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ビニール傘の消費 年6500万本

2024年07月06日 12時44分21秒 | 雑学
  天気がぐずつく梅雨の季節。 想定外の雨でビニール傘を買い求める人は少なくないようだ。 
  ビニール傘は年間約6500万本も消費されているという計算もある。 「使い捨て」の
   現状を変えるため、様々な取り組みが広がっている。

  

  小田急線の下北沢駅(東京・世田谷)の改札を出たところに「レンタル傘」と書かれた傘立て
   が置かれている。 Natur Innovation Group(東京・新宿)が手掛ける傘のシェアリングサ
   ービス「アイカサ」だ。 予報が外れて雨が降っても、その場でアプリを登録し「かり
   る」ボタンを押すだけで、24時間140円で何度でも傘を借りられる。
  取締役の“黒須さん”は「今は多くの人が雨に濡れたくないという理由で渋々ビニール傘を
   買っている」とみる。 プラネット(東京・港)が2021年に行った調査によれば、約
   6割の人が1年間に少なくとも1本は想定外の雨で傘や雨具を買っていた。 黒須さん
   は「傘はかさばるし、雨がやんだらただの荷物になる。 本当は用が済んだらむしろ持
   っていたくない人が大半のはず」と推測する。
  シェアリングサービスはそんなニーズにうまく合致した。 現在、アイカサの登録者数は
   50万人に到達。 鉄道会社と連携を取り、首都圏の多くの駅で利用できるようにした。
   「今後はオフィスビルやマンションのエントランスにも展開したい。 移動の始点とな
   る場所に設置できれば『仕方なく買う』ビニール傘は最小限に抑えられるはず」と黒須
   さんは意気込む。

  日本人の傘への愛着のなさは忘れ物の数にも顕著に表れている。 警視庁に23年に拾得
   物として届けられた傘はおよそ29万本。 さらに、拾得物の平均返還率がおよそ3割
   なのに対し、傘の返還率はわずか1.4%と低い。 JR東日本は19年度から駅などで
   保管する傘の忘れ物に対し、保管期限を3カ月から1カ月に縮めた。 広い保管スペー
   ス必要とするにもかかわらず返還率が低いためだ。

  傘メーカー、サエラ(東京・港)の計算では、年間6500万本のビニール傘が消費されて
   いるという。 ビニール傘はなぜ外出先でこれほど忘れられ、使い捨てられてしまう
   のか。 その理由の一つは廃棄の難しさにある。 そのまま不燃ごみとして出すよう
   に定めている自治体もあるが、リサイクルするには、はさみで骨組みからビニールを
   はぎ、柄から持ち手を外すなどして分別しなければならない。 

  「ビニール傘の処理に困っている自治体は多く、引き取りを相談されるケースもよくあ
   る」と話すのはモンドデザイン(東京・港)営業企画部の"長谷川さん"だ。 
  同社は廃棄予定のビニール傘を回収し、ビニール部分をかばんの素材として再利用する
   ブランド「PLASTICITY」を立ち上げた。 熱を加えると硬くなるビニール
   の特性を生かし、傘のビニール部分を重ねてプレスすることで、耐久性のある丈夫な
   生地に変えるのだという。 傘2本分のビニールを1枚の生地になるよう重ねてプレ
   スし、端切れがなるべく少なくなるように計算して裁断・縫製する。 すべての工程
   は手作業だ。  「年間およそ1万5000本の傘をかばんなどにアップサイクルして
   いる。 ビニール傘の回収の依頼を受ける企業や学校、民間団体の数は年々増えてき
   ている」(長谷川さん)

  廃棄物処理を手がけるリーテム(東京・千代田)の担当者は「東京都のある自治体からは年
   間4万本のビニール傘を回収している」と話す。 従来は鉄とプラスチックに分解し
   たのち、鉄部分は自社でリサイクル処理し、ビニールは焼却処分していたが、焼却時
   のCO2を減らすため、モンドデザインに買い取ってもらうようになった。
  アップサイクルの際は長年の使用サビ汚れなども風合いとしてそのまま生かすが、回収
   する傘の大半はほとんどが数回しか使われていない新品状態のものだという。

  「ビニール傘はリサイクルルートが確立されていないことも課題の一つ」と長谷川さん
   は話す。 例えばペットボトルは、どのメーカーでもほとんど同じ素材で作られてお
   り、簡単にリサイクルできるようになっている。 一方、傘はメーカーによって使う
   素材や構造はばらばらだ。 アイカサの黒須さんは「傘は同一素材にしようとすると
   強度面に問題が出ることもあり、リサイクルを前提に作るのは容易ではない」と説明。
  「修理」を視野に入れるのも一つの手だ。 サエラが作る「+TIC LITE」バー
   ツごと交換することができる。 ビニール傘はは1本骨が折れるとすべてを捨ててし
   まうことが多いが、壊れた部分だけを修復していくことで長持ちさせられる。

  廃棄されたビニール傘は分別され、資源化または焼却されるが、その残骸を埋め立てる
   一般廃棄物の最終処分は残りの約20年でいっぱいになると言われている。 「近い
   捨て」のイメージのあるビニール傘だが、購入する際は「本当に必要か」「最後まで
   使い切れるか」改めて問い直す必要がありそうだ。
   皆さんは、ビニール傘についてはどう思われていますか‥‥。

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