普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

自縄自縛の菅さん?

2011-07-26 16:20:22 | 菅内閣
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トルコへの原発輸出、日本の優先交渉打ち切りも
 日本が受注を目指しているトルコの原子力発電所建設計画について、日本の優先交渉権が7月末にも打ち切られることが25日、明らかになった。
 トルコ政府が日本政府に対し、7月末までに交渉継続の意思を明確にしない限り日本との優先交渉を打ち切り、他国との交渉を開始すると伝えてきた。日本の原発輸出を巡っては、菅首相が見直しを表明したことで政府の方針が不透明化しており、トルコとの優先交渉は白紙に戻る可能性が高まっている。
 トルコは昨年12月に韓国との交渉を打ち切り、日本政府に優先交渉権を与えていた。トルコは日本と同じ地震国で、日本の耐震技術を評価したところが大きい。日本政府に対しては、原子力関連の技術移転や人材育成、法整備の手助けなどを期待している。

原発関連に関する菅さんの動きと発言
・6月18日、海江田さんは原発を持つ11社に再稼働を要請する直前、首相の口から電力の安定供給に関するメッセージを発するよう求めたが、首相は「自分は言いたくない。言うべきではない」と答えた。
・6月19日、インターネット中継で菅さんは「安全性が確認されたら順次再稼働していくと海江田氏が言ったが、私もまったく同じだ」と語っていた。
・6月29日、海江田さんが佐賀県知事を訪問再開を要請、古川知事から菅さんの来県を条件に再開の内諾を得た。
・それに対して首相周辺からの声
 将来的な「脱原発」の姿勢をにじませる首相が、再稼働について関係する地方自治体を訪問すれば、「首相が原発を認めているのか、否定しているのか、国民に分かりにくく、得策ではない。(首相の得策より日本のそれを優先すべき)
6月下旬、海江田さんはトルコ大使と会見、トルコは今回の事故を教訓にしてより良く強い原発の提供を日本に期待していると言った。
・7月2日、海江田記者団に今夜菅さんに佐賀県知事の要請について菅さんと会う予定の発言(詰まりその日に菅さんの佐賀県訪問を要請)
・7月6日、予算委員会で菅さんのいきなりのストレステスト実施の発言
・7月8日、政府の事故調査委員会の「事故原因等調査チーム」は事故後の対応に主眼を置き、原発のベント(排気)作業などの対処や意思決定の実態解明に乗り出す。 次回会合は9月27日。 (何故、事故が起きたらお終いの原発の事故原因調査を後回しするの?)
・7月13日、菅さん、記者会見で「脱原発依存」の社会実現を目指す発言
・7月21日、参議院で自民党から(菅さんが言う)危ない原発を何故外交に輸出しようとするのかの質問に、「もう一度きちんとした議論がさなれなければならない」と発言
・7月25日、トルコから日本の原発輸出、優先交渉打ち切りもの打ち切りかの報道

菅さんの発言とアイディアのもたらしたもの
・7月6日にストレステストを発表したが、今でもその具体案の素案さえ発表なし
・それに加えて、またはなくても地方の首長の政府への不信感から、現在停止中の原発の運転再開の見込み、少なくとも秋以前の見込みは殆どなし。
 それまでの必要電力量など不明のまま、産業の空洞化→雇用の低下の影響など未だに正確に判っていないまま推移。
・事故調査委員会の事故原因の調査は、事故が起こって半年以上も経つのに、9月27日の会合で次の方向にどう動くか決まるだけ、そしてそれから改めで本格的な事故原因の調査が始まっても遅すぎる。
 それまで無事停止した女川や福島第二のよい点、事故を発生した福島第一の問題点の貴重なノウハウも他の原発に活かされないまま放置。
 これまでの活きている原発でも、早急に手を打たなければならない緊急な対策もあるかも知れぬのに、各原発の安全強化は、非常用緊急電源と冷却の強化だけ
・そして原発事故を起こした後も日本の技術を信頼していた今回のトルコの優先交渉打ち切りの動きと、その背後に見えるトルコ政府の日本の政治不信
・そして次のような、日本企業が狙うトルコ以外の原発の輸出への影響
 ベトナム:受注事実上決定、ヨルダン:発注先検討中、リトアニア:優先交渉権獲得
 枝野さんや、海江田さんも菅さんのしりぬぐいで大変ですが、菅さんの発言、思いつきの対策も、これだけもたついてはどうにもならないと思うのですが、菅さんはどう考えているのでしょうか。
普通企業の事故対策
 この種の設備の運転、保全・設計・生産管理の経験者なら今回の事故対策について、次のようなことを誰でも考えると思うのですが。
・まず第一に、福島第一の事故発生の原因を調査、耐震、対津波の大きな問題だけでなく、配管設計、工事、配電、計装、などの細かなことまで調べる。
・運転、保全、設計、幹部の相互のコミュニケーションの問題の調査
・そのノウハウを各原発に伝える
・各原発の現場と設計の責任者、メーカーの専門家(所謂原子力村とそれを外された双方の学者を除く)を集めて新しい基準を作る
・それを現在の原発の強化と、メーカーの技術の向上と、海外への展開
を考えるのですが。
 現実は思いつきの菅さんの言動が自縄自縛となって、自分の作った蟻地獄にずるずると落ち込んでいるように見えて仕方が無いのですが。
 菅さんが自分の責任でどうなろうと良いのですが、日本を蟻地獄に引き込まないで下さい。
 
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