普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

民主党政権の政治主導

2010-11-15 14:27:09 | 菅内閣

枝野幸男さんへ
  今朝の読売新聞のWeb版のトップに「政治主導なんてうかつなこと言った…」枝野氏 
の記事が出ていました。
 
民主党の枝野幸男幹事長代理は14日、さいたま市内で講演し、菅内閣の支持率急落に対し、「おわび申し上げたい。政権が国民の意識、感覚とずれていると思われる部分が多々ある。かなり深刻な状況だ」と述べ、危機感をあらわにした。
 その上で、枝野氏は民主党政権の掲げた「政治主導」が機能していないとの批判に関連し、「与党がこんなに忙しいと思わなかった。政治主導なんてうかつなことを言ったから大変なことになった。何より欲しいのは、ゆっくり考える時間と、ゆっくり相談する時間だ」と釈明した。

[私の意見]
  私は麻生政権の時の出先官庁の統合に就いての省庁からのゼロ回答、公務員制度改革に対する人事院総裁の反対に対する麻生さんの弱腰姿勢を見て、もし民主党が政権が就いたときに、自民党は上記の弱腰姿勢が大きな敗因の一つだと気付くだろうと書きました。
  事実民主党政権が成立したとき、国民は政権の「政治主導の行政改革」へ喝采を送りました。
  そして世論調査でも見るように、民主党政権は他の公約の変更をしても良いとまで言っていました。
   私の持論ですが経済政策の大半を中小企業で占め、肝心のその発注元の大企業に対する政策が殆どゼロ、評判の悪いばら蒔き政策など、民主党の公約は野党としては通じるが政権与党としては欠陥だらけの公約と思います。
   国民は、政治主導を推進するためには、その他の公約を変えも良いとまで言っていたのです。
  民主党政権への支持率低下は鳩山さんや小沢さんの「政治と金」の問題処理の不手際もありますが、私の考えではそのやり方にあると思います。
・余りにもその公約の実施を急ぎ過ぎたこと。
  政治家の枝野さんに言うには釈迦に説法ですが、外交・安全保障を含む政治は継続性が無ければ大混乱を起こします。
  民主党政権がスタートして直ぐやるべきだったことは、一般の企業改革を託されて来た新しい経営者がやるように、先ず自民党政権の政策やり方の良い所、悪い所を政権与党の立場からもう一度じっくり見直すこと、そして部下となる官僚からその実情をじっくり聞くことです。
  しかし民主党政権のやったことは、十数年かけて自民党政権が取り組んで来た、普天間基地問題政策の方向変換でした。
  そして一部のマスコミや識者はこの動きに対して、政権が代わったのだから方針が代わるのは当然だと支持し、民主党政権はこれを国民の声だと聞いたのかも知れません。
  そして結果としては自民党政権の政策の継続、普天間基地の固定化、日米関係の歪みと、それを突いたと言われる中国とロシヤ動きです。
   その他の例では天下りにあまりにこだわるために省内組織が台形になる、それ防ぐために民主党だけに通じる「出向」という名の天下りそれに対する野党の批判です。
  まさに枝野さんが「ゆっくり考える時間と、ゆっくり相談する時間だ」と言われたように、政策の性急な実行でなくて、時間をかけての自民党政権の政策の見直し、官僚たちとの意思疎通の強化だったのです。
  普天間問題で言えば、日米合意の基地移転を前提にして、沖縄の負担軽減の道を実施し、その上でじっくりと民主党の考える新しい安全保障体制を米国と協議すべきだったのです。
  全般的に言えば、改めて考えたこと、相談した結果を参照して、民主党の公約を現実的な観点からもう一度見直すべきだったのです。
  そのための公約の実施の遅れに就いては、例えば一年間後の実施を宣言し、その間は自民党政権の政策の悪い所を見直し、その間逐次民主党の見直した政策を実施すべきだったと思います。
・内閣・政務三役の一人相撲
  これは麻生さんの言葉ですが、上に立つ人の一番に心得て置かねばならぬことと思います。
  何故なら内閣や政務三役と官僚を比較すると「質×(特に)量」では圧倒的に官僚の方が優勢です。
  しかも相対的に短期間で入れ代わる内閣や政務三役と比べると数十年の同じか似た場所にいる官僚の方が遥かに実務の経験とノウハウを持っています。
  普通の人達だったらこれを有効に使わぬ手はないと思うのが普通です。
  政治家が官僚より有利なのは国民から選ばれたことだけです。
  然し内閣と政務三役がやったことは、実務の経験も無いくせに何もかも独りで決め独りでやろうとしたことです。
  中には俺は国民の代表だからと官僚を頭から押さえ付けた人もいるようです。
  これで絶対的多数を持つ官僚がやる気を出すでしょうか。
  中には政務三役のやることを見てみようと、彼らの言うままに動いている人もいるかも知れません。
 一般企業では経営者は如何に授業員にやる気を出させ、そして彼らからの前向きの意見を引き出そうとしています。

  世論調査では、国民は民主党内閣を少し見放し掛かっているようですが、今でも民主党を支持している人のかなりが政治主導の行政改革に淡い期待を持っているような気がします。
  枝野さんのお考えは大変率直で的を射ていると思います。 (但し今頃子ども手当てに所得制限をするなどポピュリズムだと言われたそうですが、一般国民から見れば制限無しのばら蒔きのほうがより人気取りしか思えませんが。)
  読売の記事のタイトルは政治主導なんてうかつなこと言った、 とありますが、私の意見は政治主導は良いが、「うかつにも」何も考えずに余りにも早く、そして自分たちの思い込みだけで、取りかかり過ぎたと思うのですが。
  私の持続性のある政権交代を希望する立場から言えば、どうか貴重なご意見をもっと深めて行政改革に如何に対処するかを政権と党全体に押し広めて貰いたいものです。
   何故ならこのままずるずると下野することになれば、自民党も敗戦の教訓を活かして体制の建て直しが進んでいる今、民主党政権へ復活の道は遠のくばかりだと思うからです。

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