ニコ、酒場で戯言

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なべ presents

中華一元@板橋本町 「チャーハン(半ラーメン付き)」

2014-04-01 00:00:00 | ラーメン(東京)
今日のノス活。

どうやら、おみくじで大吉を
引いたような店に出遭ったようだ。
(従って長文。容赦)

板橋本町に息づく曙商店街。
夜になればスナックにもあかりが
灯りそうだが、昼間はのんびりしている。
豆腐屋、八百屋があり、いくぶん暖簾は
くだびれてはいるが米屋もある。
その米屋、キャッチがいい。

とびきりのコシヒカリ1,480円
おいしさ保証!コシヒカリ1,680円
何故かキャッチのない秋田小町が2,180円

付加価値をつけるのに必要なのは、
ディテールを明かすことだけ
ではないということか。

家族の健康の中心に「ごはん」を、
という手書きの看板も立つ。
クラシックな商店の経済圏だ。

デウスエクスマキな先輩のところで
目をつけていた中華一元が
その斜向かいにある。

創業来50年。
氏の言うように木造モルタルの1階で
二代に渡って続けてきたお店。

壁一面に貼り出されたメニューの
短冊群がどれも魅力的で実に悩ましい。
定食、中華、ちょっとはみ出た
オムライス。ラード等で仕上げる
所謂中華のオムライスかもしれないが、
食べてみたくて仕方がない。

その下に、当店のサービス品と
いうものがあり、短冊メニュー群に
半ラーメンをつけて廉価で提供している。
これは魅力的だ。

思わずいつもの癖でチャーハンと
ラーメンの組み合わせにするものだったが、
これを書きながらいまだ未練タラタラ。

オヤジさんが体を患ってからは
出前はやっておらず、岡持ちは
食器棚替りになっているものの、
めっぽう明るい口調の女将の
気立ての良さが、いまだこの店を
現役である、と代弁してる。
もう、この時点で濡れた。

魚介がふわっと効いた洒落たスープに
チリチリとした細縮れ麺が心地良い。
チャーハンは正調のグリーンピース入り。
年季をトッピングしたような焦げが
良い入りで、勿論無理にパラリとは
しない、やや、べチャーハン。
両者すこぶる美味しい。

昨日の日経新聞の春秋欄がなかなか
秀逸だったことを思い出した。
築地の初競りでのマグロの話だ。

昨年1億5000万で値づいたものが、
今年は736万だった。
すしざんまいと香港資本が競りに
せっての価格だったのを、
今年は競らなかっただけの話で、
とてつもない価格差だが、そんな
こともさもありなん、という内容だったが、
締める一文が良かった。

「勝者と敗者を仕分けするのが
 市場原理ではない。理性と感情が
 同居する築地の熱気が、
 日本経済に広がるといい」

街の中華屋にもこんな経済の原則が潜んでいる。
適正な価格、意気のサービス品。
それを得るためのキャッチコピー達。
もちろん、女将の笑顔を添えて。

不当な価格競争やニッチな産業に
だけフォーカスするのではなく、
もう少し日本経済が自信を
取り戻す2014年になっていきますように。

一元@板橋本町

一円一元

店の名前を眺めていて、
それぞれの幸せのための経済活動、とか
ふと甘いことを考えてしまい、
すぐに競争に負けてしまいそうなので、
また明日から気合を入れて仕事をするとしよう。

いや、実にいいノス活初めだった。
ごちそうさまでした。



 

 




住所: 東京都板橋区清水町24-8
電話:03-3961-8174