普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

安倍さんがインドに行って何が悪い

2007-08-25 07:22:59 | 安倍内閣

 8月23日のテレビ朝日の報道ステーションで安倍さんのインド訪問につい、古館さんが例のいかにも深刻そうな口調で、安倍さんのやり方を批判していた。

 その中で気がついた彼のコメントを挙げる。
・今自民党の危機状態にある時に、3ケ国に出かけるのは、安倍さんの指導力回復のためのパーフォーマンスだ。自民党の内部からさえ冷やかな眼で見る人もいる。
 私も今は全てを投げうって組閣に全力を挙げるべきで、その前に党員からの意見を十分に訊いて、それを組閣に活かすべき大切な時期と思う。
 また安倍さん流のーフォーマンスもあったかも知れない。
 然し、3ケ国訪問は自民大敗の後急遽決定したのでなくて、長い事前準備や相手国との交渉によって決められた筈だ。
 また後で書く様に彼の訪問でかなりの外交日程をこなし、またそれなりの成果も上がったことも報道すべきだ。

・約250人による経済ミッションも首相に同行したが、その中にはではお付き合いて゛やむなく同行していた人もいたに違いない。
 いかにも悪意に満ちたコメント!
 経済ミッションを通じて、インドと通商拡大を図ることは日本の国益に合致している。

 元自民党幹事長の加藤紘一さんのコメントを流して、
・インドネシア、インド、マレーシアの3か国をの関係強化を図ったりオーストラリアを巻き込んで成長著しい中国の勢力拡大の影響を牽制しようとするのは、徒に中国の警戒心を増すばかりだ。
 安倍さんはインドの国会で、「日本とインドが結びつくことによって、拡大アジアは米国や豪州を巻き込み、太平洋全域にまで及ぶ広大なネットワークへと成長する」と訴えた。
 これは古館さんの言う様に、中国のアジアでの勢力を拡大の動きに対応するものかも知れない、もし公平な立場でコメントするなら、中国の勢力拡大の動きに厳しい批判をするべきだ。
 今の世界は対立と友好の複雑な関係にあることを忘れてはいけないと思う。

・第二次大戦後の極東国際軍事裁判のインド代表判事として戦犯の無罪を主張した、パル判事の長男、プロシャント・パルさんと面会して、パル判事への敬意を伝えたことや、戦前に日本政府も支援したインド独立運動の英雄、チャンドラ・ボースの記念館を訪れことを上げて、戦後レジームの脱却の名の元で、戦前の日本を取り戻そうという危うさ感じる。
 安倍さんは古館さんの言う様に、彼流のパーフォーマンスあったかも知れないが、当時戦犯だった祖父の岸信介元首相のお礼を込めての訪問だったと思うのが自然の考え方だ。

シン首相は、民生用原子力で米国から支援を受ける米印原子力協定について、日本の支持を求めたとき、安倍首相は、明確な態度表明を避けたことについて、
・安倍さんは「主張する外交」というが、唯一の被爆国といて、核兵器を持っているインドの首相に核兵器の放棄を主張すべきだ。
 どこの国の首領が友好の強化を目的として、相手国を訪問してその国の一番痛いことを言う人がいるだろうか。
 日本を小馬鹿にしている(と私は思う)、中国や韓国の上層幹部でも、日本ではせいぜい歴史認識を持っていて欲しいと言うくらいが関の山だ。

 総括的に言えば、今度の古館さんの批判も、考えてみると今回の大敗の一因となった安倍さんは政治手法の幼稚さをまたマスコミに突かれたものの一例だと思う。

 然し公平な放送をするなら、今回の訪問で得た次のような安倍さんの成果も認めてやるべきだと思う。
・財界人約250人による経済ミッションにより日本のセールス・マンの役割を演じた。
・エネルギー資源の安定供給に関する枠組み作りを明記した日インドネシアEPAに署名した。
・日本の12大学とインドの14大学の間で「日印学長懇談会」を開催した
・インド国会で日本の立場と日印関係強化の必要性を訴えた。
・インドから2012年までの温室効果ガス削減目標を定めた京都議定書以降の新たな枠組みに積極的に参加する約束を取り付けた。

 前々から思っているのだが、テレビ朝日のニュース報道の政府、政治家、企業、経営者、官僚、NHKなどの権力に対する批判はそれなりの価値があると思うが、批判ばかりでは国民にとって有害な一面もあることを知るべきだ。

 情報の殆どをテレビに頼っている人達、自己弁護や言い訳ばかりする人達など多くの人がいる。
 彼らに言わせれば、偉い人達や特権階級が自分の都合の良いことや、悪いことをしているのに、俺達がやって何が悪いのかと言ったり、年金の掛け金やNHKの受信料の不払いを自分なりな正当化してしまうことだ。

 マスコミ特にテレビは不合理なことの多い世の中でも、自分の仕事に頑張っている人、世に知られてないがボランティアで社会に奉仕している人達など明るいニュースももっと放送すべきだと思う。

NHKの例を挙げれば、教育テレビは当然としても、綜合テレビだけでも、
・百歳バンザイ! (長寿で元気で頑張っている人の紹介)
・ふだん着の温泉 (コミュニティー造り)
・鶴瓶の家族に乾杯  (地域の元気で明るい人達の紹介)
・知るを楽しむ選 人生の歩き方 (有名人の生涯と考え方)
・プロフェッショナル 仕事の流儀 (業界のトップを走る人の業績と考え方)
・熱中時間 (趣味に打ち込んでいる人の紹介)
・あしたをつかめ~平成若者仕事図鑑 (それぞれの職場で頑張っている若者達の紹介)
・一期一会 キミにききたい!(人生に悩んでいる若者と同年代の人達の交流)
など明るく聴取者自身を振り返らせる番組がある。

 他の民間のテレビでもテレビ東京を始めとして、幾つかの示唆的な番組を見かけるが、テレビ朝日に殆どないのは、親会社の朝日新聞の自社の主張に沿った報道のやり方に従ったのだろうか。

 今の様に、集中的に権力批判報道をするにしても、その同じ番組で頑張っている人達の紹介をすれば、批判の対象の問題点がより際立って見させる効果があると思うのだが。

 今回の参院戦の自民党大敗の結果もを見ても、参院選でマスコミが大きな役割を果たしたのは明らかだ。
 マスコミは彼らがいつも批判の対象としている権力機構にマスコミ自身も入っていることをいつも自覚して、より公正な報道をして貰いたいと思う。


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