The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

2006 マジ・シャンベルタン ベルナール・デュガーピィ

2010-08-08 21:15:29 | ワイン
最近になって、かの『ジャッキー・リゴー』のワイン本が出まして、


ブルゴーニュの名だたるヴィニュロンが、彼のインタヴューに答えています!


そこでの話題の中心は、もちろん『テロワール』でして、


ここに来て、目の離せない造り手の一人、『ベルナール・デュガーピィ』のくだりを


真っ先に読んで見たわけです!


その中の言葉は、今時の造り手においては、当然と言えば、正しく当然なのですが、


栽培から育成、摘み取りから醸造、そして熟成まで、


まるで囲碁の定石を、一つ一つ打ち込むがごとくに、自然に任せて、手を加えず・・・


しかもソレを、家族ぐるみで行ってきたとの事・・・


その結果、出来上がったワインは、初めどこか取っ付き難く、内省的・・・


ある面、知的でクールな印象が否めません!


しかし、ひとたび熟成の高原部に達した時には、


そのワインの奥底から立ち上がる、数多くの複雑な要素と、それに派生するニュアンス、


そして醸し出される品格と、フィネスと言われる物は、それこそ尋常ではなく、


その辺が功を奏して、今や熟成したワインヒートの面々の心を動かしたというわけです!


ワタクシは、平成21年1月25日の『オテル・・・』にて、


1996年物のマジ・シャンベルタン デュガ・ピィを、


そして今回、2006年物のマジ・シャンベルタン デュガ・ピィを、


ご相伴に預かりました!


ベルナール・デュガの手にかかりますと、マジのテロワの投影は、


まるで半で押したかのようなんですね・・・


マジのティピシテでもある、いわゆる果実のソヴァージュ(野趣)感は、


2006年の段階では、あたかも主を失った庭園の木々のように、荒々しく蔓延り、


もちろんヴィンテージ特性は違うわけですが、10年間の熟成で、


1996年のように、『海の凪ぎ』を思わせる、静謐のフィネスを獲得するわけです!


ここでは、細かい個別のコメントは割愛させていただきますが、


デュガ・ピィを、そこまで待てるかが勝負・・・


もう一度言わせて貰えば、この造り手の魅力を知ったとき、


免許皆伝と言ったら言い過ぎでしょうか・・・

ラ・ミッションにダンディズムを見た!

2010-08-08 07:37:51 | ワイン
真夏の饗宴に登場した、1978年物のペサック・レオニャンの雄


『ラ・ミッション・オー・ブリオン』は、正しくドンピシャの状態でした!


その香りは、いわばハードボイルドの極致♪


もう一つ賛辞を送らせてもらえば、それはワインに於いての『ダンディズム』


と言っても過言ではありません!


70年代のボルドーは、苦難の時代・・・


しかしながら、その時代においても、常に安定したワインを世に送り出し続けた、


稀有なシャトーがありました!


そのシャトーこそが『シャトー・ラ・ミッション・オー・ブリオン』なんですね・・・


大ぶりのボルドーグラスに注がれた、そのワイン!


中心までも色を通さない、暗いガーネットの色合いです!


グラスに顔を近づけますと、そこに広がるブーケの万華鏡・・・


湿った土、トリュフ、リコリスそして挑発的な麝香(じゃこう)のアクセント♪


加えて、熟成したペサックレオニャンの証とも言える、ハバナシガーとアイラのモルト、


更には、果実の風味は、ジャミーなブラックカラントが香ります!


味わいは妖しく解けて、正しく甘露の如し・・・


全てを知り尽くす『ダンディズム』にも似て、


溶けて、枯れて、昇華して、結実した、このワインの姿・・・


一口飲むほどに、ほほ笑みを隠せないのは、


恐らく、ワタクシだけではないでしょう!