農業じゆう人

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「錯視」

2019年01月30日 12時51分37秒 | 雑学
  静止しているのに、動いて見える。 同じ長さの線なのに、それぞれ異なる形状の線を足すことで
  長さが違って見える。 いずれも目の錯覚を利用した「錯視図形」と呼ばれる。 人は眼球だけで
  物を見ているのではなく、目を通じて外界の情報を受けた脳がそう解釈して「見ている」とされる。
  錯視は机上の研究だけでなく、産業にも生かされているという。
 一昨日(28日)京急電鉄の羽田空港国際線ターミナル駅で「錯視サイン」
  が登場し話題になった。 これ目の錯覚で床面の絵が立体的に見える
  という。到着ロビーとつながる駅2階の改札口に、地下ホーム行きの
  エレベーターの場所を表示。 近くにあるエスカレーターだけでなく
  エレベーターへの誘導を図ろうと、錯視サイン導入決めたそうです。

 京都伝統の染め物「京友禅」の会社、鷲野染工場は
 昨年3月、型染めの技法で作った日傘を売り出した。
 傘を広げると直径は1㍍余り。中心からウニのトゲ
 のようなものを放射線状に描いた図形は浮き出るよ
 うにガクガクと動いて見えるが、実は錯視効果があ
 る静止画だという。 立命館大学の“北岡教授”が作
 製した図形で、ウニの一種にちなんで「ガンガゼ」
 と名付けたそうだ。 北岡教授にガンガゼの提供を
 依頼した同社の“鷲野社長”は「単純なように見え
 て実は極めて複雑な図形で、こんな柄は他にない。
 傘を広げることで錯視効果の迫力を出したかった」
 と振り返っているそうです。

  平面の図形を立体の傘で表現するため、分業体制で染色や型作りの工夫を重ねてきたそうだ。
  生地のコマが少しでもずれると、錯視効果が損なわれる。 この傘を請け負った大阪府富田林市
   の傘職人、“中永さん”は「生地の裁断さえうまくいけば、柄もピタリと合う」と言う。

  北岡教授による錯視図形は自身のホームページの掲載分だけで1万点を超す。
  「知覚心理学の探求の過程で、これだけの図形ができた。ただ、最大の錯視効果を与える図形は
   結果的にデザインとして美しいと感じている」。通常の印刷は錯視効果が弱まることが多いが
   京友禅では錯視の強さが保たれるという?
   ガンガゼは京友禅の前に、米国の人気歌手の“レディー・ガガさん”が2013年に発表した
   アルバムのデザインに採用された。 ガガさんは北岡教授と会った際、こう明かしたという。
   「初めて見た時に脳に攻撃してくるような、訴えてくるものを感じた」・・と

  錯視図形は商品の包装にも生かされているという。 北海道の六花亭製菓はバレンタインデーの
   期間限定でチョコレート缶に採用。 直径7㌢の缶のふたを近づけたり遠ざけたりすると、描
   かれたハートマークの連なりが回って見えるというものだそうです。
   「缶の絵柄が目立って見えるので、他の商品との差別化が図れる」と指摘するのは早稲田大学
   の“新井教授”です。 数学の知見を生かして発明したプログラムを使い、共同研究者で妻の
   “しのぶさん”とともに、このデザインを作製したそうだ。
    静止画像を錯視効果がある画像に変えられる!ことを・・。

  視覚の情報は脳の後方の視覚野で受け取る。 そこで神経細胞は物の向きや動き、色、細かさな
   どを分業しながら情報を処理しているという。 錯視の多くはこの過程で起るとされるが、未
   解明な部分が多い。
  荒井さん夫妻は視覚に関わる脳の一部を数理モデルにする研究に挑んでいる。 その計算結果か
   ら、ある種の錯視は「脳が物よりよく見ようとする代償」だと分かった。 
   このモデルを組み込んだコンピューターで画像を処理すると、物の陰影や質感などの微細なと
   ころまでがはっきりとする鮮鋭化が起こる。
   「それが人が本来見てみたい画像」と言い、実用化をめざしているそうです。