今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

靖国神社から脱し、日本のアーリントン墓地を造れ

2005-10-20 09:00:05 | 宗教と戦争
 10月17日、またしても小泉首相は靖国神社に
参拝した。詭弁を弄する首相の言動は醜い。
 「二度と戦争をしないという決意を表明した。今
日の平和は生きている人だけで成り立っているので
はない。戦没者に敬意と感謝の気持ちを伝えるのは
意義のあることだ」、と首相は記者団に強調してい
る。
 しかし、よく読んでみると、詭弁にすぎないこと
がわかる。「二度と戦争をしないという決意」とい
うが、その一方で憲法9条の改悪を推し進めている。
いわば、戦争を想定した動きである。言行不一致で
ある。
 また、「今日の平和は生きている人だけで成り立
っているのではない」というが、かっての日本政府
と日本軍のしてきた残虐な行為を正当化する意図以
外の何物でもない。日本軍に虐殺された諸国民の人
々や、その子孫に対する謝罪の意を感じ取ることは
できない。
 さらに、「戦没者に敬意と感謝の気持ちを伝える
のは意義のあることだ」といっているが、日本軍は
諸外国に行って侵略し、虐殺行為をしたのである。
日本軍兵士の戦死者のみを云々するのは身勝手であ
り、真の人道主義に反するものである。民主主義の
何たるかを勉強し直すべきである。
 「外国政府が、日本人が日本人の戦没者や世界の
戦没者に哀悼の意をささげるのを<いけない>とか
いう問題ではない」、とも首相はいっている。まる
で日本人のすべてが、首相と同じ意見であるかのよ
うに言っている。とんでもないことである。日本人
の中でも、先の大戦の賛否が分かれている。その証
拠に、世論調査では首相の靖国参拝に反対する人が
過半数を超えている。都合の悪い世論調査は見て見
ぬふりをする、ということ自体に靖国問題の根本問
題がある。
 米国のアーリントン墓地のような無宗教の施設を
新設すべきである。靖国神社はこれまでの戦争の精
神的な支柱であっただけに、靖国神社をこのままに
しておくのは、戦争を意図する人々に利用されるだ
けである。第一、神道に慰霊の力があるのかどうか
疑問である。また、西郷隆盛などの反政府の人々は
靖国神社に祀られていない、などの問題もある。
 首相の靖国参拝は、再度、戦争を意図した行為と
見るべきである。何とも空恐ろしいことである。

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