとされる。 相手の目線が気にならず、一人で集中して仕
   事をするのにも向いている。 「公衆距離」(3.6㍍以上)は大人数の様子が把握できるため、講演など
   に適している。 パーソナルスペースの広さは自分の精神状態や空間の明るさなどでも変わる。 気分
   が沈んだり、周囲が暗かったりすると相手と距離を知りたくなるので拡大する。 一般的に男性の方が
   女性より体格が大きいので、広い傾向がある。

  新年度は新しい同僚を迎える機会が多い。 「初対面では個体距離と社会距離の境界である1.2㍍ほど離
   れるのが望ましい」と磯さん。 同じ部署の同僚同市で会話する場合は「70㌢前後がよい」と説明。
   一定の距離をとることでより早く打ち解けたり、仕事の集中力が上がったりなどの効果が期待できる。
   距離がとれない場合は向かい合うのを避けて、視線が交わらない位置に座るのがよいとされる。 例
   えば会話の際は斜めに座る、作業をする場合は横に並ぶといった具合だ。 相手の反応を見た後の微
   調整も欠かせない。 相手が席をずらす、視線を外す、ジェスチャーをしない場合はパーソナルスペ
   ースを侵害している可能性があるので、少し離れた方がいい。 逆に相手の声が大きくなったり、聞
   き返しが多かったりするときは距離を取り過ぎている可能性があるので近づく。

  オフィスのもパーソナルスペースの考え方を取り入れることができる。
   オフィス家具大手のコクヨの東京都港区のオフィスは営業部署の社員が集まるフロアはフリーアドレ
   スだが、対人距離が50㌢~1.2㍍強ほどになるように椅子を配慮している。 「営業は情報が命。
   交換を促すために自然に話しかけやすい距離を意識した」(商品企画責任者の”和田さん”)。 三角の形
   状の机を配置し、正面にいる社員と視線が合わない工夫もしている。
   色々な部署の社員が集い、自身の作業をこなすフロアでは1.8㍍ほどの距離を空けている。 さらに
   左右と前にはパーティションを用意し、社員が他人の視線を気にせずに集中できる環境を整える。

  不動産サービス大手シービ-アールイー(CBRE、東京・千代田)によると、足元の出社率は約7割で新型
   コロナウイルス過の第5波に当たる2021年7~9月の約5割から回復している。
  一部の企業はコロナ禍でオフィスを縮小した。 人数分の席がなく、パーソナルスペースが守れない
   狭い空間で社員が働いているケースもある。 岡田さんは「パーティションや植物を置くだけでも
   視線を遮ることができ、個室と似たような安心感を得られる」とアドバイスしている。

   あまり気にもせず過ごしてきましたが、考えれば難しものなんですネ。 勉強させられました。

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