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ニコ、酒場で戯言

Always look on the bright side of life.

なべ presents

POG 所有馬一覧 08~09

2008-06-18 00:00:00 | 競馬
今のグループでPOGをはじめて早12年。今年で13年目。年々皆忙しくなってきているがこのドラフトだけは本当に愉しみにしている。馬を選ぶ暇と手間はさすがにとれなくなってきているが、めいめいがそれぞれに準備をしてまた今年も6月14日にドラフトを行いました。昨年の回顧をあわせて、指名理由などを書こうかと思います(゜∀゜)b。

今年も引き続き少人数の乱打戦。いかに連打を打てるかが勝負の鍵。単発のホームランは空砲になりがちなのがウチのグループの特徴です。

1位:アドマイヤコブラ(フレンチデピュティ×マイケイティーズ)♂松田博
“世界の”アドマイヤムーンの半弟、というより、マイケイティーズは私のPO馬でそちらの思い入れが強い(笑)。デビューが遅れるという情報に不安になったが、デビューができれば芝ダート問わず戦力にはなってくれるでしょう。馬体良好。

2位:サトノエンペラー(シンボリクリスエス×スーア)♂藤澤和
バランスはいいのだが、さほど大物感のない馬体。あまり好みではないが、それを上回るポジティヴファクターの多さ。あとはこの血統を早々に押さえておきたい気持ちもあり人気も考慮してここで指名。
 
3位:ニシノホウギョク(ブライアンズタイム×デュプリシト)♂河内洋
これはもう馬が良いと思ったので思いきってこの順位で指名。高齢の母(私の中ではある一定の母馬の年齢ですべて切ってます)は指名しないのが安全策だが、名繁殖は最後に傑作を出すということもある。頼むぜ、河内。

4位:アプレザンレーヴ(シンボリクリスエス×レーヴドスカー)♂池江郎
3位まで人気を加味した上での満足いく指名ができたため、一段落。この馬は母のポテンシャルと馬体の良さで指名。シンボリクリスエスに信頼は置いていないが、意外に早く動けるようなので大丈夫だろう。今年の池江郎は粒揃い。

5位:ミスアンコール(キングカメハメハ×ブロードアピール)♀池江寿
で、息子の厩舎。昨年はたくさん指名したが、はっきりいって順調に使えない馬が多過ぎ。ただ、数を多く使った母でマツクニ血統。丈夫に期間内を過ごしてほしい。馬はいいはず。優先権を含め牝馬を指名できてなく焦って牝馬を入れたことは正直に告白しておきます(爆)

6位:リーチザクラウン(スペシャルウィーク×クラウンピース)♂橋口
橋口厩舎を今年は狙い撃ちしたく、リストを眺めたらこれが一番気に行った。若干重そうなきらいはあるが、世界的良血と在来血統の軽さがマッチすると読んだ。

7位:タイトルパート(アグネスタキオン×タイトルド)♀鮫島
牝馬が圧倒的に足りないことには気付いてはいたが、いかんせんリストアップした馬も少ない。産地馬体検査で出来のいい牝馬に走ったわけだが、このあたりの焦りがなければゴールデンチケットとかネオレボルーションとかコスモパイレットとか普通に獲れたのにな…orz

8位:トップモーション(シンボリクリスエス×プロモーション)♀和田
そして、また無理矢理牝馬を(爆)。プラチナチャリスとか残ってたのにな。まあ、この馬は牧場でも動いているらしいし、馬体もいい。厩舎だけが問題だが、この血統くらいは走らせてよ、和田さん。

9位:ティアップノブレス(アグネスタキオン×アイリッシュカーリ)♂堀宣行
アグネスタキオンはやはり走るのだが、今年は祭りをするに相応しい年ではない。その中で吟味すると馬体と皮膚感の良いこの馬が浮上。期待したい。

10位:ゴッドフェニックス(ブライアンズタイム×ロンドンブリッジ)♀池江郎
名前がどうかという問題は残るが、思い出のダイワエルシエーロから数年。久々にすっきりとしたいい馬になりました。これまでで一番エルに似てる。

11位:リビングストン(タニノギムレット×リビングデイライツ)♂池江寿
馬が非常にいいということで指名したのだが、果たして大丈夫なのだろうか。「あだ名がウオッカ」という無駄な十字架を背負ってしまっているが、皆さんそっと忘れてくださいな。

12位:ラヴィンライフ(ゴールドアリュール×ラフィンムード)♂武宏平
ゴールドアリュール産駒は評判のわりに勝ち上がり率が良く、種馬としては当たりなのではないかと思う。数頭ピックアップしたのだが、産地馬体検査でバランスの良い好馬体を魅せていたこの馬を指名。血統のバランスがあまり良くなく(欧・米中途半端)その点が不安だが。

13位:ダノンプログラマー(ウォーエンブレム×クリックヒア)♂角居
ワールドカルティエは1位で消えたが、どうもウォーエンブレム産駒は馬のつくりがダート向きな気がしてならない。総じてつなぎが立ち気味。ただそんな中でいくらか芝でも行けそうなのが母父SS。そして、ベガ一族。そしてそして足を向けて寝られない角居厩舎。獲るならコレと思っていました。

14位:レッドスパーダ(タイキシャトル×バービキャット)♂藤澤和
カーリンの近親です(笑)。そういう自分のキャラは忘れずにいたい。昨シーズンカジノドライヴを獲られたのはかなりの誤算でした(笑)。でもこの馬は先の馬だが、馬自体はいいよ。

15位:ローズリパブリック(クロフネ×ローズバド)♂橋口
全国500万の薔薇好きの皆様、本当に申し訳ございません(笑)。堅実に走るこの血統を軒並みスポイルする私が今年もまた指名してしまいました。きっと走らないでしょう。ごめんなさい。

16位:ラターシュ(マーベラスサンデー×ラタフィア)♂石坂
マーベラスサンデーの代表産駒ってなんだよ、とドラフト中に突っ込まれましたがシルクフェイマスで十分でしょう(笑)。マーベラスの仔は血統通り思い馬が多いが、コジーンが入っているし、芝にも対応できるでしょ。

17位:クールザヒート(ステイゴールド×マルカムーンライト)♂厩舎未定
ステイゴールドもゴールドアリュール同様種馬としての可能性を見出しての指名。エムエスワールドを指名しそこねた痛い過去があるのでバランスの良く皮膚の薄そうなこちらの馬を指名。ちょっぴりギャンブル。


【優先権馬】
18位:タクティクス(アグネスタキオン×グレースアドマイヤ)♂松田博
各地のドラフトでは人気になっているようでありがとうございます(?)。母似かどうかで判別するならこの馬が一番遠い。ただタキオンらしさはある。これがどうでるか。来年には岩田もダービージョッキーかあ(ぉ

19位:フォゲッタブル(ダンスインザダーク×エアグルーヴ)♂池江郎
骨折王子の血統ですが、今年も激しく心配です。時期的なものなのかバランスが崩れているような気がするが、どうでしょう。ダンス産駒なのでますます春シーズンは厳しそうですが、故障の少ない厩舎で頑張ってほしいもんですわ。

20位:サイオン(クロフネ×フサイチエアデール)♂堀宣行
当たり外れでも豪快な差を生むエアデール。タイムオーバーになってみたり重賞をいとも容易く勝ってみたり思えば現役時代からそんな感じだったか(笑)。今年はリシャールほどではないがらしい好馬体。

21位:アンライバルド(ネオユニヴァース×バレークイーン)♂友道
欧州血統が呼応したのか、実にすっきりしたいいつくりの今年のバレークイーン。母が高齢なのが気になるが、ニシノホウギョク同様最後の大物であることを祈りたい。

22位:プルシアンオリーブ(マンハッタンカフェ×オリーブクラウン)♂松田国
今年はマツクニさんをなかなか指名できずにいたが、優先権で有力どころが捌けていたいたため。昨年のオリーブガールは今年のこの馬のための布石。頼むぜ今年は。

【総評】
すんなり希望の馬を指名できたが、その余裕がゴールデンチケットやコスモパイレット、ネオレボルーション、エイシンサイクロンなど計算できる馬たちを逃すことにつながるとは…。牝馬が少なく、○外も無し。かなり不安の残る布陣だが、はまれば2月くらいから十分に追い込める布陣であることも確か。あとは趣味の血統は別グループで。

POG 所有馬一覧 07~08

2007-06-12 23:55:06 | 競馬
今年もPOGドラフトが開催されました。
ここ最近同じく少人数他頭数施行となってまして、乱打戦がウチの定番です。
今シーズンなんてヴィクトリーとフサイチホウオー持ってる私が2位ですからね(笑)

指名理由は後日追加します。

1位:ロザリオ(ジャングルポケット×ローザネイ)橋口
2位:アインラクス(DID×スターズインハーアイズ)池江寿 
3位:ダノンマーチャン(Vindication×ローザロバータ)加藤征
4位:マンボパートナー(Kingmanbo×Dance partner)橋口
5位:トールポピー(ジャングルポケット×アドマイヤサンデー)角居
6位:ウォータクティクス(ウォーエンブレム×アドマイヤハッピー)池江寿
7位:イノセントスカイ(タニノギムレット×ナインミューズ)池江寿
8位:ダイワカンパニー(アグネスタキオン×ヒットザスポット)松山
9位:ネオスピリッツ(シンボリクリスエス×ネオクラシック)藤沢和
10位:フサイチクリヨン(アグネスタキオン×リボーズシークレット)角居
11位:カラメルマキアート(マンハッタンカフェ×エリザベスローズ)角居
12位:ドーンオンザケープ(DID×ケープリズバーン)池江郎
13位:ロードアルカディア(アグネスタキオン×レディミューズ)池江郎
14位:アドマイヤワイド(アドマイヤベガ×フェアディール)橋田
15位:オリーブガール(アグネスタキオン×オリーブクラウン)松田国
16位:イントゥザライト(ブライアンズタイム×フラッシュストーム)白井
17位:アンダルーサ(アグネスタキオン×バレークイーン)友道

【優先権馬】
18位:ポルトフィーノ(クロフネ×エアグルーヴ)角居
19位:サムワントゥラヴ(シンボリクリスエス×シンコウラブリイ)角居
20位:グリッターカーラ(フレンチデピュティ×フサイチエアデール)松田国
21位:フォーマルモード(アグネスタキオン×クイーンモード)橋口
22位:スカーレット(シンボリクリスエス×グレースアドマイヤ)古賀慎


ちょいと趣味に走りすぎました~。

BRAVE HEART

2007-04-15 23:55:42 | 競馬
【画像拝借リュバンさんより】

差し返せ!

渾身の叫びは、愛しのリンカーンが最後まで埋めてくれなかった最後のワンピースを求めてのものだった。菊花賞で最後に届かなかったあのワンピース。ヴィクトリーはそれを目の前で届けに来てくれたのだった。

フサイチコンコルドで競馬に焦がれて10数年。妹のグレースアドマイヤが走って10年。奇跡と出会って、10年かけて努力の味を知る。若いときは理想に憧れ、美しきに触れる。それを強く抱きつつ、足元を見つめ一歩一歩歩みを踏みしめ、本当のかっこよさを知るのだ、きっと。

小林稔調教師は

「昔は織田信長に憧れたがね、今は家康だよ」

と笑ってダービーを格好良く勝ったのだ。

奇跡なんて理想じゃない。それがようやくわかってきた。ただ、その地道な一歩一歩が確実に奇跡に向かっているようでもある。ヴィクトリーは襷にこんなテーマを掲げつつ、また一生懸命走るのだ。そして、私をまた勇気付けてくれる。そして、いつかきっと、忘れかけた理想を思い出させてくれるのだ。


それがダービーであるなら、私は最高に幸せ者だ。








余談だが、これは幸せの理想であり、また、理想でしかないのだと書いていて気付く。ただ、この10年で、リンカーンで、私は何が幸せなのかをまた知ることができたのだ。


◇リンカーン関係雑記はコチラ

幸せの種  ~ リンカーン ~

2006-11-03 15:18:48 | 競馬
2006年9月8日、右前浅屈腱炎が判明 リンカーン引退

通算成績23戦6勝
重賞3勝(阪神大賞典、京都大賞典、日経賞 いずれもGII)



「勝て」と思ったり「無事で」と言ったり、そんな時間を4年持ち、無事であり、そして勝ったり負けたりした。よく頑張ったと思うこともあれば、あと少しだ、何故勝てないと悶えたこともあった。


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母親のグレースアドマイヤに惚れて、焦がれて、リンカーン。SS産駒で期待の星。気付けば、喉の疾患もなんのその、グレースアドマイヤが出れなかった春クラシックにだって挑戦した。秋にはGIでも勝負できるようになっていた。

「グレースアドマイヤの仔も凄いな」

その仔が、どうにか勝てば、それだけで勲章。親仔二代の贔屓は競馬のロマンであって、密かな自分の誇り。どうして勝つかを真剣に悩み、どうにか勝ってくれと祈ったりしてみた。

期待して、勝って、いろいろ夢をみて、そして、ふと気付くとそこにはもうリンカーンだけが存在していた。グレースアドマイヤの仔リンカーンではなく、グレースアドマイヤはリンカーンの母だった。存在の比較でなく、リンカーンという馬が独立して心に刻まれた感じがした。これも親心ってある意味、いうのだろうか。

グレースアドマイヤはリンカーンの後、順調に、健康に仔を産みつづけた。すぐ下にはグローリアスデイズという牝馬を、更に妹にはプリンセスグレースを産んだ。私は勿論、この妹たちの活躍を楽しみに観ている。グローリアスデイズはこれまた頑張り、GIにまで出れるようになった。プリンセスグレースも無事にデビューした。

グローリアスデイズがオークスに出れば、母親の無念を思ったりもした。もうちょっとで重賞に手が届くとなると興奮した。プリンセスグレースがデビューすると聞くと、どうやったらオークスに出走できるかを考えたりした。先日なんて、福島にグローリアスデイズが出ると聞いて、ちょっと観にいってみようと旅もしてみた。

だが、リンカーンのように勝つために身悶えなどしないのだ。本当に無事に走ってくれることが一番だと思ったりするだけなのだ。それは思い入れがリンカーンよりもないのでなく、~まさにグレースアドマイヤに思うのと同じように~ 無事に長く活躍してほしいと思っているだけなのだ。グレースアドマイヤだって、母となってから随分と頑張っているのだから。

ただ、リンカーンはグレースアドマイヤの仔であって、それ以上の存在なのである。

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客観的な評価を必要としない(自分にとっての)存在。それはやっぱり人生の宝なんだ。そして、人はそれを幸せという。リンカーンはこれからも幸せの種を蒔く。そして私がまたそれらを摘むだろう。それが待てないと言えば、自分と入れ替わるように弟ヴィクトリーを置いていってくれた。気が利くな。



GIに勝てなくたって、格好がつかなかったからって、怪物じゃなくたって、人気があろうがなかろうが、ずっと幸せだった。

おつかれさま、リンカーン。





【画像提供リュバン☆さん

06~07POG所有馬一覧

2006-06-11 11:11:11 | 競馬
今年のPOG所有馬一覧です。この記事は1週間ほど一番上に表示しておきます~。最新記事は1つ下からご覧ください。

今年もPOGドラフトが開催されました。今のグループでのPOGは今年で10年目。継続にこそ意義があるとはいいますが、毎年同じ遊びができるなんて愉しく素敵なことなんだなあ、とここしばらく負け組みの私ですら思います(笑)

所有馬一覧(詳細)
※馬名は正式でないもの含む。勝負服アイコンは目安。

指名理由
※取り急ぎ、うたた寝しながら書いたので今年は面白くないかも^^;

ウチは有馬ルール。少人数(になった)なので、どちらかというとほのぼのPOGですね。POGを愉しんでいらっしゃる方からのコメントお待ちしております~(・∀・)人(・∀・)

涙のキス

2006-04-09 23:55:33 | 競馬
すいません、今日は遅いので軽い記事で。


1 7 14 キストゥヘヴン          牝3 55.0 安藤勝己 1分34秒6
2 4 8 アドマイヤキッス         牝3 55.0 武豊   3/4馬身
3 6 12 コイウタ             牝3 55.0 横山典弘 ハナ
4 1 2 アサヒライジング         牝3 55.0 柴田善臣 1馬身
5 8 16 シェルズレイ           牝3 55.0 岩田康誠 1馬身1/4
6 7 15 ウインシンシア          牝3 55.0 秋山真一 1/2馬身
7 5 10 アルーリングボイス        牝3 55.0 デムーロ 1馬身3/4
8 3 5 テイエムプリキュア        牝3 55.0 熊沢重文 1馬身
9 2 3 ラッシュライフ          牝3 55.0 四位洋文 2馬身
10 8 18 タッチザピーク          牝3 55.0 柴原央明 2馬身
11 7 13 ミッキーコマンド         牝3 55.0 石橋守  クビ
12 4 7 エイシンアモーレ         牝3 55.0 福永祐一 クビ
13 1 1 ユメノオーラ           牝3 55.0 渡辺薫彦 ハナ
14 8 17 フサイチパンドラ         牝3 55.0 角田晃一 クビ
15 3 6 グレイスティアラ         牝3 55.0 田中勝春 クビ
16 2 4 ダイワパッション         牝3 55.0 長谷川浩 3/4馬身
17 6 11 ウエスタンビーナス        牝3 55.0 藤田伸二 3馬身
18 5 9 アイアムエンジェル        牝3 55.0 柴山雄一 5馬身



キストゥヘヴンと名付けられたこの馬がキスをしたのは勿論天国の父アドマイヤベガで、その躍動的なゴールシーンは、トリノの女神がキスをした荒川静香に匹敵する美しさだった。

また2着のアドマイヤキッスが「kissを賞賛する(admire)」という意味で、まさにできすぎのゴールシーン。オーナーの近藤利一さんも自身をダービーオーナーにしてくれたアドマイヤベガの仔に負けたのならさすがに諦められるか。

来週はこれまた1番人気が必至の武豊アドマイヤムーンに同じアンカツので同じ勝負服でアドマイヤベガのお母さんベガの仔キャプテンベガが迫ったりするとよっぽど出来すぎた話となるのだが、桜花賞を観て不覚にも涙腺が緩んだ私はそれを真剣に望んでいる。

ヒールズクライ ヒーローズクライ

2005-12-27 20:56:06 | 競馬
ディープインパクト三冠の瞬間に競馬の魅力が顕れているとして、果たしてこの有馬記念はどうだっただろうか。

場内の白けた空気にため息交じりの吐息。私は現地で大きく白い息を吐いたあと思い切り吸い込ませてもらった。冷たいはずの空気を吸い込めば吸い込むほどにかじかんだ指先に血が通ってくる。競馬というスポーツの醍醐味が集約された有馬記念だった。

競馬はプレビューのスポーツだ。予想するまでのプロセスが肝心で、レースはその答え合わせでもある。その予想に対する解答が正しければ得点と喜びが得られる。ただ、勉強というもののある別の側面での魅力は、自分が苦心して、自信を持って導き出した答えを、巻末にある解説付きの解答が、見事に裏切り、その意外な面白さに感動することにもある。そして、その奥深さに魅了されるのだ。

クリストフ・ルメールの奇策がハーツクライという穢れのない追い込み馬を先行させる。JCの悔しさと中山コースを踏まえ、発想のパラドクス的な転換を試みたルメールの鮮やかな解答。こんなやつがクラスにいたら、彼こそが“英雄”だったりするのだ。

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今年散々だった私にとって、12月はそれまでの苦労を労うようなレースが多く、みるみるうちに生気を取り戻すことが出来た月だった。フサイチリシャールが朝日杯に勝ち、アドマイヤグルーヴが引退レースを飾る。有馬記念の前日にはシンボリグランがCBC賞を勝ち、アドマイヤベガ産駒のテイエムドラゴンが中山大障害を勝つ。ただ、全部1番人気ではない。なんだよ、こっちみるなよ、悪役かよ。

そんな日はパドックにいてもよく見える。8R勿論一番人気じゃないワイルドワンダーに惚れ、それが圧勝すると有馬記念のパドックを解く段に到っては私はもう英雄気取りである。

ディープインパクトは調教からしてよくなかった。実際パドックもよくない。ゼンノロブロイはプラス体重なのに小さくさえみえる。同じ引退戦でもシンボリクリスエスのようなタフさは併せ持っていないらしい。リンカーンを贔屓目にみて、微笑ましく眺め、これは状態がいいと気をよくすると目の前にハーツクライがいつも通りゆったりと歩いてきた。

1頭抜きん出て美しいハーツクライは私の前で周回の度に目線を送る。午前中に慌てて用事を済ませ、中山への道すがら携帯から馬券をすでに購入していた私は、ハーツクライを買い目に入れてきたことに安堵し、単勝を買わなかったことを後悔した。

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たまにはこんな問題を解こうじゃないか。インパクトのある解答はまた来年たくさん観れるはずだ。でも、競馬なんてそんな浅く、つまらない問題ばかりじゃない。

悪役となったハーツクライに声援を送る奴の頭は今日、特に冴えていた。16万2000人がしんとなった教室で、一人快哉を叫んだが、よく考えると無理矢理負けないことを決定づけられたあの馬も一人ぼっちのような気がしてくる。

悪役に仕立てられた馬は勝って叫び、心で泣く。そして、負けた馬も一人で泣く。

2005年、はじめて心の底から美味しい酒が飲めた日だった。




女王として

2005-12-21 23:54:30 | 競馬
Photo Data:(C)Carrot Lunch

引退レースとなった阪神牝馬特別で、アドマイヤグルーヴは私がずっと抱いていたもどかしさをふたつ、晴らしてくれた。

ひとつは、桜花賞での敗戦。ダイナカール、エアグルーヴと続く縁の無さを取り沙汰されたが、結果的にはあのレースでの致命的な出遅れが後の3冠に響いたとすらら感じられる、より重大な敗戦。

その桜花賞と同じ舞台での圧勝劇。落ち着きを得た女王の名誉挽回劇、とするよりも、見映えを気にする女性ならではの、記憶の上塗り工作というべきか。ともかく、私の頭の中での桜花賞の映像は今回のレースにすりかわった。今回も少し出遅れたのはご愛嬌。そこがまたかわいらしい。

もうひとつは、体重。女王といわず女性の体重をとりあげては不敬と言われそうだが、細い状態がベスト、なんてしたり顔した解説者に言われたままじゃいけない。460kg台で好走したとはいえ、見た目には470kg超でこそ、美しいシルエットだったグルーヴが、最後にしっかりポーズも決めて勝利した。478kg。なりふり構わぬ女傑(勝利のために全てをそぎ落とす)もいいが、美しく勝つ。牝馬はこうでなくちゃいけない。

母エアグルーヴはそのなりふり構わぬ女傑で、人知を超えたスーパーホースだった。つまりは女帝。しかし、その娘は顔つきこそそっくりだったが、女王・王妃くらいであった。母がついぞ勝たなかったエリザベス女王杯だけを勝ち、女性であることを殊更に強調したのは、母の男勝りを反面教師としたからか。まあ、いずれにせよ、牝馬らしい牝馬だった。

ガーサント、ノーザンテースト、トニービン、サンデーサイレンス。まるまる社台の歴史。社台花子。フロンティア精神の純血は次世代を担うことになる。社台の跡取りはどの種馬か。アドマイヤグルーヴが迎え入れる種馬こそ未来のリーディングサイヤーである。また、小顔の美男美女が産まれてくるに違いない。

オーナーが言うように確かに最後の直線はGIより嬉しかった。

女王は美しく去りゆく。


【成績等はコチラ

天の潮目

2005-11-07 01:30:16 | 競馬
新松戸駅へと向かう、柏駅のホームでカラスが激しく羽ばたいた。カアカアと大きく鳴いてみせる。カラスが縁起が悪いと誰が言ったか。勘弁してくれ。今日は天皇賞・秋なんだぜ。人間社会じゃ頭が良ければ褒め称えられるが、そんな人間は馬鹿な動物を好むらしい。カラスだって好きで知恵つけたわけじゃなかろうに。黒は2枠。さて、リンカーンは頭の良いカラスか、縁起の悪い黒枠か。



府中本町はやたらに遠い。スポーツ紙の朝刊に踊る『三冠ジョッキーが導く』といううたい文句がやけに白々しい。しかし、それが望みなのが物悲しい。新聞は早々に読み終えてしまった。まだまだまだ東川口。文庫本を取り出して、トンネルをくぐる。快晴の府中競馬場は三冠の残照を楽しもうと沢山の人で埋め尽くされていた。そんな中で天皇賞・秋を観ようと意気込んでいた私はむしろ少数派だったのかもしれない。


パドックへと歩く道のりは昼食をとっている人で混雑している。ゼンノロブロイやスイープトウショウという名はあまり聞かれずディープインパクトという馬名が多い。こんなところじゃ、予想もおちおちできやしないね。外の梅屋で蕎麦でも食べようじゃないか。蕎麦にタマゴを落として、七味をいつもより多くふりかける。ちくしょう、随分と辛すぎた。まあ、仕方がないね。それよりもこの蕎麦、うどんが一本混じってるじゃねえか。こりゃ、う(ど)んがついた。さっきのカラスは賢いカラスよ。2枠がさっきから一向に馬券に絡まないのは知ったこっちゃない。


6も7も8Rも馬券は外れた。浦和までは新聞読んどくんだったな。パドックの最前列に腰を下ろし、天皇賞の馬柱だけは隅から隅まで眺めておいた。天覧天皇賞。女性天皇。男勝りの牝馬が3頭出ている。お母さんは男勝りだったが、娘は男の前じゃかしこんじゃう。そんなアドマイヤグルーヴが4頭目で、それが私の応援馬だったりするのが痛いところだが、わざわざ外すことはない。4頭をしっかりとマークし、馬券を買う。勿論お遊びの馬券だ。

お遊びは終了。真剣に女性天皇について語ろうか。女性馬主が2人。大迫久美子さんと近藤英子さん。3-13。天覧だぜ。ユタカが勝たないとドラマにならないと昭和史が語っている。これが本線。勿論、そのユタカから牝馬4頭へ均等に流す。

今日のパドックは暑い。日差しも強い。だが、天皇賞のパドックがはじまった途端、雲行きが怪しくなる。カラスの大群が飛んでるんじゃないかなんて、くだらないジョークはいらないから、とっとと明るいうちにレースをやってくれ。


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雲が府中の空に意地悪く停滞したまま、ゲート入りがはじまった。リンカーンはゲート内で暴れている。万事休す。痛恨の出負け。そのあと超スローペースとなったのは勿論単なる私への当て付けである。そう解釈して憤懣やるかたなし。ああ、あそこじゃ届かないね。天皇賞にはとことん縁がない。

根性の男ゼンノロブロイが馬群をこじ開けると、昨年のVTRを観るかのようでレースへの興味が薄れていったが、その内から鮮烈。白く鮮やかな帽子が雲の合間を太陽がかき分けて出るかのような赤い勝負服とともに飛んできた。ヘブンリーロマンス!

松永幹夫の礼儀正しさがやけに格好良い。山本調教師と松永幹夫のストーリー。ロマンス。天の潮目に飛び込んできたのは、純情の師弟愛。やけに格好がいいなあ。リンカーンは負けたけど、いいものがみれた。サンデーサイレンスとサドラーズウェルズ。三冠よりももっと驚きの配合の勝利。まさかGI馬が誕生するとは、さすがのサンデーサイレンスと今日は言うことにしよう。


帰りの電車。お酒が効いた。行きに読み残した文庫本でも読みながら帰れば、本は「潮騒」。ロマンスだね。うまくできてるじゃねえか。

Happy days

2005-07-21 20:45:00 | 競馬
グローリアスデイズが登録抹消、引退することになった。

競走成績は栄光の日々と呼ぶには少し足りなかったが、存在感は示した。ハナ差重賞を逃すあたり、そこに“こだわらない”あたりにその母グレースアドマイヤを見て微笑ましかったが、最後のほうは競走意欲が失われていたように感じた。

母グレースアドマイヤに惚れ、その仔リンカーンの活躍に驚喜し、そしてグローリアスデイズがオークスに出走する。サンデーサイレンスに感謝しつつ、この幸せに浸る。

グレースアドマイヤがオークスの権利を獲りながら骨折。そして、数年後グローリアスデイズがオークスの権利をまさに獲らんと欲して激走するのを目撃しながら、極めてシンプルだがダイナミックなそのドラマに心を打たれたものだった。

権利を獲るも結果はハナ差2着。

勝負は勝たないとダメだ。少なくとも勝ちに向かって全力でないと面白くもなんともない。勝つことに全てを捧げてもいい、という刹那的でひどく現実的じゃない精神性が私に訴えかける。気高い、と。何としてでも勝とう。だが、そう馬も思い、走っているのが分かった途端、勝負がどうでもよくなる。そこに至るまでは浅ましいまでに勝負にこだわっているのに。

グローリアスデイズが激走する直線を目の当たりに、脳内にいろいろな充足物質が出てきているのを感じた。私自身も最後に勝負に“こだわらない”あたりにこの血統への縁を感じてしまうのだった。夏を越し、秋を向かえローズSで再び激走。またしても2着だったが、その走りにも納得がいった。普段はちっとも思わないのにそういうときは、「競馬って勝てばいいってもんじゃないだろ」などと呟きたくなるのだ。そして、それは競馬をやっている幸せないくつかの瞬間の中でもとびきり大切な瞬間で、それを2回も与えてくれたグローリアスデイズには感謝である。引退にも未練はない。現役のときは、どうにかしてインチキ重賞でも1つ勝たせてやろうと息巻いていたし、また仔が出来たら、勿論、なんとしてでも勝たせようと呪いをかけたり、祈ったりするだろうが(笑)

勝負に身を捧ぐのと無事に完走を望むのとのジレンマに悩まされることなく、引退して繁殖にあがれば、心の底から長生きして沢山子供を産んでほしいと素直に思える。

おつかれさま

画像はリュバン☆さんからお借りしました。