昭和ひとケタ樺太生まれ

70代の「じゃこしか(麝香鹿)爺さん」が日々の雑感や思い出話をマイペースで綴ります。

カリンジの実

2014-09-18 15:37:59 | じゃこしか爺さんの見て歩る記
           先日の昼間のこと、久しぶりの天気の良さに誘われて、ドライブ
      に出掛けました。
       買い物や病院通いの他に車に乗るのは、本当に久し振りの事
      でしたから、初めは色々と迷いましたが、なるべく車通りの少ない
      通りをと思って、郊外の湿原沿いの道路に向かいました。
       ここを走るのは約三年ぶりのことで、当然その頃はまだ健在
      だった亡妻も一緒でした。
       思っていたとおりで、車は少なく時折りすれ違うのは、大型の
      トラックばかりでしたから、スピードを落としてMDの懐メロを流し、
      昔一緒だった亡妻を想い出しながら、のんびりと走りました。


           ♬  まぼろしの影を慕いて雨に日に
   
            月にやるせぬ我が思い・・・


         ところが途中で激しい尿意を感じ、我慢が出来ずに見通しの良い
       処で車を停めて車から降りた時、何げなく眼をやった木立の中に
       赤い物を見付けたのです。
        その鈴なりの小さな赤い実は、子供の頃に故郷の樺太で食べた
       ことのあるカリンジ、又の名をスグリの実だったのです。

        そして今は帰る術の無い故郷を、そして腕白時代の級友たちを懐か
       しく想い出しながら走り続けました。