うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

オーストラリア遠征

2015-04-21 00:55:10 | 競馬日記
池江泰寿厩舎のワールドエース、トゥザワールド、トーセンスターダム、堀宣行厩舎のリアルインパクトがオーストラリアに遠征していますね。このような楽しそうなことをするようになった経緯は知らないのですが、この季節にマイル、中距離路線でいいレースが日本にありませんから、面白そうなチャレンジだと思っています。出走順に振り返ります。

ランヴェットS(T2000m)に出走したトーセンスターダムは2着。きさらぎ賞(GIII)馬ですが、クラシックは大敗続き。12月にチャレンジC(GIII)を勝って低迷を脱出し、ここでも2着です。国内のGIで掲示板に載ったことすらないですから、大健闘と言っていいでしょう。
勝ったのはContributer。GI連勝、重賞3連勝です。父はHigh Chaparralは父Sadler's Wells×母父Darshaanのニックスなのですが、Contributorは母父はExit to Nowhereで、父Sadler's Wells系×母父Riverman系のニックスになっています。が、他にもいろいろ。
まず、Mill ReefとRivermanの相似でNever Bendをクロス(アガカーン殿下が以前、多用していたような)。Riverman系と言ってもExit to Nowhereですから、Natalma - Almahamoudがクロス、祖母内Northern DancerのおかげでNorthern Dancer - Natalma - Almahmoudと系列ぐるみ。Hail to Reasonまで系列ぐるみで、Sadler's Wellsが全開しています。他にはTantiemeのクロスとか。いい配合ですね。

ジョージライダーS(T1600m)にはリアルインパクトワールドエースが出走しました。そして、リアルインパクトが優勝。ワールドエースは11着。
3歳時に安田記念を勝ったリアルインパクトですが、その後、大きく低迷し、5歳の暮れの阪神Cで久しぶりの勝利。しかし、また低迷に陥ってしまったのですが、2年連続で阪神Cを勝利。そこからの遠征で久しぶりのGI制覇です。遠征に踏み切ったのが素晴らしいと思います。

ザBMW(T2400m)にはトゥザワールドが出走し、2着でした。有馬記念2着からの参戦で、他に皐月賞でも2着がありますから、3回目のGI2着です。
勝ったのはAuthorized産駒Hartnell。重賞3勝目、GI初勝利です。極当たり前のように見るようになったSadler's Wells系とDanzig系の組み合わせです。特徴的なのはBlushing Groomのクロスでしょうかね。Authorized産駒ではComplacentはRainbow Questクロスを持ちますね。HartnellにしてもComplacentにしても、Blushing Groomの生かし方は非常にいいです。母はPrince John - Princequilloが強烈なのですが、Princequilloですらクロスしない(Prince Roseはクロス)のは残念です。

リアルインパクトとワールドエースの目標はドンカスターマイル(T1600m)でした。で、リアルインパクトは2着、ワールドエースは8着。
勝ったのはTeofilo産駒Kermadec。重賞2勝で、GIは初勝利です。3歳馬で7歳馬のリアルインパクトとは5kgの斤量差がありました。
このKermadecの血統で注目すべきは何と言っても母父フジキセキです。母はオーストラリアにシャトルしていた時代の産駒です。日本産のシャトル種牡馬を母父に持つ馬が日本から遠征した馬を破るってのは、それこそシャトルした甲斐があったと言っていいわけで、理想的と言ってもいいかもしれません。母父フジキセキの海外産GI馬は3頭目で(他にYoseiYour Song)、サンデーサイレンス系最多です。
KermadecはSadler's Wellsの生かし方はいいですね。ただ、そんなにきめの細かい配合ではありません。Northern Dancer主導でSadler's Wellsを生かしたシンプルさが勝負の配合で、その意味ではいい配合です。

ロンジンクイーンエリザベスS(T2000m)にはトーセンスターダムとトゥザワールドが出走し、それぞれ5着と12着でした。
勝ったのはSebring産駒Criterion。重賞4勝目、GI3勝目です。Mr. Prospector主導ですが、カナダの名牝Fanfreluche系列ぐるみが面白いですね。父Sebringは短距離馬なのですが、Buckpasser、War Admiral、Princequillo、Discovery、Djebel、Ribot、Bull Lea、Alibhaiなどのクロスがあり、スタミナはそこそこありそうですね。Allegedの血は十分に生きています。

5つのGIにのべ8回出走し、1-3-0-4という結果でした。十分な成果があったと思います。リアルインパクトは日本でくすぶり気味だったところをオーストラリアで2戦して1着1回、2着1回という素晴らしい結果でした。オーストラリアで種牡馬入りしませんかね。フジキセキの活躍もありましたし、Hold Your Peaceの系統のMossmanが種牡馬としてGI馬を出す活躍を見せています。トキオリアリティーの血はオーストラリアにも合うような気がするのですが。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿