The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

1977 シャトー・ミュザール レバノン

2012-03-21 06:02:32 | ワイン
エティケットがカビで汚れて、まるでゾンビのようになっているこのワイン!

これは戦火をのがれて、この様そうになったのではなく、
随分長い間、当方のワインセラーの奥底に眠っていたからなんですね!

レバノンの雄『シャトー・ミュザール』を会の最後に登場させるのには、
相当な勇気が要りました。

それこそ、清水の舞台から飛び降りるつもりで・・・と言っても過言ではありません!

それが出来た理由はただ一つ!
『1977年』という足かけ35年の熟成期間を経過していたからなんですね・・・

『シャトー・ミュザール』は完全なる熟成によって初めて真価を発揮する!
この一点に懸けたわけです!!
(実際の話、楽屋裏ではダメな場合の替え玉も用意しておりました)

さてこの77年ものの『シャトー・ミュザール』!
35年の歳月を経て、完全昇華し、甘露と化し、まさしくメタモルフォーゼ♪



もちろん、ブラインドで登場させたのですが、半数以上が熟成ボルドー、
残りは新大陸系のボルドー品種と言い、大概の人は『レバノン』なんて、あるわきゃないでしょ!
という素振りだったんですね・・・

無理もありません!

ごく僅かの、本当にビミョウな、漢方系の本格ボルドーにはあまり見られない芳香が、
あるにはあったのですが、これを嗅ぎ分けるほど、素面でもないわけで・・・

加えて、色合いから追ってみれば、相当な熟成期間とも見て取れますので、
どこかポムロールの端っこあたりにあるかもよ!てな類推も妥当な線でもあるわけで・・・

その様な結果も当然起こるわけです!

このワインは細かい表現は割愛させて頂きますが、バランスよく熟成の高原部を走り、
正しく『今飲んでください』状態!

もちろん『日高牛のグリル、黒ニンニクを添えて』と絶妙なマリアージュを見せてくれました!