4月3日(火)
朝、フミポンさんからtel。
取り次ぎのNが、「まだ寝てます」 と正直に言ったようで、ちょっと恥かしかった。
用件を話したあと、「きょうはすごい暴風雨ですよ」 「観測史上初めての○△(単語を覚えられなかった)らしいですよ」 と言われる。
寝起きのボケた頭にはいまいちピンと来ないが、とりあえずきょうの園田は不良確定のようだ。
10時過ぎに出発。
行きしから雨だが、それほどひどくは無い。
到着すると、お客さんもそこそこ入っているので安心した。
この日はお腹が空いていたので、いつもよりちょっと早めに園田屋さんへ行く。
山崎七段絶賛みそ汁付きのオデン定食を注文。
私は厚揚げ、大根、タマゴ。
Nはチクワ、ごぼ天、スジ。
何から何まで嗜好のちがう2人なのだ
昼過ぎからだんだん曇ってくる。
1時過ぎ頃から徐々に雨脚が強まり、飛行機の爆音が普段とはちがう方向から響いてくる。
そして、どんどんどんどん暗くなり
しまいにはコースに設置された照明に明かりが灯り、まるでナイターのようになった。
グチャングチャンの泥んこ馬場を猛スピードで駆け抜ける馬たち。
芝と違い、ダート(砂)は、降れば降るほど走りやすくなるのだ。
7Rになると風雨は相当なものになり、周囲にはモヤが立ち込め、ミルク色の世界に変わった。
もちろんスタンドに人影は無い。
ひどいモヤで確認できないが、ゲート付近では、騎手や馬たちがズブ濡れになりながら輪乗りを行なっているのだろう。
(こんなんで走れるのかなー) と心配していると、ゴール板横の旗がいきなりスルスルと下がり出した。
アレっと思ってよーく目を凝らすと、モヤの中に小さな人影がポツリと見えた。
荒れ狂う風雨の中、たったひとりで一生けん命に3本の旗を下ろしているのだが、その非日常的な光景に、なぜか笑いがこみ上げてくる。
自分でも不謹慎だなーと思うのだが、お葬式の場面でも時々同じようなことが起きる。
すごく困るのだけど、どうしようも無いのだ。
すぐ後ろのグループ連れの1人が、「もう待っとられへん」 「はよ帰ろうや」 と言いだすが
「こんな1番ひどい時に出たって歩かれへんで」
「もうちょっと待ってからでないとアカンわ」 と仲間から諭されている。
それでも、その人はどうしても帰りたかったようで、数分後にまた、「こんなん、いつまで待っとったって同じやで」
「ワシ、もう帰るわ」 と言い残して部屋を出て行ってしまった。
他の人たちは 「仕方ないなー」 という表情でそのまま残っていたが、5分も経たないうちに、その人が戻って来た。
やはりこの暴風雨の中では歩くことも出来なかったのだろう。
それから間もなく、突然、ゴール目がけて走ってくる馬たちの群れが見えた。
一瞬、(えっ? 競争が始まった?!) と思ったが、そうではなく、レース中止になって帰っていくところだった。
ほどなく黄色や黒のカッパを着た係の人たちが現れ、コースの中を歩いて馬場の状態を調べだす。
履いている長靴がズボッズボッとぬかるみにはまるのを見て、ああ、これはもう完ペキにムリだなーと確信した。
しばらくして、おごそかに開催中止のアナウンスが響く。
こんな時も、またなぜかヘラヘラと笑いが出てしまうのはなぜだろう。
そっと辺りを盗み見ると、同じように、照れくさそうにニヤニヤしている人が結構いた。
(ま、こんな天気に来るワシらもアホやな~) という心理だろうか?
ファンバスの長蛇の列を見ながらクルマへ乗り込む。
雨は幾分マシになるが、今度は風がすごくなってきた。
藻川を渡りきり、喫茶チェリー前の踏切へ差しかかる。
「早く帰らないとキンチャンが不安がってるやろうなー」 などとシャベりつつ遮断機の前で停車。
が、いくら待ってもクルマの列は動かない。
よほど混んでるのだろうと気を長くして待つが、ずいぶん経っても列は動く気配がない。
これはオカシイなーと思い、窓から首を出して前方の踏切を確認すると、遮断機の明かりが点滅して警報が鳴りっぱなしのようだ。
恐らく故障だろう。
遮断機バーも降りたままなので、バスも自転車もバイクも歩行者も、みんな立ち往生だ(歩行者は何人かバーを持ち上げて通っていったが)
全く進みそうにないので、私だけ車から降りて様子を見に行くと、すぐ左手の猪名寺駅に止まったままの電車が見えた。
すぐに車へ戻るが、このまま待つか、列を離れて違う道を行くかで迷う。
そうこうするうち、だんだんトイレに行きたくなって来た。
しばらく我慢するが、もしかするとヤバイ事態になるかもと思いNに打ち明ける。
「なんかトイレに行きたくなってきた」
「ええー、大丈夫?」
「うん・・・まだ、どうしてもってほどじゃないから大丈夫」
しかし、1度意識された尿意は、その後グングン高まってくる。
こんな状況のせいか、いつもより過敏になっているようだ。
ラジオをつけたり消したりして気をまぎらわすが全く効果無し。
10分、20分と経過するうち、だんだん危うい状況になってきた。
自分の膀胱を思い浮かべながら、(10の目盛りでいったら、今8,5くらいかなー) などと想像する。
いざとなれば非常用のグッズもあるが、出来れば使用せずにやり過ごしたい。
<愛に恋> と書かれたスーパーの看板をボーッと眺めながら
競馬場を出る前に飲み干したお茶をうらめしく思い出す。
そのうち、やっと警察の人が現れた。
40分は経っただろうか。
遮断機のバーを上げてくれるのかと期待したが、ニコニコしたまんまどこかへ行ってしまった。
この様子だと、被害はここだけでは無さそうだ。
「もうダメ」 「どっか喫茶店かコンビニへ行って!」 と懇願。
ということで、喫茶チェリー(閉まっている)でUターンして戦列を離れる。
その後、喫茶店求め藻川付近を走る。
ここらの土地勘は無いが、とにかく進んでいけば何かあるだろう
工場地帯を抜けると東リに突きあたり、そこからさらに狭い道を入る。
コンビニや喫茶店の気配は微塵も無くなってしまった。
軒の低い古い家並みがとてもいい感じだが、今はそれどころではない。
結局、もと来た道を戻り、猪名寺の新幹線の高架を越えた辺りでコンビニの看板を見つける。
ダッシュで入店。
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生まれ変わったような気分で再出発。
帰りは伊丹のイオンへ出て、そこから武庫川沿いを走る。
風は相変わらず強く、土手の緑が激しくざわめき、モネの 『日傘を差す女』 が思い出された。
やっと帰りつくと、もう5時過ぎだった。
トビオとクロと金太郎も無事でホッとする。
しばらくして山口3級からtel。
宮崎へ帰るはずだった飛行機が欠航になり、モノレールも止まっているとのこと。
Nが、蛍池まで歩いて行くよう指示していたが、結局迷ったりなんやりで
家へ着いたのは8時過ぎだった。
大変だったろうけど、こういう経験は後々きっとプラスになると思う。
風はいつの間にか治まっていたが、今度は関東・東北の方が大変そうだ。
本当に、前代未聞の春の大嵐だった。
ネット注文していた橋本クロス、二谷○○○の 『盾』 が届く。
山口3級泊まり
おわり