ルンルンピアノ

ピアノ教室の子どもたちとの楽しい毎日。。。。。。

8726    貴方を追っかけ名古屋まで(後編)

2013-11-17 20:19:37 | Weblog
※ 木村とサンデー。
  無事に回って来れますように。
  クリック♪

というワケで、私のバッグのポケットは珍しくかさばってきた(ちょっとオーバー)
特に、8レースのバンブーバッジョという馬、体型も毛艶も申し分なしの美しさだったので
この日の初騎乗、人気薄の岡部誠の馬にくっつけて買うと、これが結構ついて嬉しかった。
ちなみに、このレースにはつい先日まで園田で走っていたマルサンボサツも出ていて、これも一緒に買いたかったのだが
ちょっとパドックでのお行儀が悪くてパス(これは正解だった)

このレースのあと、そろそろメイン「東海菊花賞」の予想へ頭を切り替える。

第54回東海菊花賞(南関東・北陸・東海・近畿・四国・九州地区交流)

出走馬は

1番 ウォータープライド(名)児島真
2番 サイレントスタメン(川崎)吉原寛



そして



3番 ホクセツサンデー(兵庫)木村健



4番パラダイスラビーダは出走取消

5番トーホウカイザー(名)今井貴
6番リワードアンク(高)永森大
7番サイモンロード(名)丸野勝
8番サトノロマネ(高)岡村卓)

そしてもう一頭、園田からの参戦
9番エリモアラルマ(兵庫)下原理

続いて
10番メモリージルバ(名)大畑雅
11番ノゾミカイソク(名)安部幸

以上、10頭立てのレースとなった。

まず新聞の印しだが、1番人気は地元名古屋のサイモンロード
つい先日の姫山菊花賞では、サンデー2着(1着ダイナミックグロウ)の、9着という大差で敗れている。
新聞短評では、サイモンが「主役主張」、サンデーが「虎視眈々」となっており
コメント欄では田中範雄調教師がサンデーについて、「輸送がいい馬では無いが、パワーアップするためには他場での経験が1番と思って来た」 という風なことが書いてある。
うーん、やはりここは、あくまでも本番前のたたきレースということか。
しかし、馬場状態は不良。
極端な枠でもないし、サンデーにとって特に悪い条件ではない(ある一つのことを除いては・・)

それにしても、「輸送がいい馬では無い」ってのが気になる。
以前は佐賀まで遠征したサンデーだが、やっぱりへばり方がキツイのだろうか。
そもそも、馬って車酔い(バス酔い)とかするのかなあ。
だとしたら本当に気の毒。
私の夢は「ウマと一緒に馬運車に乗ること」なんだけど、目的のわからない馬にとっては、単に「キツイ」だけだろう。
でも、それを乗り越えない限りは、決して、「名馬」 という称号を手にすることは出来ない。
それに比べれば、遠征ったって、新幹線でラックラク~で行ける私など、どうってことないなあ。
ほんと、競走馬たちには毎度頭の下がる思いである。


と、そんなことを考えつつ、発券機そばのベンチに腰かけ新聞を見ていたワケだが
ひとつ、どーしても不可解な数字が目についてしょうがない。
各出走馬の成績欄に書かれている数字で、黒丸の中に13、17、18、19、21などと白抜き文字で書かれている。
どう考えても分からないので、すぐ隣りの、おとなしそうなオジイサンに聞いてみると

「あ~」
「こりゃわたしも分からんですなぁ」 

へえ、地元の人でも知らないんだと若干ガッカリしていると、オジイサンはスックと立って人混みの中へ。
(ま、いっか・・) と思いつつ引き続き新聞に目を通していると
先ほどのオジイサンが戻ってきて

「これは距離だそうですわ」

あっ! ナルホド。
17は千七、21なら二千百ということか。

「わざわざ聞いてきて下さったんですね、ありがとうございます」 とお礼を言ったあと

「これ、きょうのメインに出るホクセツサンデーっていう馬なんです」
「新馬の時からファンになってしまって、きょうも追っかけてきたんです」 と言いつつ
バッグからサンデーの写真を取り出して渡す。
サンデー新馬戦パドック時の1枚で、まだ若駒らしくビヨ~ンと手足が長い。

「ホォ~」
「これがきょうの菊花賞に出るんですか?」

「そうなんです」
「ホクセツサンデーって言って、3枠の馬です」

メインのページを広げるオジイサン。

「あったあった! ホ・ク・セ・ツ・サ・ン・デー」


「へえー! これを応援しに来たんですか?」


「ええ、園田から来ました。 追っかけですね」


言い終わった瞬間、次の9レースのファンファーレが鳴った。
さあ、これもしっかり見ておかねばと席を立ち、もう1度お礼を言って立ち去ろうとすると
「ああ、これこれ」 と言って、あわてて写真を返そうとするオジイサンに
「それ、お礼のプレゼントです!」 「ありがとうございましたー」 と言いながら走り去るルンルン。


ああ、なんてサワヤカな一瞬だろう(オジイサンはムリに写真もらわされてワケわからなっかたかも知れないが)


9レース、10レースは順当にハズレ。
まあ、これ以上当たり続ければ、サンデーの運が無くなる恐れもあるので丁度いい具合いだ(ちょっと負け惜しみ)

そして、やってきました。
メインのパドック(ラララ~
先ほどまでの雨もピタリと止み、祝福の日差しがファンに降りそそぐ。

間もなく、黒いシャドーロールをつけたサンデーが、h厩務員ともう1名との2人引きで現れる。
先程までとは違い、どの馬もいい体つきだ。
サンデーの馬体重もマイナス2キロでホッとする(ここの出走表は、馬番と馬体重と増減だけで馬名が出ない)
とてもシンプルなネットの柵沿いで、いつもよりさらに至近距離で見るサンデーは、もう本当に立派なものだ。
周りからは、「3番ええなあ」 「一番よく見えるのが3番やのぉ」 
あちこちから聞こえる声にうれしくなる。
デジカメで1、2枚撮ったあと、真っ直ぐにサンデーを見ていると、周回中のh厩務員と目が合った。
一瞬ビックリした顔で、軽く会釈してもらった(これだけでも大感激
サンデーは相変わらずポタポタとヨダレを垂らしているが、これは 「きょうもやるぜい!」 のヤル気アドレナリンだろうか。

それにしても、周回を重ねるごとに、辺りのサンデーに対する賞賛の声は高まるばかり。

「新聞は7が本命やけど、ワシ、3番から行くわ」
「ワシも3から買うわ」
「でもよう、大畑は賞金いい時は来るからなあ」
「ああ、そうやそうや。 あの男は賞金高いときは、いっつもガンバるんや」
「でも神戸の馬は強いからのう」
「あの、木村ケン(本当は健と書いてタケシと呼びます。通称キムタケ)てのも強い騎手やからなあ」
「やっぱり3番や、3番!」

とにかくパドックではモテモテのサンデーだった。
まあ、エリモアラルモも応援したいところだが、この不良馬場ではちょっと厳しそう。

止まれの合図と共に整列する騎手。
オレンジの勝負服がサンデーにまたがる。
エリモアラルマの下原JKは、ふだん見たことがないほど緊張した顔つきだ。

急いで走って返し馬を見たあとオッズを眺める。
さすがに新聞イチオシのサイモンロードが1番人気だが
そのあとにサンデーが単勝2倍から3倍台を行ったり来たり。
まあ、きょうの傾向を見ているとサイモンロードが硬いのだろうが
私はサンデーの応援に来たのだから、2倍つくんだったらやっぱり単勝だ。

それでも、1銭も返って来なかったらちょっと寂しいので
返し馬のとき、木村JKが笑顔で話しかけていた1枠の馬(ウォータープライド、園田でもけっこう走ってる)と
サイモンロードとの3頭ワイドボックスも買い足す。

発走地点は向こう正面左手奥。
距離は1900メートルだが、1870を勝っているサンデーに問題はない筈。
不良馬場は相変わらずだが、これも今までの戦績を考えれば大丈夫だろう。
ダートコースの右向こうに佇む小さな団地のあたりに、黄色っぽい光を散乱させながら落ちていく夕日がまぶしい。
いつの間にかスタンドの観客も増え、ゴール付近も賑わってきた。
手は氷のように冷えきったままだが、寒さはそれほど感じない。

高知のリワードアンクが馬装点検のため、発走時刻16時20分を少し遅れてのスタート。
大型ビジョンに目を釘付けにして見ていたが、スタート直後からサンデーが内へよれたりフラついたりで
思わず悲鳴が出てしまう。
(どーしたサンデー!?) (頼むぞ木村!!)

結局、5、6番手からの競馬となってしまい
一目散に逃げるサイモンロードとの差は、なかなか縮まらない。
それでも、首をググッと突き出して走るサンデーの美しいフォームは相変わらずだ。


そして結果は



1着 サイモンロード
それから5馬身遅れて大畑のメモリージルバが2着(たしかに賞金かかると強いのかも)
さらに2馬身遅れてサンデーが滑り込んでの3着。

共に揺られてきたであろうエリモアラルマは、やはりこの馬場が響いてかの7着。
親しげにしていた1枠のウォータープライドはベベタだった。

ということで、手元に戻ってきたのは3-7のワイド130円也、チャララ~♪

やはり、遠征のハンデというのは、思っている以上にキツイものなのだろう。
砂の深さが違えばスタートの感触もずいぶん違うだろうし、パドックの雰囲気も馬にとっては想像以上に大きいかも知れない。


帰りの新幹線のキップを取ってあるので、さっさと競馬場を出て再びあおなみ線に乗る。
途中、荒子駅直前で緊急停車があり5分ほど動かなかったが、飴を舐めたりしながらガマン。

名古屋駅に着いてキップを確認すると、発車まで1時間半ほど時間があった。
ミヤゲ物店でウロウロしたあと、待合室のベンチでウトウト。
丁度いい具合いの暖かさだで、冷えきった体にうれしい。
いつのまにかトロトロと眠りこみ、ハッと気づくと発車10分前。
あわててホームへ駆け上がるが、自分の乗る18時半ジャスト発の前に、25分発と28分発の「のぞみ」もあって間違えそうになる。
それでも、窓から覗くと、どの指定席車両も満席に近い状態だった。

帰路も通路側を取っていたが、となりは若い女性で、行きと同じくホッとする。
それでも、芯まで冷え切った体は大阪へ到着するまで回復せず、寒くてたまらない。


8時に家へ到着。
リビングへ入ると、フワ~ンと暖かい空気が何よりもうれしかった。
作っておいたカレーを食べながら色々きょうの話しをしたかったのだが
Nは相変わらず忙しそうで、ひとりでツマラなく黙々と食べる。




ホクセツサンデーにはちょっと残念な結果だったが
きょうの私の馬券は意外にもプラスだった。
これぞビギナーズラック!

それにしても、こんなディープに地域色を味わえる地方競馬場って、本当にオモシロい。
何もかもが、すごい勢いで新しいものに生まれ変わってゆくこの時代(しかも、ほとんどが似たような巨大ショッピングセンターなどの建造物)、ものすごく貴重なゾーンではないだろうか。
そして、名古屋の人はちょっぴりシャイで、どことなくノンキなのも印象的だった。
体調のこともありギリギリまで迷った名古屋行きだが、やっぱり行ってよかった。
サンデーには、あらためて感謝だ。
そして次回は、やっぱり憧れの笠松へ行ってみたい。




そして翌朝、フッと気づく。


(ガ~~~ン、馬頭観音に参るのを忘れてた~~~


名古屋競馬場の馬頭観音は、かなり立派なものらしく
競馬場へ着いたら真っ先に行く予定にしていたのだが、すっかり忘れてしまっていた。

ウ~ン・・・・・これは「もう一度名古屋へ行け」という神のお告げなのだろうか。



おわり


コメント (4)
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