2月8日の東京の大雪は寒冷化現象ではない。温暖化の一環で
ある。なぜなら、北極の夏の氷は融解しているからである。温暖
化が進行している証拠である。その結果、北極圏の寒気が南へ下
降するのを今まで防いでいたのは偏西風だったが、温暖化の影響
で偏西風の位置が北へ下降し、寒気が日本などの温帯地方に降り
かかった結果だと考えられる。言葉を変えれば、地球の気象状態
が目茶苦茶になりつつあることを意味している。地球の摂理が崩
壊し始めたと認識すべきである。これまでの人類の経験や知識は、
今後ますます通じないことになるだろう。
したがって昨年以上に、今年の夏も猛暑に襲われることになる
はずである。これまで、本欄でも寒暖を繰り返しながら最終的に
は温暖化すると主張してきたが、このような意味なのである。
このように、地球の環境破壊は壮絶なものである。今後、いか
に科学的な対策を講じても、地球の環境を昔のような摂理に戻す
ことは不可能と思われる。現在の人類は地球環境を余りにも軽く
見ている。すでに環境破壊は人智を超えている段階になっている。
したがって「国土強靱化」するといっても、環境を元に戻す方法
ではなく、壮絶な環境破壊現象にいかにして耐えられるか、とい
う意味の対策に過ぎないであろう。「国土強靱化」されるから、自
然の猛威は怖くないという意味にはならない。
自分を守るのは自分しかいない。そのことを十分に認識して、各
人は強く生きていってほしい。