裏日記「B面」

工房しはんが日々、ふと感じたり、しみじみとふけったり、ぴんとひらめいたり、つくづくと考えたりしてること。

深夜に見た光景

2008年11月28日 09時59分33秒 | Weblog
「こんな話ってありかよ?」という痛々しい実話をフリー区的に放映するのが、深夜のドキュメンタリー。
ありゃなんだろうね?なるべく人目につかないように、って配慮(というより政治力)が働いてるとしか思えません。
身体障害者とか知的障害者とか、ドラマでは好んで素材にするくせに、本物はこの時間帯に隔離かよ、と言いたいです。
ま実際、見なくていいものなら見たくないというのが視聴者の本音かもしれません。
だけどね、あの制作者サイドの着眼、手法、そして熱意たるや、すごいもんですよ。
こういう社会のマイナー要素から目をそらしてるから、現代人は心がくもってくんじゃないかな。
今まで観たドキュメンタリーの中でいちばん心に残ってるのがね、知的障害をかかえる女の子が新体操で世界大会に出るお話。
また内容ばらしちゃうね、知ってほしいから。
その子は内気で、物事の判断ができなくて、物覚えも悪いんだけど、熱血コーチのもとで猛特訓して、ついに新体操のパラリンピック(かな?)に出場することになるのです。
ヨーロッパのどこかの国で行われたその本番の会場でですよ、さて彼女が踊るわけです。
とてつもなく大きな室内競技場に、立錐の余地もない満場の観衆。
そのすり鉢の底に、訳もわからずひとりぽつんと立たされる幼い少女。
いよいよ音楽が鳴りだし、演技スタートです。
おいおい、どうなるんだよ、大丈夫かよ~・・・と、親心にも似た感情で見守ってしまいます。
ところが彼女は、今この場の状況が理解できず、床の中央でおびえてしまって、どうすることもできないわけ。
コーチが「さあ、はじめて、さあ」と声をかけても、立ちすくんで泣くばかり。
ぐあー、観てるのしんどいー、チャンネルかえたいー・・・と、思ったそのときですよ、彼女が踊りはじめたのは。
音楽はすっかり鳴り終わり、演技時間も終了してるはずのそのとき、やっと何事かを思い出したらしく、手足を動かしはじめたのです、わーい。
それはラジオ体操みたいなぎくしゃくした新体操なんだけど、彼女は一生懸命。
会場は水を打ったように静まり返り、大観衆は息を呑んでその演技を見つめるわけ。
何千という視線を一身に浴びつつ、かっこいいポーズをキメて、ついに演技終了。
その瞬間、地響きのような万雷の拍手がわき起こるのです。
オリンピックで世界最高記録が出たときにも、Wカップ決勝でミラクルシュートが決まったときにも聞けないような、すさまじい拍手。
その子もコーチに抱きしめられて涙をこぼすが、会場にいる誰も彼もが涙、涙、ただただ涙・・・
小さな生涯でいちばんの勇気を振り絞った彼女の姿に、動かされない者はいません。
んでですね、次のシーンですよ。
彼女は、なんと表彰台の上にいたのです!
銀メダルをもらったのですよ。
いやー、主催者側もえらい。
ありえます?こんなドラマ。
いやー、おもしろい!
みんなも観なよ、ドキュメンタリー。
真実の力ってのはすごいもんですよ。

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園

最新の画像もっと見る

コメントを投稿