今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

都議会ヤジの根本問題

2014-06-26 05:39:12 | 幸福の追求

 東京都議会での一般質問中でのヤジが内外から批判されている。塩村文夏

(あやか)都議の質問に対して「早く結婚した方がいいんじゃないか」、「産

めないのか」などのヤジがテレビなどではっきりと報じられた。これは品の

ない女性蔑視である。一方、このヤジの本質と根本問題は日本の政治責任や

社会責任など多様な問題を包含している。

 第一に、若い人が結婚しない理由の一つは、経済的な収入が得られないと

いう事情があるものと思われる。とくに就職難と契約社員制度という根本問

題は政治の責任である。

 第二に、幼児を預ける施設の不足がある。共働きすれば家庭を経済的に保

てるが、共働きする環境整備が不十分である。これも政治の重大な責任であ

る。

第三に、社会的な問題として核家族化がある。一昔前までは一つ屋根の下

に三世代が生活していたのである。祖母が孫の世話をしてくれたので共働き

も可能だったのである。これも少子化の社会的な根本問題である。

 第四に、将来の人口減が問題となりつつあるが、外国人の移民化を云う前

に、日本女性の就職問題や、若年層の希望がもてる社会の構築を再考すべき

である。口先だけでは駄目である。

 第五に、戦後の世界的な「自由と民主主義」というレジームの中に男女平

等も含まれているのを日本人の多くは理解していない。だから外国のマスコ

ミの特派員に痛烈に批判されるのである。

 また、今回のヤジ騒動はお笑い文化という現代世相の一環といえよう。環

境、経済問題は今後一層激しいものとなるだろう。もっと真剣に取り組むべ

きではなかろうか。