今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

スパコンと仕分け

2011-11-19 09:48:30 | 環境劣化と人類延命の智慧
 民主党の仕分けで、「2番では駄目なんですか」、と発言した議員がもてはやされた
ことがある。この一事は、日本がマンガ文化に毒されていることを証明することとな
った。何でも面白おかしければいい、という類のものである。しかし、その発言が正
しいとは云えない。スーパーコンピューター(スパコン)の道理をワキマエナイ愚者的
発言だからである。素人ながら知っている範囲内で話そう。

 たとえば、世界の平均気温が0.1度上昇した場合、世界各地の温度はどうなるのか、
などのシュミレーションをするのにスパコンは必要不可欠なものである。この場合、
世界中が一律に0.1度づつ上昇するものではない。例えば、日本などの温帯地方と南極
などの極地の上昇率は異なるのである。極地の方が上昇率が高くなる。当然世界各地
の上昇率も違ってくる。その計算を1秒に1京(10,000兆)の速さで計算するのがスパコン
である。

 約200年前の産業革命以後、現在までに地球の平均気温は約1度上昇している。人類が
生き延びられるのは、1.5度の上昇までだと云われている。すなわち、人類の生存可能
範囲度は、あと0.5度しか残されていない、ということになる。

 今回の民主、自民、公明の3党による国会の仕分けで、天下りとスパコンの関係が論
議の対象になったと報じられている。だからといってスバコンの否定に繋がるものでは
ない。全然、次元の違う話だからである。天下りの根本問題は、キャリアという国家公
務員上級甲試験に受かった人々に対する慣習が原因である。すなわち、各省内で、キャ
リアの一人が事務次官になると同期のキャリアは一斉に退職する慣習となっている。当
然、定年前であるから、再就職先が必要となる。それが特殊法人だったりする。その根
本問題を解決しなければ、いつまでたっても天下り問題はなくならない。その根本問題
を度外視して現状の問題点を追求しても正しい解決策は出てこない。解決策として考え
られるのは、次の2例しかない。

 ①正規の退職後に、退職者の中から事務次官を選任する。
 ②退職前のキャリアの中から事務次官を選任しても、同期などのキャリアの退職を認
  めない。

 このようにすれば、天下りの問題も解決されると思われる。要するに、制度化と同じよ
うになっている現在の慣習を止める事である。天下りとスパコンを混同して論議する愚行
をすべきではないと考える。スパコンを否定する理由はない。

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