普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

軽過ぎませんか今の日本?

2009-06-22 15:16:36 | 政策、社会情勢

 昨日、久しぶりの「たかじんのそこまで言って委員会」を見て、気になった発言についての感想を纏めました。

・公務員制度改革について(軽く考えてないか民主党?)
三宅久之さん:民主党がこれを売り物にしているが、安倍さんが就任早々に官僚問題を取り上げたのに反発した官僚が、年金問題で自爆テロを仕掛けて、結局選挙で大敗した。
須田慎一郎さん:公務員制度改革の先頭に立った渡辺喜美さんの所に税務調査が入ったことを関係者から聞いた。
 民主党は公務員制度の改革として、省内に100人の国会議員を投入し、局長以上に民主党の政策に従うと言う誓約書を書かせるとしています。 
 これだけ見ると、官僚は国民の代表である政府の意見に従うのは当然だと考えているようです。
 そう思っているのか、党内に(ほぼ間違いなく)抵抗してくるかも知れない官僚に如何に接し、如何に対応するのかと言う具体的な検討が余りされていないようです。
 民主党はその一枚看板である公務員制度改革に就いて余りにも軽く考えているような気がしてならないのですが。
参照:民主党の公務員制度改革について 

・自民・民主両党へのアドバイスは(軽すぎるテレビと一部の国民)
三宅さん:風を読め
金 美齢さん:自民党へテレビ会社を買収しろ
  番組でも出ていましたが、最近の選挙は、特にしっかりした考えの無いふわふわした無党派層の 動向で大きく結果が左右するとして、パネルの人たちが森田健作さんの名を上げていました。 (私は森田さんの公平な評価は彼の実績をみてからだと思いますが。)
 金さんは前の話題の時安倍さんの大敗の原因は、「官僚の反抗だけでなく、選挙中にテレビが反阿倍のキャンペーンをしたからだ」と言って居ました。
 私は金さんの言う様に、安倍さん大敗の原因は年金問題だけでなく、問題閣僚の不正(これも官僚の情報流し?)の処理を誤った安倍さんの盲点をついて、選挙の真っ最中に、「絆創膏報道」を執拗に繰り返し「政治と金」の問題を匂わせたのが、安倍さんに対してボディーブローとなったと思います。
 テレビにそうさせたのは、小泉さんの郵政選挙のときに、彼の郵政改革反対者の追放と刺客派遣の奇策に乗せられた、テレビが選挙の真っ最中に、小泉さんや刺客の報道を繰り返し、結果として小泉さんを大勝させたテレビの力に気付いたからだと思います。
 一部の政治に無関心な国民がいざ選挙権を行使するときに頼りになるのがテレビです。
 そのテレビが意識的に、または無意識に偏った放送した結果が、小泉大勝、安倍大敗という大きなブレを生じさせたのです。
 視聴率確保のためのニュース報道のワイドショー化と、「強者は悪、弱者は善」と単純な尺度(今まで教育の責任は政府→教育委員会→校長→教師と批判の的が次第に下がり、家庭にも責任があると言いだしたのはごく最近です)での政治批判が如何に日本の政治を軽くさせているか、次の日本の政治のリーダー不足に貢献しているかは多くの人達の言うことです。

・今の日本にリーダーは居るか(如何にも軽かった小泉さん)
三宅さん:小泉さんはインチキだ。
  私はそこまでは思いませんが、小泉さんの問題点は
a.余りにも単純に米国一本槍を貫き、年次改革要望書を忠実に実行したこと
b.郵政改革反対者の追放と、刺客派遣でマスコミを唸らせ、選挙中に小泉さん一辺倒の放送をさせ、小泉さん大勝と言う自民党に貢献したが、彼の言うように自民党を壊さない迄も、今回の自民党の瓦解寸前の惨状を招いた
 c.今回の金融・経済危機で、大量の非正規社員の発生、医療・介護・育児などのセーフティーネットの崩壊や、地方の疲弊など彼の改革の負の部分の対処を怠った
ことで国民に大きな犠牲を与え、自民党を窮地に追い込んだことだと思います。
 この他にも、「リーダーは居るか」の設問に対して、宮崎哲弥さんが橋下さんを挙げた以外は誰も居ませんでしたが、今のリーダー不在の中で唯一の人は剛直な平沼赳夫さんと思うのですが、小泉さんは自民党にとってかけがえのない人まで追放してしまいました。
 然し次期の衆院選でもし民主党が勝ち、もし自民党が出来なかった公務員制度改革を少しでも進め、そしてもしネット上で心配させているような後々まで禍根を残すような政策を実行しなければ、それは小泉さんの功績になるかも知れませんが?

・東大の学生の特徴(戦後、半世紀も米国流の考え方を教えてきた教育界)
 最後に建築家の安藤忠雄さんが登場して、高校卒で始めて東大の教授になった経験を話していました。
 安藤さんは東大の学生の特徴として、自分は正しいと思い込む、他人の意見に耳を傾けようとしない、人の事には無関心、直ぐ言い訳をして責任を回避しようとするなどの特徴を上げて、彼らが日本のトップにいる間は、日本の将来はないと言っていました。
 これを見ると一般の若い人達とは、程度の差はあっても東大生とほぼ共通した特徴を持っているようです。
 だからそれは東大の教育の責任ではなく、高校でもなく、小中学校での教育に責任があります。
 つまり戦後以来、日本古来からの良い所を無視し(悪い所を捨てるのは当然ですが)、米国が持ち込んだ考え方をそっくりその儘持ち込み、今まで単純素朴に遵守してきた教育界に責任があると思います。
 安藤さんが一例としてあげか責任回避の考え方について言えば、日本流に考えれば、他人の権利は尊ぶもの、義務・責任は自分で負うと言う考えに重点を置くべきなのに、自分の権利は主張するもの、責任は他人に追求するものと教えられて来た様です。
 だから他人から責任を追求されれば、それをまた他人や他の事情に被せようとするのです。
 戦後直後までは殆ど無かった家庭内殺傷時件や企業の不祥事の続発、モンスターペアレンツの発生などなどを考えると、米国流の考え方に良い所もあるが問題もあると判りながら、半世紀に渡り変えようとしなかった政治家や教育関係者の責任は大きいと思います
。(*追記)

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追記:午後のNHKでフィリピンの児童たちが福岡県の春日市に日本人の父親探しに来ていると言う報道がありました。
 その数人は親に逢えたそうですが、多くの父親は自分の子供と逢うのを拒否したそうです。
 家庭内の事情もあったと思いますが、私ども戦前派は我が子に対する責任は勿論、我が子にさえ面会を拒否して日本のイメージを低下させてならないと言う責任感から、子供を受け入れる否かは別としても、何とかして逢うのが普通と思うのですが。
 日本に対する責任感などやはり古いのでしょうか?