The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

この花はダリヤ?

2006-06-23 23:28:05 | ライフ
すがすがしい木曜日です!
久しぶりに、終日休みをとりました。

朝からアッシー君となり、何度かS百合の坂を上り下りしまして、
更には、溜め込んでいた書き物に目を通し、
そして、ユーロカーブとフォルスターの中味を並べ替え(確認その1)
なんて事していましたら、御昼近くになりました。

こりゃいかん!

足早に、HK駐車場からニート・レコードへ・・・
プログレ関係を物色していましたら

いや~~!懐かしい!!
ロバート・ワイヤットの『ロック・ボトム』がありました。
しかも、廉価盤で・・・

ロバート・ワイヤットは、かつての伝説的ジャズ・ロックの草分け「ソフト・マシーン」のメンバー(パーカッションとヴォーカル)であります。
その後、71年にヴァージン・レコードからソロ第1弾を出しますが、
運悪く、交通事故で下半身不髄の身となります。
この『ロック・ボトム』は74年の復帰作にあたります。

シンセサイザーとメロトロン!囁きかけるような摩訶不思議なヴォーカル!!
これは間違いなくワイヤットの最高傑作でしょう。
(普通の神経の人には理解しかねると思いますが・・・)

なんやかんやで、それとバド・パウウェルの『ザ・シーン・チェンジス』を買い込み帰路へ・・・猫の額系の庭先では、春先にRR工房で買った『ダリヤ??』がそよ風で揺れていました。

夜は、今回で2回目の『R-デル・ワイン・セミナー』を聴講し、
いつもながらの、テースティング・グラスでのカタログ的ワイン会はいかがなものか?
と反省し・・・

ワインは5~8人の気の合うワイン組を作るべし!
そして大ぶりのワイングラスでゆっくりと・・・
当方のワイン会の方向性も、小人数もしくはマグナムの会となることを、再確認した次第でありました。(いつもそう考えるのですが、なかなか・・・)

帰りはチャーリーズ・バーで02’ラスコンブをズバッと当て、
気持ち良く帰りました。


第56回Zooのハイライト

2006-06-22 06:07:13 | ワイン
ボーヌ特集の2回目の今回は、ポマールが御題でした。
その中で、ジブリオットのオスピス・ド・ボーヌがブショネっぽかったのには残念!
でも、イトウゾ神父はさすがのプロフェッショナルですね~

さっと、それを引っ込め、後半三本で目隠しで出すという、離れ業をやってのけました!

それにしても、何処かに『ブショネ大王』が潜んでおったのでしょう・・・
まあ、その事は後で確認することにして、
とにかく、Wine Heatにはタマラナイ、刺激的でイイ企画でありました!!

濃厚で、黒々系の03’ピノが3本出ます!
その中には、ベルナール・デュガ・ピイのポマール・レヴリエール、ドメーヌ・ルロワのポマール・レ・ヴィーニョ、オレゴンはベルグストロームのマーカスヴィンヤードが含まれているわけ・・・

その順番を当てろと言う事なんですわ~~

まずは、隠し様もないセクシーな豊満なボディーと、総体的に高アルコールの甘々系が目立ちすぎ・・・やはりオレゴンのベルグストロームは一段上を行くゴージャス!!

さすがに、最初で分かりました!

問題はデュガ・ピイとドム・ルロワ・・・
初めに出てきた、ローストの効いた、より張りのある代物!
それを、デュガーピイと思っちゃった!

だって、ルロワって今やビオの権化みたいな物でしょ!
2番目のふっくらとした、柔らかい、酸味の美しいタッチが、どうしてもビオに思えたんですね・・・

かみさんや針金職人氏の歓喜の渦をよそに、首を傾げるわたくしでありました・・・

残念・・・

ラ・フィオリータ

2006-06-21 20:36:06 | ワイン
『オテル・ド・ヤマダ』のブルネロ特集でも話題になった、当代きってのスーパー・エノロゴ! ロベルト・チプレッソの『ラ・フィオリータ』を、ブラインドで出しました。

チプレッソはサン・ミケーレの醸造学校で学んだ後、何と『カーゼ・バッセ』のジャン・フランコ・ソルデーラの元でブルネロ造りを経験したとの事・・・

更にチャッチ・ピッコロミーニ・ダラゴーナでエノロゴに転身したのはあまりにも有名!
チプレッソの加入でチャッチ・ピッコロミーニは88’90’95’でトリ・ヴィッキエーリを獲得するという大躍進!!
そして89’には『ラ・フィオリータ』を興し、97’『ガンベロ・ロッソ』のワイン・オブ・ザ・イヤーにまでなると言う訳であります!!

このブルネロは、古典的なスロヴェニアン・オークでの熟成なんですが、むしろ味わいはモダンなニュアンスの、極めてバランスを重視した造り・・・

その名のごとく、バラの花束の香気をふんだんに持ち合わせ、レッド・フルーツのシリアスなアローマで頭はくらっくら・・・
スタイリッシュでソフィストケートされたフルーツですが、きゅっと閉まった濃厚なエキストラクトが、このワインの果てしない将来性を暗示するかのようであります!!

いずれにしても見事なブルネロ!!
98’でこれですから、97’などはどないなっているのでしょう?

初参加のSさんは、現地で相当ブルネロ飲んだみたいですが、『ラ・フィオリータ』はチョット意外なブルネロだった様です。

2つのサン・ジュリアン

2006-06-20 00:15:16 | ワイン
ラス・カズとポワフェレ!サンジュリアンの2つのレオヴィルの90’物と85’物を肉料理に合わせて出しました。

肉料理はケイパーと新玉葱のビーフ・ロール・・・赤ワインのソースの様です!

説明するまでもなく、90’のラス・カズの評価は相当な物・・・
でも、かなりのバサロ状態?だったのでしょう!
重く、鈍くまるでステゴザウルスのようなラス・カズ!!

甘いガトー風味の熟したカラントに、リコリス、鉄分を連想させるミネラル感!
更に、ここにきて気になるハービーな香気が漂い、
いつもの品格はどこへやら?
それでも、ヴィノム・ボルドーのなかで、ゆっくりですが解けだします!
幾分スタイリッシュな酸味バランスも見え隠れし、サンジュリアンの王たる風格も確認できました。

このロットはメルシャン経由!実はラック経由もあるので・・・
どうだったのでしょう?

一方85’ポワフェレは見事な練れ具合でした。
甘やかな、熟したレッドフルーツのジャミーなトップノーズ!
そこに、西洋スギ、ミント、グローヴなどのアクセントが続きます。
微かなハバナシガーの風味とスーボアが心地よし!!
味わいもメドックの骨格を残しつつ、甘くリキュールのような集中も見せながら、
ミディアムながらも、本格的な塾メドックを堪能できました。

中盤のサンジュリアン2種、皆さんはいかがでしたでしょう?

新旧トラペ

2006-06-19 21:29:23 | ワイン
土曜日の会に、新旧のトラペを出しました。
もちろん、フュッセとシャブリの後のブルゴーニュのピノ・ノワールの代表として・・・

まずは78’のジュブレイ・プティ・シャペル!
これは、本家ドメーヌ・ルイ・トラペの物!!

78’にして既にアンバーなエッジです。
ドライなプラムやアジアンな香料、シナモンやクローヴなど・・・
妖しげで、セクシー!アニマルチックな麝香の香気!!
ジュブレイらしい土の風味を帯びた、ミディアムなフルーツは熟成の高原部をひた走り!
今から下り坂に差し掛かるところ・・・
でも今ならOK!楽しめます!!

1990年にドメーヌ・ルイ・トラペはジャン&ジャン・ルイとロシニョール・トラペに袂を分かちます。
ジャン&ジャン・ルイはなんとビオの道へ!
完全ビオのシャンベルタン第1号がこの98’物なんです!
(ところが、どうしたことか全然ビオっぽくないんですなー、これが・・・)

美しいクリムゾンの色合いです。
軽めのロースト香、心地の良い滋養を感じさせるトップ・・・
桑の実、熟したプラム、などのレッドフルーツのアローマを感じ、
シャンベルタンのテロワールを証明するフルーツの骨組に雄雄しさを感じます!

確かに強く、収斂されています!
しかし、料理とひとたび合わせると見事なマリアージュを見せてくれました。
翌日は、もっと優しくメタモルフォーゼ!!

あるインポーターがそっと耳打ちしてくれたのは2年前・・・
『ジュブレイ・シャンベルタンはルソーでも両デュガでもないですよ!
絶対、ジャン&ジャン・ルイ・トラペですョ!!』

今それを思い出しながら、飲んでいます・・・