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大晦日に大瀧と大島で終えた日本のポップミュージック

2014-01-01 11:59:52 | 音楽
大晦日になって2013年で一番のニュースが飛び込んでまいりました。
大瀧詠一の訃報です。

いやあ、ショック。。

高校・大学時代に A LONG VACATION、EACH TIME といった氏のソロ作品や、
ナイアガラ・トライアングルの洗礼をもろに浴びた世代としては大ショックです。

はっきり言って、ジョン・レノンやマーヴィン・ゲイ、ジョージ・ハリスンの訃報のときと
同じくらいのショックです。


まぁ、自分たちの上もしくは下の、特に今の若い人たちにとっては
「誰?」な存在なのでしょうが、自分に言わせれば日本のポップミュージック界で
最重要人物であったと思いますし、A LONG VACATIONを超える作品は
いまだ日本に登場してないのではないかと思います。

洗練されたメロディ、フィル・スペクターのようなアレンジ、
豊富なアイディアとユーモア、まさに音の魔法のようでした。


はっぴいえんどやナイアガラ・トライアングルをはじめとして、
日本の他のミュージシャンに与えた影響も多大なものがあるワケですので、
本来なら紅白クチパクがっ・・・じゃない、歌合戦で特集されていいレベルと思うのですが、
ま、そこはスルーされてしまいましたね。

例えば急きょ予定を変更して森進一が「冬のリヴィエラ」を歌ったり、
松田聖子が「風立ちぬ」を歌ったりすれば神対応と称賛されていたと思うのですが、
惜しいことをしたものです。


NHKもちょっとは気を遣えばいいのにと思いましたが、
そこは純粋な音楽プログラムではなく、ただの年末特番でしかありませんのでね。

それに一人が追悼の意味でなんかやらかすと、大瀧氏にかすってる他の出場者も
同様にしないと釣り合いませんからね、面倒くさくてやってらんなかったのでしょう。

それに、大瀧氏を追悼するなら藤圭子はどうすんだとか、
ややこしくなっちまいますからね。


さて、その紅白クチパクがっ・・・じゃない、紅白歌合戦は、
別に自分は見たいワケではありませんが大晦日のお約束ということで、
家族みんなで見ていたのですが。

ここで事件というか、アレでしたね。
AKB48の大島優子がAKB卒業宣言なんてことをしでかしました。

エンタメニュースによると発言の瞬間「会場はどよめいた」とのことなんですが、
我が家の反応のように、「どうでもいい」「わざわざここで言うなボケ」、
みたいなどよめきだったってことですかね。どうなんでしょうか。


本人は「この場を借りて」とか言いましたが、借り過ぎでしょ。
だってAKB単独のライブならメンバーが何を勝手に言おうと構いませんが、
ほかに数十組の歌手が出演している場ですよ。
出演者にも視聴者にも非常に失礼で、借りる場としては違い過ぎでしょう。

こんなことは秋元康と紅白側が了解していなければできないことの筈。

案の定、大島本人によれば秋元にもNHKにも事前に伝え、
認めてもらっていたとのことですね。

NHKの広報は知らなかったと答えているようですが、
広報は知らなくても紅白のプロデューサーは認めていたのかもしれませんね。

で、まだ秋元からのコメントは見られませんが、どうなんでしょうか。


卒業宣言といったって、自分ところのタレントの広報宣伝みたいなもんですからね、
それを「お客様の」たるNHKの放送を利用したってのはいかがなものなのでしょう。

それを言っちゃエグザイルだって北島三郎だって卒業パフォーマンスだろと、
いうこともあるかもしれませんが、発表の場として利用するのはねえ。

まぁ海外ではジャスティン・ビーバー君がラジオ番組で引退宣言したりしてまして、
だったらAKBがやったっていいじゃん、ってことなのかもしれませんがねえ。

とにかく、大島の意思がどうあれ、秋元は紅白を利用したのですね。
いい演出になると思ったのでしょうか、「お客様の」NHKもそれに手を貸したと。

まったく視聴者もバカにされたものです。


自分的には日本のポップ・ミュージックってのは、大瀧詠一あたりの時代がピークで、
それ以降にはほとんど興味を持てないのですが、紅白なんかを見てますと、
もはや聴く音楽というより、振付を真似たりカラオケを歌ったりするための消耗材、
そんな商品なのだなという気が強くするのですね。

そしてメディアという舞台は拡販のため、売る側のエゴで道具とされてしまう。
もちろんそれはいつの時代だってそういう側面はあるものの、
今回はいいように利用され過ぎであって、メディアも誇りを持ってないなと。


大瀧詠一の訃報にショックを受け、大島優子の卒業宣言でずっこけた大晦日、
別に紅白に1年の音楽シーンを総括してほしい、すべきなんて期待は持ってはいませんが、
2013年はある意味、自分はもう日本のポップ・ミュージックとは無縁でいいのだと、
そういう確信を持たされた年ということなのかもしれません。

今の若い世代には大瀧詠一こそ「どうでもいい」存在なのかもしれませんし、
そうした若い人から見れば自分が好きだった音楽こそオワコンなのかもしれませんね。


それにしても、大瀧氏の訃報については、リンゴを喉に詰まらせて倒れた、
みたいな先走った報道もあったのですが、餅とか喉に詰まらせて倒れて欲しいのは
もっと他にいるものなのですけども。