会派視察3日目には、相模原市に「区民会議」の視察に行きました。相模原市はこの4月に政令市移行をしたばかりです。私は、他都市の政令市移行をみるときに、岡山市の政令市移行は拙速、準備の時間をもう一年はとるべきだと思っていましたので、ほぼ同じ時期スタートの相模原市にはかねがね訪問をしたいと思っていました。写真は、市役所内の正面に掲示された政令指定都市に移行するにあたってのインフォメーションです。
相模原市では、都市内分権のあり方を、2002年度から検討をしてきました。途中、市民との恊働研究も行われ、プロジェクトチームが2007年度に答申を出しています。その上に今回の政令市移行にあたって、新たなまちづくりの仕組みが作られています。
地域課題の解決に地域で取り組む仕組みとして、3区役所を単位とする「区民会議」と、これまでの単位であった22地区への「まちづくり会議」が設置されます。「まちづくり会議」は5月中に、「区民会議」は7月下旬に設置予定と言われていました。「まちづくり会議」からは「区民会議」への委員の推薦が行われます。
相模原市の「区民会議」の特徴として、①付属機関として位置づけられている点、②諮問・答申だけでなく、建議を想定している点があげられるとのことです。区民会議での「建議」というのは、私自身ははじめて聞きましたが、市町村合併の過程でも、地域協議会から建議が行われていた経緯を引き継いでいるということです。
他市では、市議会と区民会議の意見の食い違いが出てきているところもあるそうです。相模原市は、市民参加の仕組みとして「区民会議」を考えており、積み上げ式の最後を市議会が担うというスタンスです。これから注視していきたいと思います。
このように、都市内分権を考えるにあたって、時間をかけて市民との恊働研究が行われている姿勢は望ましいなぁと思いました。
相模原市の市民恊働事業として、「特定非営利活動法人・市民セクターゆめの芽」と市が協働で市民ファンド「ゆめの芽」を運営(市民・企業からの寄付金と同額を市も支出し、その基金から市民活動団体の公益的活動に対し助成する)、「パートナーシップ市民フォーラムさがみはら」と相模原市長が協定を結び、市民が主体となって協働事業の仕組みの提案やパートナーシップの基本を定める条例案の提案を行う取り組みなどがあり、このように市民主体の実践的な「恊働」が仕組みづくりのベースにあるのだと感じました。
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