東京都議会での一般質問中でのヤジが内外から批判されている。塩村文夏
(あやか)都議の質問に対して「早く結婚した方がいいんじゃないか」、「産
めないのか」などのヤジがテレビなどではっきりと報じられた。これは品の
ない女性蔑視である。一方、このヤジの本質と根本問題は日本の政治責任や
社会責任など多様な問題を包含している。
第一に、若い人が結婚しない理由の一つは、経済的な収入が得られないと
いう事情があるものと思われる。とくに就職難と契約社員制度という根本問
題は政治の責任である。
第二に、幼児を預ける施設の不足がある。共働きすれば家庭を経済的に保
てるが、共働きする環境整備が不十分である。これも政治の重大な責任であ
る。
第三に、社会的な問題として核家族化がある。一昔前までは一つ屋根の下
に三世代が生活していたのである。祖母が孫の世話をしてくれたので共働き
も可能だったのである。これも少子化の社会的な根本問題である。
第四に、将来の人口減が問題となりつつあるが、外国人の移民化を云う前
に、日本女性の就職問題や、若年層の希望がもてる社会の構築を再考すべき
である。口先だけでは駄目である。
第五に、戦後の世界的な「自由と民主主義」というレジームの中に男女平
等も含まれているのを日本人の多くは理解していない。だから外国のマスコ
ミの特派員に痛烈に批判されるのである。
また、今回のヤジ騒動はお笑い文化という現代世相の一環といえよう。環
境、経済問題は今後一層激しいものとなるだろう。もっと真剣に取り組むべ
きではなかろうか。