普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

安倍さんと舛添さんへ(安倍改造内閣)

2007-08-28 10:22:45 | 安倍内閣

 安倍改造内閣が27日夜、発足した。

 この内閣については、同日のテレビで色々な賛成意見と批判の声が上がっている。
私も私なりの感想を纏めてみた。
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  良い人事
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官房長官:与謝野馨
外務大臣:町村信孝・元外相
防衛大臣:高村正彦・元外相

 3氏に共通しているのは、豊富な経歴をもっているのは勿論だが、何より堅実でかつ揺るぎない考え方を持っている信頼に値する人達だと言うことだ。

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  首を捻る人事
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文部科学大臣:伊吹文明・留任
財務大臣:額賀福志郎・元防衛庁長官、経済企画庁長官、経済財政政策担当大臣

 伊吹さんは安倍さんが設立した教育再生会議の提案に対して、文科相の立場から種々の注文を付けた。
 批評家のの中には、彼が文科官僚の代弁をして教育改革にブレーキを掛けたと言う人もいる。
 安倍さんが、今回の人事の特徴である、派閥の代表として彼を切れなかったのかも知れないが、教育改革が安倍さんの中心政策であるのに、そのブレーキ役を留任させたのだろう。

 額賀さんは先ず第一に、歴代内閣の最大の課題である財政赤字の処理、年金問題の資金でせ当然に出てくると思われる消費税の値上げという政権交代の繋がりかねない、重要なポストに財政に殆ど関係のない人がでて処理出来るのだろうか。

 私はマスコミが騒ぐ程政治と金の問題には余り感心がないが、伊吹さんは松岡さなどた一緒に問題にされていた、衆議院議員総選挙における伊吹の選挙運動費用収支報告書に、実際の収支と異なる記述をしていた経歴がある。(選挙運動費用収支報告書への故意の虚偽記載は公職選挙法違反に該当する。)
 また額賀さんは、KSDが進めていた「ものつくり大学」問題に関連して、KSDから1,500万円の資金提供を受け(疑惑発覚後に全額返却)、立件はされなかったものの、経済財政担当相を辞任した経歴がある。

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  今後の本人の活躍で評価が別れそうな人事 
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総務大臣:増田寛也・前岩手県知事
厚生労働大臣:舛添要一・自民党前参院政審会長

 増田さんは岩手県知事としての辣腕を買われて、安倍さんの地方重視の政策によって選ばれたそうだが、建設省勤務の経験はあってもいきなり大臣となってどれだけ力が発揮できるのだろうか。
 彼は総務大臣に加えて、内閣府特命担当大臣(地方分権改革担当)、郵政民営化担当、道州制担当、地方・都市格差是正担当の仕事までさせられるそうだが、彼の得意分野での活躍に期待されているのだろうか。

 舛添さんは、率直な発言をする一方、実務に当たっては、その職責に沿った発言や行動をする学者出身にしては珍しい実務型の政治家だ。
 然し彼は当面の年金問題に対処しなければならない。
 彼にとっては天から与えられた大きなチャンスだ。
 それと彼に対する期待はマスコミの間でも高いようだ。
 小泉さん時代の竹中さんのような大活躍を期待している。
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  提言
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[舛添さんへ]
・現場に出ること
  厚生労働省や、社会保険庁の末端の人達の働きぶりや彼らの意見を直接に訊くこと。
  (多分)今までどおりに一般国民の意見を吸い上げること。
・功を焦らないこと。
・足元を掬われないこと。
  相手は野党は勿論、マスコミ、党内、厚労省や社会保険庁の官僚など。
・自分一人で走らないこと。
・場合によっては(例えば年金に関する情報開示など)民主の長島さんと協力を惜しまないこと。
・世論、内閣のメンバー、(心ある)官僚などをを味方につけること。
[安倍さんへ]
・国民にもっと判りやすいポイントをついた内容、言葉で話すこと。
改造直後の挨拶についても、与野党、批評家、一般の人達を問わず、何を言っているのか判らないと言う人達ばかりだった。
 必要ならアドバイザー役を設けて、重要な発言についてはもう少し練る必要があると思う。

・今回入閣した大物の閣僚の意見をフランクに聞くこと。聴いた上で、リーダー・シップを発揮すること。
 安倍さんの今までのやり方からみると、自分の意見を固守する傾向があるようだ。
まして今度のように先輩閣僚の中では、一種の嫁姑に似た関係になり、自分の殻にとじこもりそうなことになりそうな気がしてならない。

・以後の安倍さんの政策の目玉となる問題を担当する増田さん、舛添さんを強力にバック・アッブすること。
 特に安倍さんを批判してきた舛添さんが困った時、それ見ろと言わんばかりの態度は絶対さけること。(まさかそんなことをする小さい人とは思わないが。)

・閣僚や党員の意見を積極的に聞くこと。
 報道によれば、舛添さんの批判的な意見が安倍さんに直接届かなかったようだし、今回参議院議員になった丸山和也さんの話によると、会見の申し込みに安倍さんがOKしたのに、秘書がスケジュールを理由に事実上阻まれたそうだ。
 今朝の読売の橋本さんは、安倍内閣の最大の欠点はその反射神経の鈍さにあったと言っていた。
   それは安倍さんの資質と言うより、安倍さんのところに重要な情報や党内外の批判などが届いていなかったのではないか。

 今回の自民党の敗戦の総括にもあったように、危機管理の不十分さを解決する為にも、一般党員の意見や、国民の意見が安倍さんに何らかの形で直接届くようなシステムの確立が必要と思う。

 例えば党員の意見に対しては、秘書の管理外の安倍さんが全く自由になる時間を取ってでも訊くようにした方が良いと思う。

 一般の意見については、自民党に来た投書やメールなど、隔日でも良いから、全て安倍さんに直接渡し、安倍さんがそのうちの5枚でも10枚でも良いから、抜き取りで読んだ後に担当者に返すだけでも、十分に効果があると思うのだが。

 安倍さんは裸の王様にならないように、世論や党員からの意見を吸い上げるアンテナを持つ必要があると思う。


参考:
   カテゴリー → 安倍内閣

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