旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

本田靖春著「我拗ね者として 生涯を閉じる」

2009年03月26日 23時05分02秒 | Weblog
福山に双葉図書のデカイ店ができた。さっそく出かけた。60万冊の陳列は西日本一とある。しかし、どうみても広島のメガの方がデカイ。看板に偽りがあるとしか思えない。福山の店が西日本一で、広島の「メガ」が日本一とでも言うのであろうか。(そ)んなことはどうでもよい。心地の良いスペースに秩序正しく並べられた本さえあればそれでいいのだ。新本は「メガ」で足りる。

2階の古本サイトに陣取って2時間ほど楽しいひと時を過ごした。以前から気にかかっていた本がある。本田靖春著「我拗ね者として 生涯を閉じる」である。福山くんだりで見つけることができた。古本だから半値からさらに10%引きである。いつか別の書店で立ち読みをした際に神をも恐れぬその徹底した反骨ぶりが小気味よかった。実際にかれは、正力オーナー至上の風土に嫌気がさして読売を辞めている。

かって社会部記者として売血問題に取り組んだ。取材のために繰り返した売血によって、不運にも肝炎にかかり不運な闘病生活をおくった。別に文章表現に長けているわけではない。明らかに語彙に乏しいといわざるを得ない。それでも鋭い舌鋒と現場主義に貫かれたノンフィクションは骨太である。

その一節『私は正真正銘の日本人で、祖国を愛することにかけては人後に落ちないつもりだが、どうしても好きになれない国民性が日本人にはある。それは、自分の考えをはっきり言わない点である。』