スーツの下にベストを纏っている。社会人になってしばらく、三つ揃えのスーツを愛用していた。久しぶりに着用しても違和感はない。グレー系だから、どのスーツにも合う。ワイシャツの上からベストを着用すれば、身が引き締まり心地よい緊張感に包まれる。タイピンはいらない。ポケットが増えるし、暖かい。
復帰第１日は暮れた。以前より体調はいいし頭の方もシャープになったような気がする。たまっていた仕事を難なくこなして定時より１時間早く海辺の学園を後にした。愛車プリウスで自宅近くのかかりつけ医の先生のもとに駆けつけて、血液検査の結果に耳を傾けた。数値、症状ともに良い方向に向かっている。あと一週間抗生物質を飲んで、その１週から１０日後に、再度血液検査と胸部レントゲンを撮る。経過観察というやつだ。結果がよければ晴れて治療から解放される。過労に気がつかなかったから体が悲鳴をあげた。「自適な自然体」にようやく気がついた。・・・ということで私の闘病記は今回でオシマイ。めでたしめでたし、パチパチ・・・。（ハア、よかった。）
かかりつけ医の先生の審判が下った。抗生物質の支援を受けた連合軍は対細菌戦で勝利し、免疫力と抗生物質が、憎き中枢菌軍を打ち負かしたという宣言が下った。今日を含めて２日静養すれば、明後日から２週間ぶりの職場復帰が可能になる。療養期間中の運動不足と頭脳の活動不足が著しい。心身ともにうずうずしている。
療養を初めて10日が過ぎた。抗生物質の投与が効いて病状は大いに改善し体調はいい。運動不足感は否めないが、ここが我慢のしどころと衝動は抑え込んでいる。今日の診察で、休み明けから職場復帰可、僅かな確率で療養の継続の審判が下るとみている。細菌との戦いに私の免疫力と抗生物質の連合軍が勝利したかどうかが判定の鍵を握る。審判はかかりつけ医の先生に委ねる。