今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

永代供養墓(合葬墓)余話

2005-11-22 20:43:11 | 永代供養墓
 当北海寺では「永代代供養墓」(合葬墓)を一年前から設置
している。北海寺に来る前にいた新潟市(旧小須戸町)の感応
寺でも永代供養墓を設置していた。その両者の経験から永代供
養墓に関する余話を書きたいと思う。その目的は、墓やお骨の
祀り方に悩んでいる方々の参考になればという思いがある。
 一口でいえば、墓に関する問題意識を持っているのは、ほと
んど女性である。たとえば、自分の妻と同じ墓に入るのが当然
と思っているのは男性である。すなわち、妻と一緒の墓に入り
たくないと思っている男性は一人もいなかった。
 一方、夫とは絶対に同じ墓に入りたくない、といって尋ねて
くるのは女性だけである。それにはそれなりの理由があるはず
である。しかし、野僧からその原因を聞くことはない。中には、
その理由を話す方もいる。
 たとえば、今は亡き夫は工務店を経営していた。大変に繁盛
していた時期があった。その時、毎日のように飲んで帰ってき
た。そして夫はいろんな飲み屋の女性と不倫を繰り返すように
なった。それで私は散々泣かされた。同じ墓にはいってまで泣
かされるのはまっぴらご免だ、だから永代供養墓に入りたいの
です。
 また、亡くなった夫は酒が好きだった。したがって毎日酒臭
い夫の息を吸って寝てきた。死んでまで酒臭い息を吸いたくな
い。だから夫と同じ墓に入りたくないのです。
 一方、想像もしていなかった例もある。女性が成人した二人
の子供さんと3人で来たことがある。その話の内容は、現在霊
園に墓地を造立して持っている。夫は一家して同じ墓に入ると
ばかり思っている。しかし、私は夫とは同じ墓には入りません。
このことは二人の子供達も同意してくれています。だから永代
供養墓に入りたいのです。すなわち、知らないのは夫ばかりな
り、ということになる。
 いずれの場合も、それぞれの理由がある。その気持ちは十分
に理解できる。中には、それぐらいのことで、と思う方もある
だろう。しかし、当人にとっては我慢できないのであろう。人
間の数だけ悩みと苦労があるということである。
 世の男性諸氏は、胸に手を当てて反省することをおすすめし
たい。