なんとベビーベッドが車両のなかにありました。もう少し大きくなったら子ども用の小さな座席があり、もちろん高齢者用の座席もあります。
これは、岡山電機軌道の子会社となった和歌山電鐵の車両で、2006年から運行しています。貴志川線(14.3キロ、14駅)の廃止を検討していた南海電鉄から岡山電機軌道が営業譲受、コンサルタント。猫の「たま駅長」でブレイクしていると聞いていました。残念ながら、「たま駅長」に会うことができませんでしたが、「社会実験」だと言われ、地方公共交通再生にむけて成果をあげている取り組みを、しっかり聞かせていただきました。
私が乗った車両はおもちゃが車両のなかに並ぶ「おもちゃ電車」。羽場議員との写真のバックは「たま電車」。他に、地元の名産がイチゴだということで、「いちご電車」。これらは人を寄せるためというのではなく、地域の皆さんが誇りに思えるものを目にみえる形でとの想いだそうです。
元々は、6000人以上の会員を有する市民団体「貴志川線の未来を“つくる”会」の皆さんの存続への熱意でスタートしました。地元の方も入った運営委員会を会社組織のなかに位置づけ、地元の意見を反映。住民の皆さんは駅清掃や年間50回の各種イベントをボランティアで支えています。清掃などに会社が声をかけると、100人をこえる住民の方がすぐ集まるそうです。
行政とも連携。鉄道用地は市が買い取って無償で貸し付け、用地買収他の大規模改修費を県が負担。市と町が10年間8.2億円上限の運営補助を合意しています。開業前には192万人まで落ち込んだ輸送人員は217万人まで戻っており、目標は250万人。
地方公共交通を民間まかせは先進国で日本だけ。車を運転できない子どもと高齢者はどうするの?公設民営をと、何度もお話のなかででてきました。岡山電機軌道は私たちのまち・岡山市にあります。これからもっと身近にお話を聞いていきたいと思いました。
実は、今日から市民ネットの会派視察。本日もう一カ所は、この春オープンした「堺市立サッカー・ナショナルトレーニングセンター」(総事業費:約57億円)です。14面のサッカー場と8面のフットサル場を有する広大な敷地は、車が迷い子になってしまうほど。写真は、メインフィールドで、サッカーをはじめスポーツ振興施策に熱心な長井議員と。
指定管理社制度で運営されています。こうした大きな事業がどのような波及効果を生むのか。2006年に政令市になった人口83万8000人の堺市。今後、注視をしていきたいと思います。