2017.05.06(土)、四日市文化会館で開催されている、「三重さわらび会」の展示会場に来ている。 私の表題は山野草展としているが、ここではそうはなっていない。 そういえば、つい二日前同じく、ここで開かれた、展示会も「花と緑の総合展」となっていた。 何故、山野草展と言わないか、それは、矢張り展示内容がそれだけ変わってきた事を意味すると思った。
そこで、山野草とは・・・・
山野草とは、平地~高山といった野山に自生する観賞価値のある草花のことをいいます。ただ、日本の山野草栽培の歴史は、まだ100年ほどと浅く、明確な定義は確立されていません。全体的に小柄で、花に派手さはなく、素朴なものを山野草と呼ぶ傾向があります。
近年では野生植物以外にも、国内外で品種改良されたものが「山野草」として流通することもあり、また、ガーデニングに取り入れやすいように改良された古典園芸植物も含まれる場合があります
このように時代の変化とともに、山野草の定義が大きく変わりつつあるなかで、 山野草の本来の姿を知るものにとっては、聞いたこともない外国が原産地のもの、カタカナ名のもの、更には多肉植物が加わり、それに園芸品種までが加わっては、とても山野草と名乗る訳にはゆかないのであろう。 ならば、何と呼ぶか、考えてほしいものだ。
「ツキヌキニンドウ(突抜忍冬)」 ”新種”登録 第1496号
色と言い、形と言い山野草のイメージからは、かなり距離を感じてしまうのは私だけではないと思うが?。(北米原産)
「ツタカラクサ(蔦唐草)」 ”新種”登録 第1497号
ヨーロッパ原産
「ハルリンドウ(春竜胆)」 ”新種”登録 第1498号
「タテヤマリンドウ」のご先祖さまらしい。
「ヒマラヤイチゲ(ヒマラヤ一華)」 ”新種”登録 第1499号
当然、ヒマラヤの原産。
「ヒメアカネキンバイ」(姫茜金梅) ”新種”登録 第1500号
ヨーロッパの原産
「ヒメフウロソウ(姫風露草)」 ”新種”登録 第1501号
会場では「ヒメフウロ」と書かれていたが、これは「ソウ」が付くだけで、別の品種になる。 このことを知らないと、ついうっかり書いてしまうから注意が必要。 名前にこだわる必要は無いが、正しい名前を使いたいものだ。 (ヨーロッパ原産)
「ベ ニ チ ゴ(紅稚児)」 ”新種”登録 第1502号
南アフリカ産の多肉植物。
「ホタルカズラ(蛍蔓)」 ”新種”登録 第1503号
「ミヤマホタルカズラ(深山蛍葛)」 ”新種”登録 第1506号
上の「ホタルカズラ」によく似るが、微妙に異なる。(ヨーロッパ南部のご出身)
「ワニグチソウ(鰐口草)」 ”新種”登録 第1504号
「アマドコロ」のお仲間。これぞ山野草のお顔をされている。
「ミヤマカスミソウ(深山霞草)」 ”新種”登録 第1505号
ヨーロッパからはるばるお出で下さったそうな!。
「ヤブレガサ(破れ傘)」 ”新種”登録 第1507号
山野草と自信を持って呼ばれるためには、少し栄養過多、破れた人生街道を進む姿のほうが似つかわしいのでは?。
二日前の展示会とは部屋も大きく、展示品も2倍はあるのかと思うほどであったが、花の時期が二日違いでは、大きく重複するとの予測に反し、同じものは少なく、お陰で私の目的の“新種”は実に27種類集まり、大収穫であった。 これを友は、「競争心で他人と違った植物を手に入れる努力をされているのでしょうね」 と言ったが、そうかも知れないし、また、重複しないものを選んで展示されたのかも知れないが、いずれにしても、私には大変ありがたいことであった。
初めに書いた、山野草展と言わない理由に、内容の変化と書いたが、簡単な集計をしてみた。
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訪問日
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場所
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"新種"の数
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日本原産
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外国原産
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①
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2017.04.27
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美術館
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13
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13
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0
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②
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2017.04.16
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春の山野草展
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12
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8
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4
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③
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2017.05.04
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花と緑の総合展
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11
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4
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7
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④
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2017.05.06
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三重さわらび会
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27
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10
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17
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合計
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63
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35
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28
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① 元はと言えば、個人が有り余る金と暇に任せて集めたものらしいが、最近は新しく植えていないようであるからか、外国原産が一つも無かった。
② 山野草展と名乗るだけあって、67%が日本原産
③④ 併せて38種の内、日本原産は14種で37%でしかなかった。山野草展と名乗らない訳がここにもあったようだ。
この結果は、調査した時点において、私の「花写真鑑」に未登録であったものの内訳であるから、全体像を表しているとは言えないが、考えて居る通りの結果が出たので、書いておきたかったのである。 なお、園芸品種がどれかを決めるのは極めて難しいが、確定的なものは、外国産に含めた。