うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

世界陸上その4

2007-09-03 21:41:50 | 日記
男子棒高跳び澤野大地はけいれんを起こして予選敗退。この試合の為に長い期間をかけて入念に準備してきているはずなのに、今回もうまく行きませんでした。

女子棒高跳びはイシンバエワがさすがの跳躍を見せました。他の選手のレベルが高くてプラン通りではなかったようで1本落としましたが、すぐに合わせてきて格の違いを見せつけました。世界記録へのチャレンジも3本とも飛んでくれましたし、よく盛り上げてくれたと思います。

男子走り高跳びはバハマのトーマスがすごい才能を見せました。普通じゃない空中動作でした。

女子走り幅跳びはロシア勢が強く表彰台独占でした。池田久美子の日本記録を決勝の結果に当てはめると5位相当です。大舞台で自己ベストを飛んでメダル、ってのができれば格好いいですが、そんなことを期待しない方がいいでしょう。日本記録を7mオーバーまで延ばすことがまず必要です。

男子800mでは横田真人が予選落ちしたものの自己ベスト更新。ラスト200mで一旦最後方まで落ちたときにもう駄目なのかと思いましたが、アップになったらいい顔をしていました。自分の力とレースのペースが冷静に計算できていたのでしょう。世界レベルまではまだ遠いですが、まずは日本記録更新を目指して欲しいです。

男子50km競歩では山崎勇喜が誘導ミスにより途中棄権扱いになりました。自分でも周回は数えますが、大会役員に誘導されたら大会役員の方が正しいと思ってしまうでしょう。制止を振り切って周回側に行くのは無理です。

男子4x400mリレーは惜しくもぎりぎり予選落ち。400mの個人種目に出場した金丸祐三が走れたら決勝進出もあったかもしれません。

女子4x400mリレーは日本記録を更新しました。もともとの記録が遅いので、これからどんどん更新して世界のレベルに追いついて欲しいです。

女子4x100mリレーはバトンミス。3走が早く飛び出しすぎました。自信のなさかな。

男子4x100mリレーは今大会で一番盛り上がったんじゃないでしょうか。予選で日本記録を更新し、全体の3番目のタイムで通過しました。決勝では5着でしたが更に日本記録を更新しました。塚原直貴は見事なスタートダッシュでした。朝原を超えると公言していますので、今後も期待したいです。末續もコンディション不良の中、根性を見せました。高平慎士もまだ若い選手ですが、今回が世界陸上出場2回目です。個人種目(200m)でも一次予選を通過しましたし、これからも記録を縮めてくれるでしょう。朝原宣治は本当にこの大会が最後なんでしょうか。個人種目をやるモチベーションは薄れているかもしれませんが、リレーだけでも北京までなんとか走ってくれないかと思います。若い選手が伸びて末續が完調ならメダルに手が届くんじゃないかと思います。

女子のマラソンでは土佐が粘ってどうにか日本選手団の初メダルを確保してくれました。日本のメンバーは層が薄かったですが、ベテランの域に近づいた土佐礼子が自分の持ち味を出しました。キャサリン・ヌデレバが金メダル。十分なスピードを持ちながら真夏のサバイバルレースにも対応してきます。すばらしい選手で好きな選手です。以前は高橋尚子に比べてレースの運び方に甘いところがあると思っていましたが、円熟味を増してきたように感じます。35歳という年齢ですが、冷静で強いです。2着に中国の周。実力は土佐より上ですが、コンディションはあまり良くなかったようで土佐に詰め寄られました。団体ではケニアが金、中国が銀、日本が銅。やはり日本は層が薄かったです。北京では野口みずき、高橋尚子に期待するしかないのでしょうか。と言っても二人とも年を食ってきていますし(土佐も)。キャサリンのように走れるのでしょうか。渋井陽子あたりが本来の実力を発揮してくれるといいのですが。
福士がマラソンに転向するという話もあるようです。マラソンを走るなら大阪が有力です。どんな走りを見せてくれるのか楽しみです。

世界陸上その3

2007-09-03 21:13:27 | 日記
男子200mは3人が一次予選を通過する健闘でしたが、期待の末續慎吾を含む全員が二次予選で敗退しました。日本選手団のコンディショニングは全体的にまずかったです。
結局タイソン・ゲイが100mとの2冠を達成しました。両脚に痛いところを抱えていたようですが、それを感じさせませんでした。4x400mリレーを加えて今大会3冠です。

女子800mはあのムトラが最後の直線で故障しました。時代が終わったのかなと思います。ムトラのライバルで私のお気に入りの選手だったキロットもかなり前にトラックを去りましたし、寂しく感じます。

女子400mでは丹野麻美が一次予選を通過しました。日本の女子短距離陣は非常にレベルが低いので、この程度でも歴史的快挙と言っていいでしょう。

女子5000mでは福士加代子が計算通りの走りで予選を通過しました。ラストのスプリント勝負では絶対にかなわないですから、レースを引っ張って先頭集団の人数を減らして、要するにタイム勝負で5位以内に入るのがまず第一のプランだったでしょう。第二のプランとしては組のタイムを上げることによってプラスで拾われることだったでしょう。最後バテて5位以内には入れませんでしたが、きっちりプラスで拾われました。
決勝では先頭に立って引っ張る積極的なレースでしたが、後ろについている選手があまりにも楽でした。3000mまでは可愛がってやろう、って感じで、3000m直前から一気に行かれました。結果、予選通過順位と同じ14位でした。
トラック種目は本当に厳しいです。今思えば千葉真子はよく10000mで銅メダルを取れました。キャラがあんなのだから偉大さが伝わりませんが、10000mとマラソンで銅メダルを持っているというのは恐るべきことです。マラソンでメダルを取る人は日本ではたくさんいますが、オリンピック、世界陸上でのトラック種目のメダルは女子では人見絹枝さん(1928年アムステルダムオリンピック銀メダル)と千葉ちゃん(1997年世界陸上アテネ大会)の二人だけです。女子マラソンではオリンピック、世界陸上で金メダルを2個ずつ取っていますので、日本人女子にとってはマラソンで金メダルを取るよりトラック種目でメダルを取ることの方が難しいです。
(余談:千葉ちゃんの高校時代、後輩が千葉ちゃんのファンでスタンドからよく応援していました(ついでに私まで)。千葉は高校時代から速かったですが、ずば抜けた選手という印象はありませんでした。その後のあるとき、旭化成に千葉というすごい選手がいる、って話を聞き、誰のことだろうと思いました。)

男子5000mでは日本の二人は両方とも予選落ち。力不足です。
男子5000m決勝はペースが遅すぎました。1500mのチャンピオンが2冠を達成するのにもってこいの展開になりました。5000mが本職の選手にとっては不本意なレースだったでしょう。

女子200mは面白かったです。アリソン・フェリックスの一つ外に100mの王者ベロニカ・キャンベル、その一つ外にサンヤ・リチャーズ。ベロニカが前半から飛ばしてサンヤを飲み込み、飲み込まれたサンヤはバタバタになりました。アリソンは前半はベロニカに前に出られましたが、余裕を持って直線で抜きました。アリソンが力めばベロニカのものだったのですが、リラックスした走りを見せました。そしてジャヤシンゲがベテランらしく3着を確保。
レースは面白かったですが、アリソンとサンヤに焦点を絞ったテレビ放送で、アリソン、ベロニカの一騎打ちと見ていた私は納得が行きませんでした。アリソンは二つのリレーでも金を取って3冠でしたが、4x100mはあまりいい走りではありませんでした。サンヤはマイルリレーでも2006年年間最優秀選手賞に選ばれた実力を発揮したとは言い難かったです。ベロニカは4x100mでもすごかったです。アメリカチームから離された2番手でバトンを受けたものの、アメリカチームのアンカーで100m、200mともに4着のトーリ・エドワーズを一気に追いつめました。

男子400mはジェレミー・ウォリナーが43秒台前半に突入する好タイムで快勝しました。マイケル・ジョンソンの世界記録にまた一歩近付きました。