普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

財源のない鳩山政権の成長戦略

2010-01-05 06:55:52 | 鳩山内閣

[財源のない?成長戦略]
 鳩山政権は環境や医療、観光などを中心に需要を生み出し、2020年までの10年間で日本経済を再生させるための新たな成長戦略の基本方針を閣議決定した。そうです。
 その概要は
 成長戦略の基本方針で示した2020年までの目標として
 GDP…成長率は名目3%超、実質2%超。20年度の名目は650兆円程度
 失業率…中期的に3%台
 環境・エネルギー…新規市場50兆円超、雇用140万人、世界の温室効果ガス削減量13億トン
 健康(医療・介護)…新規市場45兆円、雇用280万人
 観光…訪日外国人2500万人、雇用56万人
 地域活性化…食料自給率50%、農産物輸出1兆円
 アジア…ヒト・モノ・カネの流れを2倍に
 科学・技術…官民の研究開発投資をGDP比4%以上
 雇用・人材…フリーター半減、待機児童問題を解消
 (以上読売新聞
より)
 その内容を見ますといかにも格好が良く勇ましたものですが、これに関するテレビ上の与野党の議論を見ていますと、どう見ても出席した民主党の人達の分が良くないようです。
 その最大の理由は予算の裏付けが(民主党のマニフェストに対する財源問題批判と同様に)全くと言って良い程ないからです。
 何しろ昨日も鳩山さんが言っていた子ども手当て、高校無料化、農家の戸別所得保障など民主党の新政策のために、鳩山政権は苦しい財政の中から新規の財源の確保に苦心しているのを皆知っています。
 そのような状況で、新規の成長戦略のためにまた新たな財源を確保出来るか否かは容易に想像できることです。 (菅さんは「今まで民主党政権には成長戦略がないと言われていたが、満を持して成長戦略を発表する」と言っていました。詰まり子ども手当て以下の民主党の目玉政策は経済再生にあまり役立たないことを認めているのです。)
 何しろ、子ども手当て一つを取っても、今年度の半額支給の月額1万3千円でも約2兆3千億円の財源を確保のために地方のからの財源を当てにしなければならないのです。
 来年度は子ども手当てだけで満額の約4兆6千億円の金が必要となります。
 言い換えれば、限られた財源の中で、子ども手当てなどで国民に良い顔をして見せて、それに加えて成長戦略でまた金を使うなど、国債を更に発行する以外に打つ手はなく、そうしなければ成長戦略は単なる目標になってしまいます。 (私は極端に言えば、政府ハアドバルーンを上げたり、規制緩和するなど金は使わずに過ごし、後は経済の自律的回復を待つ以外にないような気がしますが)
 普通の家庭で考えれば、経済効果の少ない子ども手当てなど見送って、より効果的な今回のような成長戦略に投資すべきだと思うのですが。
 おまけに昨日も書きましたが、非正規社員の製造業派遣禁止、最低賃金の引上げ、多くの公共事業の中止など、鳩山政権は経済の活性化や成長を阻害しかねないことを公約で国民と約束したからと言って実施しなければならないからです。

[自民党の責任]
 これに対し、自民党の谷垣総裁は4日の伊勢神宮参拝後の記者会見で「政治とカネについて内閣の総辞職、あるいは(衆院)解散により国民に信を問うところまで求めていかねばならない」と述べ、通常国会では鳩山由紀夫首相や小沢一郎民主党幹事長の政治資金問題を追及していく姿勢を示した。また、夏の参院選は「大事な政治決戦になる」とする一方、勝敗ラインについては「一つひとつ全力を挙げて勝利する」と答え、明言は避けた。 朝日新聞
より)そうです。
 私は自民党は鳩山さんや小沢さんの政治資金問題の追及も大切でしょうが、自民党としてまた政治家として大切なのは鳩山政権が日本の行く道を誤らせないように、その政策の問題点の追及の方がさらに大事だと思います。
 何故なら
・鳩山政権はその目玉政策の子ども手当て以下の公約の経済効果が疑わしいこと、成長戦略達成に要する財源がはっきりしないこと、普天間基地問題で安全保障の基軸となる日米同盟が揺らぎかけていることなど、政権の抱えている問題があり過ぎること、
・鳩山さんを仮に退陣に追い込んでも民主党のイメージ低下に繋がるかもしれないが、小沢さんの動きから見ると、次期参院選の民主党優位は揺るがないように見えること(衆議院解散はないと思いますし、仮にそれに追い込んでも自民党の勝ち目はないような気がします。)
・政権奪回の第一歩である参院選勝利の為には、先ず自民党の支持率を少なくとも民主党と同じかそれ以上に上げること、しかし鳩山さんが辞職しても自民党の支持率は相対的に少ししか上がらないと思われること、
などの外野から見れば誰でも考えつく理由があるからです。
 幸い石破さんが来月中に自民党として、成長戦略の対案を発表することを明らかにした。対案には、目標とする実質成長率の算出根拠とともに、財政の中期見通しも明示するとした読売新聞
より)と発表したそうです。

 自民党の考えねばならぬのは
・先ず政治が日本の行く道を誤らせないこと
・次に自民党の復権と政権奪回

だと思います。
 自民党は鳩山さんの資金問題は追及しても良いですが、堂々と鳩山政権と政策論争をして、もと政権党としての実力を国民に知らせて貰いたいものです。

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。

政治ブログランキングへ

政治ブログへ