先日初めて気付いたのですが、家のサビタの白い花びらが、全体に薄いピンク色に変わっていたのでした。
初めは紅葉したのかと思いましたが、美しく桃色に染まっているのは花びらだけで、その葉は全て活き活きと緑のままですから、紅葉では無いと思ったのです。しかしその訳は分かりません。
昔上司の家から分けて貰ってからかれこれ40年ほどにもなりますが、毎日のように朝夕眺めて来た家のサビタがピンクに変わるなんてことには、これまで知らず、又全く気付きませんでした。
或いはこれまでにもそんな変化は有ったのかも知れませんが、今はともかく以前は、とかく家の庭には無頓着だったので、まったく気付かなかったのでしょう。
しかし亡妻は知っていて、私にも教えて呉れて居たのでしょうが、とかく家の事には無頓着な私の事、気にも留めて居なかったのでしょう。
その上妻の健在中は、とにかく花撮り歩きに精を出して、毎日のように出歩いていたので、まったく覚えて居ないのでしょう。
それが今では、亡妻と一緒に出歩いた河畔公園とか、住宅街の中の自転車道路や湿原道路などは、今は未だ一人では行けませんから、買物に出掛ける以外は殆ど家に閉じこもっているのです。
それは恥ずかしいことですが、一緒に歩いた亡妻が想い出され、辛くなってしまうからです。
今日もまた桃色に彩られたサビタを眺めながら、在りし日の亡妻を想い出しているのです。