裏日記「B面」

工房しはんが日々、ふと感じたり、しみじみとふけったり、ぴんとひらめいたり、つくづくと考えたりしてること。

あじさい

2007年07月02日 06時38分06秒 | Weblog
空気が湿気でねっとりと重いね。
潤いにかつえてたつい何週間か前が恋しいや。
「紫陽花」は、もちろんアジサイって読むんだけど、こういう日本語のセンスってなんだかいいね。
美しいね。
アジサイは「集真藍」から来たのである、ってお話もオレは大好きで、いったいいつ、誰がそう名付けたんだろ?なんて思ったりして。
食べられるわけでもなく、ヤリを削り出せるでもなく、縄をなえるわけでもなく、アジサイの利用価値なんてないに等しいんだけど、それでもその美しさを愛でるために、人はそれに名前をつけようとしたのである、なんて思いたかったりして。
まっしろヒゲの仙人みたいな老人が、小雨そぼ降る中、カタツムリの這うその美しい花をじっと見て、小ムツカシイ顔で考えつめてるわけですよ。
やがてそのくしゃくしゃにシワの寄った眉間を開いて、ぴーん、とか効果音が入ったりして、彼は「あじさいとしよう」などとつぶやくわけです。
「真の藍を集める、と書いて、あじさい、じゃ。なんと典雅な」などと。
で、カタツムリはその穏やかすぎる歩みをとめ、うん、いいね、とか言って、ツノをにょにょっと伸ばすわけです。
かくて、今までただ美しいってだけだったその花は、この季節の雨の中の信仰として人の目を惹きつけるようになったわけです。
なんて。

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園

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